公立学校教員の過去問
平成28年度(H29年度採用)
共通問題 問26
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
「東京都長期ビジョン」(平成26年12月)に示された教育に関する記述として適切でないものは、次のうちのどれか。
- おおむね10年後の東京の姿として、海外で通用する高い語学力と豊かな国際感覚を有し、日本人としての誇りを持って世界を舞台に活躍する人材が育成されているとし、政策目標に「英語村(仮称)」を2018年度までに開設し、世界で活躍するグローバル人材を育成する教育環境を実現することを挙げている。
- おおむね10年後の東京の姿として、児童・生徒の学習意欲を高めるとともに学びの基礎・基本を徹底することにより、確かな学力の習得・向上が図られているとし、政策目標に都立高校学力スタンダードに基づく指導を、2015年度までに全校全学年にて実施し、全国学力・学習状況調査での下位層を全教科30%未満まで減少させることを挙げている。
- おおむね10年後の東京の姿として、児童・生徒の一人ひとりの基礎体力・運動能力が向上しているとし、政策目標にスポーツ特別強化校を、2018年度までに都立高校における部活動のうち100部指定し、2019年度に、児童・生徒の体力をピーク時である昭和50年代の水準まで向上させることを挙げている。
- おおむね10年後の東京の姿として、豊かな心を育成するための道徳教育が展開されており、人を思いやる気持ちや規範意識を身に付けた子供たちが育っているとし、政策目標にいじめに関する授業を2024年度まで、毎年都内全ての国公私立学校で行い、いじめ・ひきこもり等、青少年が抱える問題の解決に向けた良好な環境を実現することを挙げている。
- おおむね10年後の東京の姿として、成長段階に応じた系統的なキャリア教育の展開により、自らの力で未来を切り拓く自立した人材を輩出しているとし、政策目標に小中高を通じた系統的なキャリア教育を、2020年度までに全公立学校で行い、2024年度には、将来について目標を持つ都立高校生を80%以上にすることを挙げている。
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この過去問の解説 (3件)
01
問題は「東京都長期ビジョン」における都市戦略6「世界をリードするグローバル都市の実現」の政策指針18「東京、そして日本を支える人材の育成」の内容について問うものです。
ここでは、おおむね10年後までに実現することを4つ示しています。
①グローバル人材を育成する教育環境を整備:高校卒業段階で、日常生活に必要な英語力(英検準2級程度)を習得
②基礎基本を徹底し学力を向上:全国学力・学習状況調査での下位層を全教科30%未満に減少
③健康で充実した生活を営むための体力向上:児童生徒の体力をピーク時の昭和 50 年代の水準まで向上
④系統的なキャリア教育:高校生の80%以上が将来について目標を持っている
選択肢の内容については以下の通りです。
1 〇 ①において、小・中・高校生が英語しか使えない環境に身を置き、外国人との様々な生活体験や学習を通じて生きた英語を取得するよう2018年度までの「英語村(仮称)」の新設を挙げています。
2 〇 ②において確かな学力の定着と伸長を目指し、具体的な学習目標を明示した「都立高校学力スタンダード」による指導の推進を挙げています。
3 〇 ③において一人ひとりの体力を向上させるとして、都立高校の部活動を強化し、スポーツの裾野を拡大させることを挙げています。
4 × 上記の通りいじめや道徳教育については含まれていないため、適切ではありません。
5 〇 ④において社会的・職業的自立を図る教育の推進として発達段階に応じた系統的なキャリア教育の推進を挙げています。
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02
「東京都長期ビジョン」は「成熟の中で成長を続ける」社会システムを構築するための今後の都政の大方針となるものです。
「世界一の都市・東京を目指して」というビッグスローガンのもと、それを実現するための「2つの基本目標・8つの都市戦略・25 の政策指針」が示されています。
目標の1つは「オリンピック・パラリンピックの実現」で、教育に関係のあるのは、もう1つの「課題を解決し、将来にわたる東京の持続的発展の実現」の中にある「都市戦略6 世界をリードするグローバル都市の実現」です。
その中では、
①グローバル人材を育成する教育環境を整備
②基礎基本を徹底し学力を向上
③健康で充実した生活を営むための体力向上
④系統的なキャリア教育
について述べていますが、道徳教育に関しては触れられてはいません。
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03
「都市戦略6世界をリードするグローバル都市の実現」の施策目標の一つとして、「英語村(仮称)」を2018年度までに開設し、世界で活躍するグローバル人材を育成する教育環境を実現することを挙げています。
2:正しい
政策指針18「東京、そして日本を支える人材の育成」の中で「基礎・基本の徹底を通じた確かな学力の習得・向上」ということを目標に挙げており、その項目として、2024年頃までに、全国学力・学習状況調査での下位層を全教科30%未満まで減少するとしています。よって、選択肢の記述は正しいです。
ちなみに、「都立高校学力スタンダード」とは「学習指導要領に定めている指導内容について、具体的な学習目標を示したもの」であり、「各都立高校はこの学習目標を参考に、学校の設置目的や生徒の実態に応じて自校の学力スタンダードを策定し、組織的な指導体制で指導内容・方法の改善を図っている」とされています。
3:正しい
都市戦略6「世界をリードするグローバル都市の実現」及び政策指針18「東京、そして日本を支える人材の育成」の取り組みとしてスポーツ特別強化校を、2018年度までに都立高校における部活動のうち100部指定するとしています。また、政策指針18「東京、そして日本を支える人材の育成」の中で「健康で充実した生活を営むための体力向上」ということを目標に挙げており、その項目として、2019年度に、児童・生徒の体力をピーク時である昭和50年代の水準まで向上させることを挙げています。よって、選択肢の記述は正しいです。
4:誤り
全ての学校において、学校いじめ対策委員会の設置や学校いじめ防止基本方針の策定等を通して、学校全体による組織的な対応を推進している。その取り組みとして、例えば「子供がいじめにより命を絶つようなことが決して起こることのないよう、『学校いじめ対策委員会』の機能を強化し、全教職員による組織的な取組の徹底を図ること」「子供たち同士が主体的に話し合い、解決に向けて行動できるようにするための取組を充実させること」「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等との連携など、『学校サポートチーム』を有効に活用しながら、子供たちや家庭に対して効果的な支援を行うこと」などが挙げられているが、「いじめに関する授業を、毎年都内全ての国公私立学校で行うこと」ということは含まれていない。よって、選択肢の記述は誤りです。
5:正しい
政策指針18「東京、そして日本を支える人材の育成」の中で「系統的なキャリア教育の推進」ということを目標に挙げており、その項目として、2024年度には、将来について目標を持つ都立高校生を80%以上にすることを挙げています。よって、選択肢の記述は正しいです。
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