貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問34 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問7)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問34(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

相続に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、相続人の欠格事由に該当しもしくは廃除によって相続権を失ったとき、又は相続の放棄をしたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
  • 被相続人の配偶者と被相続人の直系尊属が相続人となるときは、当該配偶者の法定相続分は、4分の3である。
  • 相続人が数人あるときは、限定承認は、各共同相続人がその相続分に応じて個別にすることができる。
  • 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とされる。

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この過去問の解説 (2件)

01

被相続人が死亡すると、死亡によって自動的に相続が発生します。相続とは亡くなった人の財産(権利や義務)を、残された家族などの相続人が引き継ぐことを言います。金銭や債権だけでなく、借金などの債務も相続の対象になります。

選択肢1. 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、相続人の欠格事由に該当しもしくは廃除によって相続権を失ったとき、又は相続の放棄をしたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、相続人の欠格事由に該当しもしくは廃除によって相続権を失ったとき、又は相続の放棄をしたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる

 

不適切な選択肢です。

太字部分が誤りです。相続の放棄とは、「放棄後、自分の血族に相続財産は不要であり、また血族は義務を負わない」という意思表示です。

したがって、相続の放棄をした場合、放棄をしたものだけでなく、その者の子以降も相続人とはなりません。

選択肢2. 被相続人の配偶者と被相続人の直系尊属が相続人となるときは、当該配偶者の法定相続分は、4分の3である。

被相続人の配偶者と被相続人の直系尊属が相続人となるときは、当該配偶者の法定相続分は、4分の3である。

 

不適切な選択肢です。

太字部分が誤りです。まず、法定相続分とは、民法によって定められた遺産の相続分のことです。次に直系尊属とは、家系図で自分の上にくる者、つまり両親等です。なお、家系図で自分の下にくる者(子どもなど)は、直系卑属といいます。

 

配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、2/3となり、直系尊属の相続分は1/3です(民法900条2号)。

選択肢3. 相続人が数人あるときは、限定承認は、各共同相続人がその相続分に応じて個別にすることができる。

相続人が数人あるときは、限定承認は、各共同相続人がその相続分に応じて個別にすることができる

 

不適切な選択肢です。

太字部分が誤りです。限定承認とは、相続人が、相続財産から借金などを清算して、財産が余った場合に相続するという方法です。

法律関係が煩雑になることを防ぐため、相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同して行わなければなりません(民法923条)

選択肢4. 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とされる。

適切な選択肢です。

相続人がいるかどうか明らかでないときは、相続財産法人が設立され(民法951条)、相続財産は法人として管理されます。

相続財産法人が成立すると、家庭裁判所によって相続財産管理人が選任され、相続財産管理人により相続財産の管理が開始されます。

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02

相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産や負債を家族などの相続人が引き継ぐことです。
相続には、法定相続(法律で定められた相続)と、遺言相続(遺言による相続)の2種類があります。
また、相続人がいない場合や、相続財産の管理方法については、特別なルールが定められています。

選択肢1. 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、相続人の欠格事由に該当しもしくは廃除によって相続権を失ったとき、又は相続の放棄をしたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

誤りです。
代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、被相続人の子が死亡・欠格・廃除された場合に、その子(被相続人の孫)が代わりに相続する制度です(民法887条2項)。
しかし、相続放棄をした場合は代襲相続が認められません民法939条)。
よって、「相続の放棄をしたとき」も代襲相続が発生するとしているこの記述は誤りです。

選択肢2. 被相続人の配偶者と被相続人の直系尊属が相続人となるときは、当該配偶者の法定相続分は、4分の3である。

誤りです。
法定相続分とは、民法で定められた相続の分け方です。

被相続人の配偶者と直系尊属(親・祖父母)が相続する場合、配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1です(民法900条)

この選択肢の「配偶者の相続分が4分の3」という記述は間違いです。

選択肢3. 相続人が数人あるときは、限定承認は、各共同相続人がその相続分に応じて個別にすることができる。

誤りです。
限定承認とは、相続した財産の範囲内で被相続人の借金などを返済し、それを超える負債は引き継がない制度です(民法922条)。

限定承認は、相続人全員が共同でしなければならないと定められています民法923条)。

つまり、「個別にできる」とするこの記述は誤りです。

選択肢4. 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とされる。

正しいです。
相続人がいない場合、相続財産はそのまま放置されるのではなく、法律上「法人」として扱われます民法951条)。
この法人は、家庭裁判所によって選ばれた「相続財産管理人」によって管理され、最終的に国庫(国の財産)に帰属します(民法959条)。

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