貸金業務取扱主任者 過去問
令和5年度(2023年)
問36 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問9)

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和5年度(2023年) 問36(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

意思表示に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • Aは、Bに甲建物を売却するつもりがないのに、Bと通謀して、甲建物をBに売却する旨の虚偽の売買契約を締結し、AからBへの甲建物の所有権移転登記を経た。この場合において、AとBが通謀して虚偽の売買契約を締結した事情を知らない第三者 CがBから甲建物を買い受けたときは、Aは、AB 間の契約は虚偽表示により無効である旨をCに対抗することができない。
  • Aは、Bが所有する甲土地の近隣に鉄道の駅が新設される計画を知り、Bとの間で、甲土地を購入する旨の売買契約を締結した。しかし、当該駅新設の計画は、当該売買契約の締結前に既に中止となっていたが、Aはそれを知らなかった。この場合において、Aは、当該駅新設が甲土地を購入する動機である旨をBに表示していなかったときは、Bに対し、当該売買契約を錯誤により取り消すことができない。
  • Aは、Bの詐欺により、Bとの間でBに甲絵画を売却する旨の売買契約を締結し、 Bに甲絵画を引き渡した後、Bは、詐欺の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲絵画を売却した。その後、Aは、詐欺による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。
  • Aは、Bの強迫により、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結し、 AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た後、Bは、強迫の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲土地を売却した。その後、Aは、強迫による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、民法における意思表示の無効や取消しが、第三者に対してどのような影響を持つかについて問うものです。

特に「虚偽表示」「錯誤」「詐欺」「強迫」といった意思表示の瑕疵に関する知識が求められます。

選択肢1. Aは、Bに甲建物を売却するつもりがないのに、Bと通謀して、甲建物をBに売却する旨の虚偽の売買契約を締結し、AからBへの甲建物の所有権移転登記を経た。この場合において、AとBが通謀して虚偽の売買契約を締結した事情を知らない第三者 CがBから甲建物を買い受けたときは、Aは、AB 間の契約は虚偽表示により無効である旨をCに対抗することができない。

正しいです。

通謀虚偽表示による無効は、善意無過失の第三者には対抗できません(民法94条2項)。

選択肢2. Aは、Bが所有する甲土地の近隣に鉄道の駅が新設される計画を知り、Bとの間で、甲土地を購入する旨の売買契約を締結した。しかし、当該駅新設の計画は、当該売買契約の締結前に既に中止となっていたが、Aはそれを知らなかった。この場合において、Aは、当該駅新設が甲土地を購入する動機である旨をBに表示していなかったときは、Bに対し、当該売買契約を錯誤により取り消すことができない。

正しいです。

錯誤が動機にある場合、それを相手に示していなければ取り消せません(民法95条2項)。

選択肢3. Aは、Bの詐欺により、Bとの間でBに甲絵画を売却する旨の売買契約を締結し、 Bに甲絵画を引き渡した後、Bは、詐欺の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲絵画を売却した。その後、Aは、詐欺による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。

正しいです。

詐欺による取消しは、善意無過失の第三者には対抗できません(民法96条3項)。

 

選択肢4. Aは、Bの強迫により、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結し、 AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た後、Bは、強迫の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲土地を売却した。その後、Aは、強迫による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。

誤りです。
AはBの強迫によって、甲土地の売買契約を締結しました。
強迫による意思表示は民法96条1項により「取り消すことができる」とされていますが、詐欺の場合と異なり、強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗することができます(民法96条3項但書なし)

つまり、たとえCがBの強迫を知らず、過失もなかったとしても、Aは「Bに強迫されたからこの契約を取り消します」と言って、Cにその効力を主張することができます。

したがって、「AはCに対抗することができない」とするこの選択肢の内容は誤りです。

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02

 意思表示に関する出題です。

 

 

 前提として、「民法96条1項により、「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」とされ、同条2項により、「相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。」とされ、同条3項により、「前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。」とされます。

選択肢1. Aは、Bに甲建物を売却するつもりがないのに、Bと通謀して、甲建物をBに売却する旨の虚偽の売買契約を締結し、AからBへの甲建物の所有権移転登記を経た。この場合において、AとBが通謀して虚偽の売買契約を締結した事情を知らない第三者 CがBから甲建物を買い受けたときは、Aは、AB 間の契約は虚偽表示により無効である旨をCに対抗することができない。

 民法94条1項により、「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」とされ、同条2項により、「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」とされるので、適切です。

選択肢2. Aは、Bが所有する甲土地の近隣に鉄道の駅が新設される計画を知り、Bとの間で、甲土地を購入する旨の売買契約を締結した。しかし、当該駅新設の計画は、当該売買契約の締結前に既に中止となっていたが、Aはそれを知らなかった。この場合において、Aは、当該駅新設が甲土地を購入する動機である旨をBに表示していなかったときは、Bに対し、当該売買契約を錯誤により取り消すことができない。

 民法95条1項により、「意思表示は、①意思表示に対応する意思を欠く錯誤、➁表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。」とされ、同条2項により、「前項➁の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。」とされるので、適切です。

選択肢3. Aは、Bの詐欺により、Bとの間でBに甲絵画を売却する旨の売買契約を締結し、 Bに甲絵画を引き渡した後、Bは、詐欺の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲絵画を売却した。その後、Aは、詐欺による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。

 前提文により、適切です。

選択肢4. Aは、Bの強迫により、Bとの間でBに甲土地を売却する旨の売買契約を締結し、 AからBへの甲土地の所有権移転登記を経た後、Bは、強迫の事情を知らず、知らないことに過失のない第三者Cに甲土地を売却した。その後、Aは、強迫による意思表示を理由として AB 間の売買契約を取り消した場合、その取消しをCに対抗することができない。

 前提文により、「できない」という部分が、適切ではありません。

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