貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問20 (法及び関係法令に関すること 問20)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問20(法及び関係法令に関すること 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

Aは株式会社である貸金業者であり、Bは個人である顧客である。貸金業法第13条(返済能力の調査)第3項及び同法第13条の3(基準額超過極度方式基本契約に係る調査)第3項に規定する源泉徴収票その他のBの収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるもの(以下、本問において「年収証明書」という。)に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。なお、本問における貸付けに係る契約は、貸金業法施行規則第10条の16(指定信用情報機関が保有する信用情報の使用義務の例外)に規定する貸付けの契約ではないものとする。
  • Aは、Bとの間で、初めて貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、当該契約の貸付けの金額が40万円であり、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明したBに対するA以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額(以下、本問において「他社残高」という。)が70万円であるときは、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
  • Aは、Bとの間で、貸付けの金額が100万円の貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、既にBから2年前に発行された源泉徴収票の提出を受けていたとしても、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
  • Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査をしなければならない場合において、Bとの間の貸付けに係る契約が極度額を30万円とする極度方式基本契約のみであり、他社残高が80万円でかつその全てが除外契約(注)に係るものであるときは、当該調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
    (注)除外契約とは、貸金業法第13条の2(過剰貸付け等の禁止)第2項に規定する個人過剰貸付契約から除かれる契約として貸金業法施行規則第10条の21に規定するものをいう。
  • Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査において、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超え、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない場合において、年収証明書の提出又は提供を受けるときには、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超えると知った日から2か月以内に年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、貸金業者が顧客の返済能力を調査する際に必要となる「年収証明書」の提出義務について、適切でない記述を見つける必要があります。

選択肢1. Aは、Bとの間で、初めて貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、当該契約の貸付けの金額が40万円であり、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明したBに対するA以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額(以下、本問において「他社残高」という。)が70万円であるときは、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

AがBと初めて契約を締結する際、貸付金額が40万円であり、Bの他社残高が70万円の場合、Aの貸付けと合わせると合計110万円になります。
貸金業法では、個人顧客への貸付け総額が100万円を超える場合、年収証明書の提出を求める義務があるため、このケースではAはBから年収証明書を提出させる必要があります(貸金業法第13条の3第3項、施行規則第10条の18第1項)。
適切な記述です。

選択肢2. Aは、Bとの間で、貸付けの金額が100万円の貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、既にBから2年前に発行された源泉徴収票の提出を受けていたとしても、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

AがBに対して100万円の貸付けを行う場合、2年前発行の源泉徴収票の提出を受けていたとしても、貸金業法では最新の年収証明書の提出を求める必要があるとされています(貸金業法施行規則第10条の18第2項)。
適切な記述です。

選択肢3. Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査をしなければならない場合において、Bとの間の貸付けに係る契約が極度額を30万円とする極度方式基本契約のみであり、他社残高が80万円でかつその全てが除外契約(注)に係るものであるときは、当該調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
(注)除外契約とは、貸金業法第13条の2(過剰貸付け等の禁止)第2項に規定する個人過剰貸付契約から除かれる契約として貸金業法施行規則第10条の21に規定するものをいう。

AがBと極度額30万円の契約を締結し、Bの他社残高が80万円であり、その全てが「除外契約」に該当する場合は、年収証明書の提出は不要です。
「除外契約」とは、特定の要件を満たした貸付け(住宅ローンなど)であり、これらの契約に基づく貸付額は「基準額超過極度方式基本契約に係る調査」において合算対象とはなりません(貸金業法施行規則第10条の21)。
この記述は誤りです。

選択肢4. Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査において、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超え、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない場合において、年収証明書の提出又は提供を受けるときには、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超えると知った日から2か月以内に年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

基準額超過極度方式基本契約に該当する場合、貸金業者は、顧客の合算額が100万円を超えたことを知った日から2か月以内に年収証明書を取得しなければなりません(貸金業法施行規則第10条の24第2項)。

適切な記述です。

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02

貸金業者は、個人の顧客と貸付契約(極度方式貸付を除く)を締結しようとする場合で、次のいずれかに該当する場合には、源泉徴収票など、個人顧客の収入等を明らかにする書面(「年収証明書」)の提供を受けなければなりません(貸金業法第13条3項)。

 

①契約を締結しようとする会社から50万円以上借り入れをしている場合

②借入合算額が100万円を超える場合

 

 

選択肢1. Aは、Bとの間で、初めて貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、当該契約の貸付けの金額が40万円であり、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明したBに対するA以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額(以下、本問において「他社残高」という。)が70万円であるときは、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

誤った選択肢です。

内容は適切です。冒頭の解説のとおり、貸金業者は、個人の顧客と貸付契約(極度方式貸付を除く)を締結しようとする場合借入合算額が100万円を超える場合には、年収証明書の提出を受けなければなりません。

本問において個人顧客であるBは、Aから40万円、他社から70万円を借り入れており、借入合算額は合計110万円です。したがって、100万円をこえる場合にあたり、年収証明書の提出を受けなければなりません。

 

選択肢2. Aは、Bとの間で、貸付けの金額が100万円の貸付けに係る契約を締結しようとする場合において、既にBから2年前に発行された源泉徴収票の提出を受けていたとしても、返済能力の調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

誤った選択肢です。

内容は適切です。資産状況は変動しますので、新しいものを提出してもらう必要があります。具体的には以下の通りです(施行規則第10条の17第2項参照)

書面の種類時期要件
源泉徴収票・支払調書直近の期間にかかるもの
給与の支払明細書原則:直近2か月分
確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書・納税通知書・納税証明書・所得証明書・年金通知書直近の期間にかかるもの

したがって、Aは、既にBから2年前に発行された源泉徴収票の提出を受けていたとしても、最新の年収証明書の提出を受ける必要があります。

選択肢3. Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査をしなければならない場合において、Bとの間の貸付けに係る契約が極度額を30万円とする極度方式基本契約のみであり、他社残高が80万円でかつその全てが除外契約(注)に係るものであるときは、当該調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
(注)除外契約とは、貸金業法第13条の2(過剰貸付け等の禁止)第2項に規定する個人過剰貸付契約から除かれる契約として貸金業法施行規則第10条の21に規定するものをいう。

Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査をしなければならない場合において、Bとの間の貸付けに係る契約が極度額を30万円とする極度方式基本契約のみであり、他社残高が80万円でかつその全てが除外契約に係るものであるときは、当該調査を行うに際し、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。
 

 

正しい選択肢です

太字が誤っています。除外契約とは、住宅ローンのように借り入れが必要な金銭にかかる契約をイメージしてください。

除外契約であるときは、合算の対象から除外されますので、Bの借り入れはAからの30万円のみということになります。したがって、年収証明書の提出を受ける必要はありません。

選択肢4. Aは、基準額超過極度方式基本契約に係る調査において、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超え、Bから年収証明書の提出又は提供を受けなければならない場合において、年収証明書の提出又は提供を受けるときには、Bに係る極度方式個人顧客合算額が100万円を超えると知った日から2か月以内に年収証明書の提出又は提供を受けなければならない。

誤った選択肢です。

内容は適切です。貸金業者は、第13条の3第3項本文に該当することを知った日か ら2か月以内に年収証明書の提出又は提供を受けなければなりません。

なお、施行規則第10条の26第1項は1か月以内と定めています。しかし、年収証明書の「提出期間」の延長にかかる経過措置として、「当分の間」、2か月以内に提供を受けなければならないとされています。

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