大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問31 (第4問(漢文) 問5)
問題文
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
傍線部B「苟近我、我当図之」の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問31(第4問(漢文) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
傍線部B「苟近我、我当図之」の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- どうか私に近づいてきて、私がおまえの絵を描けるようにしてほしい。
- ようやく私に近づいてきたのだから、私はおまえの絵を描くべきだろう。
- ようやく私に近づいてきたのだが、どうしておまえを絵に描けるだろうか。
- もし私に近づいてくれたとしても、どうしておまえを絵に描けただろうか。
- もしも私に近づいてくれたならば、必ずおまえを絵に描いてやろう。
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この過去問の解説 (3件)
01
傍線部Bの前後を見てみると、
絵描きが祈って言うことには、「B」。蝶がその(絵描きの)袖に降り立ったので、少しの間詳しく見て、その形や色を把握した。
となっています。
傍線部Bは、絵描きが蝶に対して言った言葉だとわかります。
ここで「当」の字がポイントとなります。
漢文の「当」は、「当然~すべきだ」「きっと~に違いない」という意味があります。
前後の内容や「当」の意味に適さないため、この選択肢は誤りです。
前後の内容や「当」の意味に適さないため、この選択肢は誤りです。
前後の内容や「当」の意味に適さないため、この選択肢は誤りです。
前後の内容や「当」の意味に適さないため、この選択肢は誤りです。
前後の内容や「当」の意味に適しているため、この選択肢が最も適当なものです。
漢文の「当」は、「当然~すべきだ」「きっと~に違いない」という意味があります。
前後の内容とも合わせて選択肢を見るようにしましょう。
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02
この問題を解答するポイントは以下の点です。
①再読文字、重要文法はあるか。
仮定の句法である「苟」を訳せていないので不適当です。
仮定の句法である「苟」を訳せていないので不適当です。
仮定の句法である「苟」を訳せていないので不適当です。
仮定の句法は入っていますが、再読文字「当」の用法として疑問、否定形は正しくないので、不適当です。
仮定の句法、再読文字ともに正しく使用しています。
最初に提示したとおり、この問題を解答するポイントは以下の点です。
①再読文字、重要文法はあるか。
今回の文章には、「苟しくも~ば」という仮定の句法と、「当に~すべし」という再読文字が使用されています。
この2点の句法をきちんと訳せているか、選択肢の確認を行います。
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03
苟近我、我当図之 は 「もしも私に近づいてくれたならば、必ずおまえを絵に描いてやろう」 という意味です。
語ごとの働きは次のとおりです。
苟 … 「もし〜ならば」という仮定
近我 … 「私に近づく」。
当 … 「当然…すべきだ」「きっと…しよう」という決意や当然
図之 … 「それ(鳥)を図(はか)る」→「絵に描く」
条件を示す苟と、意志・当然を示す当が組み合わさることで、「近づけば描いてやろう」という前向きな約束になります。
「苟」を懇願の“どうか”と取るのは不自然です。苟は仮定なので頼みごとにはなりません。
「苟」を既に起こった事実と解するため条件の働きが失われています。語義に合いません。
「当」を疑問・反語とみなして否定的に訳していますが、当は肯定的な当然・意志を示します。
前半は仮定を取っていますが、後半が疑問形で否定的です。これも当の意味に反します。
苟=もし、当=当然・必ず、図=描く、とすべての語義が合致します。
苟は仮定、当は当然・強い意志を示します。よって文全体は「もし〜ならば、当然〜する」という約束の形となります。
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