貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問33 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問6)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和6年度(2024年) 問33(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

定型約款に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 定型取引とは、ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。
  • 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款を準備した者(以下、本問において「定型約款準備者」という。)は、定型取引を行うことの合意(以下、本問において「定型取引合意」という。)をするまでに、相当な方法で相手方にその定型約款の内容を示さなければならない。
  • 定型取引合意及び定型約款を契約の内容とする旨の合意をし、かつ、定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していた場合であっても、相手方が当該定型約款の個別の条項の一部について認識していなかったときは、当該条項については合意をしたものとはみなされない。
  • 定型約款準備者は、定型約款を変更するには、その変更が相手方の一般の利益に適合するときを除き、変更内容について相手方と個別に合意しなければならない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

定型約款(ていけいやっかん)とは、多くの人と契約を結ぶ際に、個別に交渉せずに適用される契約条件のことです。
たとえば、電車の切符の利用条件や、スマートフォンの利用規約がこれにあたります。

 

民法では、2020年の改正により定型約款について次のルールが定められました(民法第548条の2~4)。

・定型取引は、ある事業者などが不特定多数を相手に、契約条件を統一することが合理的な取引を指す(民法第548条の2第1項)。

・定型約款を契約の一部とするには、相手に事前に示す義務がある(民法第548条の2第2項)。

・相手が個別の条項を知らなくても、定型約款の適用が合意されていれば契約の内容になる(民法第548条の2第4項)。

・定型約款の変更は、一定の要件を満たせば、相手の個別の合意なしに行うことができる(民法第548条の4)。

選択肢1. 定型取引とは、ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。

正しいです。
民法第548条の2第1項では、定型取引について次のように定義されています。

「特定の者が、不特定多数の者を相手にして、その内容の全部または一部が画一的であることが、その取引の性質上、合理的なものをいう。」

 

選択肢2. 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款を準備した者(以下、本問において「定型約款準備者」という。)は、定型取引を行うことの合意(以下、本問において「定型取引合意」という。)をするまでに、相当な方法で相手方にその定型約款の内容を示さなければならない。

誤りです。
民法第548条の2第2項では、「定型約款の内容を契約の一部とするには、相手方に示さなければならない」とされていますが、それが「定型取引合意をするまでに」示さなければならないとは書かれていません。
契約の成立前ではなく、契約の一部とする段階で示せばよいため、「合意までに示さなければならない」という表現が誤りです。

選択肢3. 定型取引合意及び定型約款を契約の内容とする旨の合意をし、かつ、定型約款準備者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していた場合であっても、相手方が当該定型約款の個別の条項の一部について認識していなかったときは、当該条項については合意をしたものとはみなされない。

誤りです。
民法第548条の2第4項では、「定型約款を契約の一部とする旨の合意があり、その適用が明示されていた場合、相手方が個別の条項を認識していなくても契約の内容とみなされる」と規定されています。

したがって、「認識していなかったときは合意をしたものとはみなされない」という記述は誤りです。

選択肢4. 定型約款準備者は、定型約款を変更するには、その変更が相手方の一般の利益に適合するときを除き、変更内容について相手方と個別に合意しなければならない。

誤りです。
民法第548条の4では、定型約款の変更には以下のいずれかの要件を満たせば有効になると規定されています。

・相手方の一般の利益に適合する場合(例:利用者にとって有利な変更)

・変更が合理的であり、事前に通知している場合(例:料金プランの改定など)

 

「一般の利益に適合する場合を除き、変更について個別に合意が必要」とするこの選択肢は、「変更が合理的であり、事前に通知している場合」でも変更ができるという点を無視しているため、誤りです。

参考になった数0