貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問17 (法及び関係法令に関すること 問17)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問17(法及び関係法令に関すること 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

指定信用情報機関への個人信用情報の提供等に関する次のa~dの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを1つだけ選びなさい。なお、本問における貸金業者は、非営利特例対象法人及び特定非営利金融法人ではないものとする。

a  加入貸金業者(注1)は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする極度方式基本契約を締結したときは、遅滞なく、当該極度方式基本契約に係る個人信用情報を加入指定信用情報機関(注2)に提供しなければならない。
b  加入貸金業者は、貸金業法第41条の36(指定信用情報機関への信用情報の提供等に係る同意の取得等)第1項及び第2項に規定する同意を得た場合には、当該同意に関する記録を作成し、個人信用情報を加入指定信用情報機関に提供した日から10年間保存しなければならない。
c  加入貸金業者又はその役員もしくは職員は、加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報を返済能力等調査以外の目的に使用してはならないが、貸金業者向けの総合的な監督指針によれば、例えば、途上与信(注3)を行うために取得した信用情報を勧誘に二次利用した場合や信用情報を内部データベースに取り込み当該内部データベースを勧誘に利用した場合等(債権の保全を目的とした利用を含む。)であっても、返済能力の調査以外の目的による使用に該当することに留意する必要があるとされている。
d  加入貸金業者は、加入指定信用情報機関に資金需要者等に係る信用情報の提供の依頼(当該資金需要者等に係る他の指定信用情報機関が保有する個人信用情報の提供の依頼を含む。)をする場合には、内閣府令で定める場合を除き、あらかじめ、当該資金需要者等から同意を得なければならないが、当該同意は書面又は電磁的方法による方法で取得しなければならず、口頭での同意の取得は認められない。

(注1)加入貸金業者とは、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結した相手方である貸金業者をいう。
(注2)加入指定信用情報機関とは、加入貸金業者と信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関をいう。
(注3)途上与信とは、貸金業法第13条の3(基準額超過極度方式基本契約に係る調査)第1項及び第2項の規定に基づく調査をいう。
  • a、b
  • a、c
  • b、d
  • c、d

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

指定信用情報機関は、貸金業者が顧客の返済能力を適切に判断するために利用する情報を管理する機関です。

貸金業者は、信用情報の提供や利用について法律や監督指針に基づいて対応する必要があります。

 

a 不適切

貸金業者が極度方式基本契約を締結した場合でも、その契約に係る個人信用情報を指定信用情報機関に必ず提供しなければならないわけではありません
提供が義務付けられるのは、貸金業法施行規則で定める場合に限られています(貸金業法第41条の36第1項、貸金業法施行規則第10条の25)。
 

b 不適切

貸金業者は、顧客の同意を得て信用情報を提供する場合、その同意に関する記録を作成し、保存する必要があります。

ただし、保存期間は10年間ではなく、当該契約の終了後5年間です(貸金業法第41条の36第3項)。
 

c 適切

貸金業者は、指定信用情報機関から取得した信用情報を返済能力の調査以外の目的で使用してはいけません
監督指針では、途上与信のために取得した情報を勧誘目的で利用することや、内部データベースに取り込み勧誘に活用することは、返済能力調査以外の目的での使用に該当するとされています。
 

d 適切

貸金業者が信用情報を指定信用情報機関から取得する際には、資金需要者等の同意が必要です(貸金業法第41条の36第1項)。
この同意は、書面または電磁的方法による取得が義務付けられており、口頭での同意は認められていません

選択肢1. a、b

誤った選択肢です。

適切な記述はc、dです。

選択肢2. a、c

誤った選択肢です。

適切な記述はc、dです。

選択肢3. b、d

誤った選択肢です。

適切な記述はc、dです。

選択肢4. c、d

正しい選択肢です。

適切な記述はc、dです。

参考になった数1

02

「指定信用機関制度」について説明します。

貸金業法においては総量規制(個人への貸付が年収の1/3までに制限されること)が適用され、返済能力の調査も義務づけられています。

そのため、貸金業者が債務者の債務総額を把握できるようにする制度が、「指定信用機関制度」です

 

