貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問18 (法及び関係法令に関すること 問18)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問18(法及び関係法令に関すること 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

金利等の規制に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、元本50万円に対し年2割(20%)の利息の契約をしたときは、当該金銭の貸付けを行う者は、出資法(注)上、刑事罰の対象となる。
    (注)出資法とは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律をいう。
  • 金銭の貸付けを行う者が業として行う金銭の貸付けにつき、業として保証を行う場合において、当該保証に係る貸付けの利息が利息の契約時以後変動し得る利率をもって定められ、かつ、当該保証に際し、当該貸付けの債権者と保証人の合意により利息制限法第8条第2項第1号に規定する特約上限利率が定められなかった。この場合、当該保証人が年1割(10%)の保証料の契約をしたときは、当該保証人は、出資法上、刑事罰の対象となる。
  • 金銭の貸借の媒介に係る手数料の契約は、その手数料がその媒介に係る貸借の金額を元本として利息制限法第1条(利息の制限)に規定する利率により計算した金額を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。
  • 営業的金銭消費貸借における債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年2割(20%)を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

金利や貸付に関する規制は、出資法や利息制限法などによって定められています。

これらの法律は、貸付の利率や手数料、遅延損害金の上限を定め、借り手が過大な負担を負わないようにするためのものです。

選択肢1. 金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、元本50万円に対し年2割(20%)の利息の契約をしたときは、当該金銭の貸付けを行う者は、出資法(注)上、刑事罰の対象となる。
(注)出資法とは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律をいう。

出資法では、業として金銭の貸付を行う者の上限金利を年20%と定めており、これを超える場合に刑事罰の対象となります(出資法第5条第2項)。
この選択肢ではちょうど20%の契約となっており、法律の上限内です。

したがって、刑事罰の対象とはなりません。
この記述は不適切です。

選択肢2. 金銭の貸付けを行う者が業として行う金銭の貸付けにつき、業として保証を行う場合において、当該保証に係る貸付けの利息が利息の契約時以後変動し得る利率をもって定められ、かつ、当該保証に際し、当該貸付けの債権者と保証人の合意により利息制限法第8条第2項第1号に規定する特約上限利率が定められなかった。この場合、当該保証人が年1割(10%)の保証料の契約をしたときは、当該保証人は、出資法上、刑事罰の対象となる。

保証料については、利息制限法や出資法による直接的な規制の対象とはなっていません。

ただし、保証人が実質的に貸付の金利負担を負うような契約の場合、法の規制を逃れる目的での違法な契約とみなされる可能性があります。

しかし、この選択肢のように単に特約上限利率が定められていない場合に、保証人が刑事罰の対象となることはありません
この記述は不適切です。

選択肢3. 金銭の貸借の媒介に係る手数料の契約は、その手数料がその媒介に係る貸借の金額を元本として利息制限法第1条(利息の制限)に規定する利率により計算した金額を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

利息制限法では、金銭の貸借の媒介に関する手数料も、実質的に利息に相当する場合は規制されます。
しかし、この選択肢では媒介手数料に関する規定が利息制限法にあるとしているが、そのような規定はないため誤りです。

この記述は不適切です。

選択肢4. 営業的金銭消費貸借における債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年2割(20%)を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

利息制限法第4条では、営業的金銭消費貸借(事業者向け融資など)における損害賠償額の予定が年20%を超えると無効になると規定されています。
この記述は適切です。

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02

金利等(利息や保証料)は、債務者等にとって重要な事項ですし、その支払に重大な影響を及ぼす事由ですので、利息制限法等によって制限されています。

具体的な制限事項は選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、元本50万円に対し年2割(20%)の利息の契約をしたときは、当該金銭の貸付けを行う者は、出資法(注)上、刑事罰の対象となる。
(注)出資法とは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律をいう。

金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、元本50万円に対し年2割(20%)の利息の契約をしたときは、当該金銭の貸付けを行う者は、出資法(注)上、刑事罰の対象となる。

 

誤った選択肢です。

太字部分が誤りです。利息制限法の上限利率は以下の表のとおりです(利息制限法第1条)。

元本の額上限利率
100万円以上年15%
10万円以上100万円未満年18%
10万円未満年20%

 

元本50万円の場合、上限利率は年18%です。

選択肢2. 金銭の貸付けを行う者が業として行う金銭の貸付けにつき、業として保証を行う場合において、当該保証に係る貸付けの利息が利息の契約時以後変動し得る利率をもって定められ、かつ、当該保証に際し、当該貸付けの債権者と保証人の合意により利息制限法第8条第2項第1号に規定する特約上限利率が定められなかった。この場合、当該保証人が年1割(10%)の保証料の契約をしたときは、当該保証人は、出資法上、刑事罰の対象となる。

金銭の貸付けを行う者が業として行う金銭の貸付けにつき、業として保証を行う場合において、当該保証に係る貸付けの利息が利息の契約時以後変動し得る利率をもって定められ、かつ、当該保証に際し、当該貸付けの債権者と保証人の合意により利息制限法第8条第2項第1号に規定する特約上限利率が定められなかった。この場合、当該保証人が年1割(10%)の保証料の契約をしたときは、当該保証人は、出資法上、刑事罰の対象となる。

 

誤った選択肢です。

太字部分が誤りです。保証契約を締結する場合も、制限があります。そのうちの1つが「変動利率(=貸付けの利息が利息の契約時以後変動し得る利率をもって定められる場合)の特例」です。

利息が変動利率で定められている場合においては、保証料が20%を超えると、出資法違反となり、5年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金が科されます。

本問は10%となっている点で誤りです。

選択肢3. 金銭の貸借の媒介に係る手数料の契約は、その手数料がその媒介に係る貸借の金額を元本として利息制限法第1条(利息の制限)に規定する利率により計算した金額を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

金銭の貸借の媒介に係る手数料の契約は、その手数料がその媒介に係る貸借の金額を元本として利息制限法第1条(利息の制限)に規定する利率により計算した金額を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

 

誤った選択肢です。

太字部分が誤りです。【利息】の場合には、利息制限法第1条の制限を超過した部分について契約が無効となります。

しかし、利息制限法第1条は「金銭を目的とする消費貸借における利息の契約」としており、【貸借の媒介に係る手数料】については該当しません。

 

選択肢4. 営業的金銭消費貸借における債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年2割(20%)を超えるときは、利息制限法上、その超過部分について、無効となる。

正しい選択肢です。

まず、利息制限法第4条1項(賠償額の予定の制限)は、「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の1.46倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。」と定めています。

そもそも≪賠償額の予定≫にも制限があることについて覚えておきましょう。

 

次に、利息制限法第7条は、第4条の特則として、「賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年2割を超えるときは、その超過部分について、無効とする」と定めています。

したがって、20%を超えるときは、その超過部分について無効となりますので、正しい選択肢です。

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