公立学校教員の過去問
平成28年度(H29年度採用)
小学校に関する問題 問28
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 小学校に関する問題 問28 (訂正依頼・報告はこちら)
総合的な学習の時間に関する記述として、小学校学習指導要領に照らして最も適切なものは、次のうちではどれか。
- A教諭は、年間指導計画の作成に当たって、育てようとする資質や能力及び態度については、児童の実態や学習内容によって常に変更していくものであると考え、資質や能力及び態度の視点を踏まえた計画を立てることは行わなかった。
- B教諭は、年間指導計画の作成に当たって、外国語活動で身に付けた知識や技能を総合的な学習の時間で生かせるようにしたいと考えたが、総合的な学習の時間と外国語活動では目標が異なるので、両者を関連付けるような指導計画は作成しなかった。
- C教諭は、問題の解決や探究活動の過程においては、自ら課題を見付け、自ら考え、主体的に判断することが重要であると考え、グループ学習や異年齢集団による学習は行わず、児童一人一人の個別の学習活動のみを行うこととした。
- D教諭は、日本と諸外国の関係について学ぶ際、横断的・総合的な課題として国際理解を取り上げ、問題の解決や探究活動を通して取り組んでいくことは意義のあることと考え、諸外国の生活や文化などを体験したり調査したりするなどの学習活動を行うこととした。
- E教諭は、情報に関する学習を行う際には、問題の解決や探究活動に取り組むことを通して、情報が社会に与える影響を考えさせることが重要であると考え、インターネットなどを活用した情報の発信は行わず、情報の収集に関する学習内容に留めることとした。
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この過去問の解説 (3件)
01
平成20年学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」の「全体計画及び年間指導計画の作成に当たって」では、必須の要件として記すものとして、「各学校において定める目標、育てようとする資質や能力及び態度、内容」としています。よって、選択肢の記述は誤りです。
ただし、「実際に指導する教師が、目の前の児童の実態に応じて計画の適切さを検討し直し、実施に移していくことが重要である。検討した結果、事前の計画以上にふさわしい学習活動が生み出せると判断した場合には、必要に応じて計画を修正する柔軟性をもつことが大切である」としており、育てようとする資質や能力及び態度などが計画していたものから変更や改善を加えることは望まれています。
2:誤り
平成20年学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」の「指導計画の作成に当たっての配慮事項」として「総合的な学習の時間の目標を実現するためには、各教科、道徳、外国語活動及び特別活動を含めた全教育活動の中で、総合的な学習の時間の位置付けを明確にすることが重要である」としています。
よって、総合的な学習の時間と外国語活動では目標が異なるので、「両者を関連付けるような指導計画は作成しない」のではなく、「両者が相互に関連し合う全体計画及び年間指導計画を作成する」ことが求められます。
3:誤り
平成20年学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」の「総合的な学習の時間の学習指導のポイント」の中に「他者と協同して取り組む学習活動にする」というポイントがあります。その項では「グループや集団で学習活動を進めることや、地域の人や専門家など校外の人と交流する機会を設けることも有効である」としています。そして、「協同して学習活動に取り組むことが、児童の問題の解決や探究活動を持続させ繰り返させるとともに、一人一人の児童の考えを深め、自らの学習に対する自信と自らの考えに対する確信をもたせることにもつながる」としています。
よって、問題の解決や探究活動の過程においては、「グループ学習や異年齢集団による学習は行わず、児童一人一人の個別の学習活動のみを行う」のではなく、児童の実態に合わせて「個別の探究活動だけでなく、グループ学習や異年齢集団による学習も取り入れる」ことが大切です。それは、C教諭の大切にしている「自ら課題を見付け、自ら考え、主体的に判断すること」にもつながることです。
4:正しい
平成20年学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」の「内容の取扱いについての配慮事項」の一つとして、「国際理解に関する学習を行う際には、問題の解決や探究活動に取り組むことを通して、諸外国の生活や文化などを体験したり調査したりするなどの学習活動が行われるようにすること」としています。よってD教諭の取り組みは適切であるといえます。
5:誤り
平成20年学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」の「内容の取扱いについての配慮事項」の一つとして、「情報に関する学習を行う際には、問題の解決や探究活動に取り組むことを通して、情報を収集・整理・発信したり、情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動が行われるようにすること」としている。この記述の「情報を収集・整理・発信したり」について、「インターネットを活用したり適切な相手を見付けて問い合わせをしたりして課題に関する情報を幅広く収集し、それらを整理して自分なりの意見をもち、それをプレゼンテーションしたり、インターネットを使って発信したりするような、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を効果的に活用する学習活動のことを指している」としています。よって、「インターネットなどを活用した情報の発信は行わず、情報の収集に関する学習内容に留める」のではなく、「インターネットを活用して課題に関する情報を幅広く収集したり、インターネットを使って発信したり」することが求められます。
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02
最新の平成29年告示の小学校学習指導要領 第5章総合的な学習の時間 に示されていることからみていくと、全て「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」に書かれています。
第3 1「(2)全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に, 目標及び内容,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。」
となっていることから、1と2は誤りです。
第3 2「 (2)探究的な学習の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語 により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。その 際,例えば,比較する,分類する,関連付けるなどの考えるための技法が活用されるようにす ること。 」となっていることから、個別の学習活動のみという3は誤りです。
第3 2「(8)国際理解に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,諸外国の生活 や文化などを体験したり調査したりするなどの学習活動が行われるようにすること。 」となっていることから、4の内容と一致するため、正しいです。
第3 2「(3) 探究的な学習の過程においては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果 的に活用して,情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。そ の際,コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な 操作を習得し,情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮すること。 」となっていることから、発信はせず収集に関する学習内容に留めるという5は誤りです。
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03
小学校学習指導要領 第5章総合的な学習の時間の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」を確認しましょう。
1:「(2)全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に, 目標及び内容,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。」 と示されていますので、「資質や能力及び態度の視点を踏まえた計画を立てることは行わなかった。」は誤りです。
2:「 (2)探究的な学習の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語 により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。その 際,例えば,比較する,分類する,関連付けるなどの考えるための技法が活用されるようにす ること。 」と示されていますので、「両者を関連付けるような指導計画は作成しなかった。」は誤りです。
3:上の観点から「児童一人一人の個別の学習活動のみを行うこととした。」というのも誤りです。
4:「(8)国際理解に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,諸外国の生活 や文化などを体験したり調査したりするなどの学習活動が行われるようにすること。 」と示されており、4の内容に書かれていることと一致します。
5:「(3) 探究的な学習の過程においては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果 的に活用して,情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。」と示されていますので、「インターネットなどを活用した情報の発信は行わず、情報の収集に関する学習内容に留めることとした。」は誤りです。
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