貸金業者は、指定信用機関に加入します。指定信用機関は、加入貸金業者から【個人信用情報の提供依頼】を受けた場合には、正当な理由がない限り、個人信用情報を提供する義務を負います

貸金業者が【個人信用情報の提供依頼】をするにあたっては、依頼に先立ち、資金需要者等から、書面又は電磁的方法により同意をとらなければなりません。ただし、信用情報契約締結時より前に締結した貸付、極度方式貸付は除きます。

 

さらに、加入貸金業者と指定信用情報機関とは、【信用情報提供契約】を締結します。

この契約を締結した場合、加入貸金業者は、信用情報提供契約に先立ち個人顧客との間で締結した貸付契約(極度方式基本契約を除く)で、信用情報提供契約時点で貸付債権が残っている契約について、以下の情報を指定信用情報機関に提供しなければなりません。

 

ア.顧客の氏名・住所その他特定事項(免許証、勤務先情報など)

イ.契約年月日

ウ.貸付残高、金額

エ.元本・利息の支払遅延の有無

オ.除外契約等がある場合にはその旨

 

以上を前提に、選択肢を見ていきます。

 

肢a

加入貸金業者(注1)は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする極度方式基本契約を締結したときは、遅滞なく、当該極度方式基本契約に係る個人信用情報を加入指定信用情報機関(注2)に提供しなければならない。

 

誤った選択肢です。

太字部分が誤りです。冒頭の解説のとおり、「極度方式基本契約を締結したとき」は除かれますので、指定信用情報機関に情報を提供する義務はありません。

 

肢b  

加入貸金業者は、貸金業法第41条の36(指定信用情報機関への信用情報の提供等に係る同意の取得等)第1項及び第2項に規定する同意を得た場合には、当該同意に関する記録を作成し、個人信用情報を加入指定信用情報機関に提供した日から10年間保存しなければならない。

 

誤った選択肢です。

太字部分が誤りです。

冒頭の解説どおり、貸金業者が【個人信用情報の提供依頼】をするにあたっては、依頼に先立ち、資金需要者等から同意をとらなければなりません。そして、加入貸金業者は、同意に関する記録を作成し、≪指定信用情報機関が保有する間≫保存しなければなりません

この期間について、具体的な年数は定められていません。よって、「10年間保存しなければならない」が誤りです。

 

肢C

加入貸金業者又はその役員もしくは職員は、加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報を返済能力等調査以外の目的に使用してはならないが、貸金業者向けの総合的な監督指針によれば、例えば、途上与信(注3)を行うために取得した信用情報を勧誘に二次利用した場合や信用情報を内部データベースに取り込み当該内部データベースを勧誘に利用した場合等(債権の保全を目的とした利用を含む。)であっても、返済能力の調査以外の目的による使用に該当することに留意する必要があるとされている

 

正しい選択肢です。

取得した情報については適切に管理しなければならず、利用目的以外の目的のために利用してはなりません。監督指針によれば、選択肢の場合においても、返済能力の調査以外の目的で当該情報を使用することについては留意しなければならないとされています。

 

肢d  

加入貸金業者は、加入指定信用情報機関に資金需要者等に係る信用情報の提供の依頼(当該資金需要者等に係る他の指定信用情報機関が保有する個人信用情報の提供の依頼を含む。)をする場合には、内閣府令で定める場合を除き、あらかじめ、当該資金需要者等から同意を得なければならないが、当該同意は書面又は電磁的方法による方法で取得しなければならず、口頭での同意の取得は認められない。

 

正しい選択肢です。

冒頭の解説の通り、貸金業者が【個人信用情報の提供依頼】をするにあたっては、依頼に先立ち、資金需要者等から、書面又は電磁的方法により同意をとらなければなりません。口頭での同意は同意の有無が不明確になるので、認められません。

 

 

選択肢1. a、b

誤った選択肢です。

正しいものはc,dです。

選択肢2. a、c

誤った選択肢です。

正しいものはc,dです。

選択肢3. b、d

誤った選択肢です。

正しいものはc,dです。

選択肢4. c、d

正しい選択肢です。

 

参考になった数0