1級建築施工管理技士の過去問
平成30年(2018年)
午前 問6

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問題

1級 建築施工管理技術検定試験 平成30年(2018年) 午前 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 梁の材質を、SN400AからSN490Bに変えても、断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。
  • 鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。
  • 材端の移動が拘束され材長が同じ場合、両端固定材の座屈長さは、両端ピン支持材の座屈長さより短い。
  • 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄骨構造に関する問題です。

選択肢1. 梁の材質を、SN400AからSN490Bに変えても、断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。

1:設問通りです。

建築構造用圧延鋼材は、SS・SN・SM材があります。

頭文字の「S」は「スチール」を表します。

出題のSN材の「N」は「NEW」(新しい)を意味し、SN材はSS材より新しい鋼材を意味します。

SN490Bは、SN400Aより強度は高いですが、ヤング係数は同じなので剛性が変わりません。

その為、断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一となるのです。

SN400Aは、建物の変形性能を考慮した鋼材です。

SN490Bは、主に、建物の梁として利用します。

強度が高いので、比較的高さのある建物や荷重が大きな建物に利用します。

選択肢2. 鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

設問通りです。

「トラス構造」は、主に大スパン構造(体育館やドーム、橋)などに利用される構造形式の1つで、部材同士を三角形につなぎ合わせた構造形式です。

他の構造形式には「ラーメン構造」があります。

「ラーメン構造」の接合部は「剛接合」とする必要がありますが、「トラス構造」の接合部は「ピン接合」とします。

「ピン接合」とは、「一体化はしないが、部材同士を留める」接合方法です。

構造的にいえば、接合部が回転し、曲げモーメントを伝えません。

「ピン接合」では、材同士を一体化する突き合わせ溶接ではなく、「隅肉溶接」と「高力ボルト接合」が基本となります。

選択肢3. 材端の移動が拘束され材長が同じ場合、両端固定材の座屈長さは、両端ピン支持材の座屈長さより短い。

設問通りです。

境界条件による座屈長さの違いに関する設問です。

座屈長さとは、座屈(変形)する部材の長さを意味します。

境界条件と座屈長さの関係は下記の通りです。

・両端ピン⇒座屈長さLk=1.0L(座屈長さは支点間距離)

・一端ピン、一端固定⇒座屈長さLk=0.7L(座屈長さが支点間距離×0.7)

・両端固定⇒座屈長さLk=0.5L(支点間距離の半分)これは、座屈しにくいことを意味します。

・片持ち⇒座屈長さLk=2.0L(部材長さの2倍)

選択肢4. 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

誤りです。

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚があります。

柱脚の固定強度(回転拘束)は、露出柱脚<根巻き柱脚<埋込み柱脚です。

露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力があります。

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02

以下に解説します。

選択肢4. 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

誤りです。

正しくは、柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、

露出形式ではなく根巻き形式とします。

回転拘束力は、露出柱脚<根巻き柱脚<埋込み柱脚となります。

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