公立学校教員の過去問
令和2年度(令和3年度採用)
共通問題 問4
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和2年度(R3年度採用) 共通問題 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
教科用図書に関する記述として、法令に照らして適切なものは、次の選択肢のうちのどれか。
- 地方公共団体は、毎年度、義務教育諸学校の児童・生徒が各学年の課程において使用する教科用図書を購入し、当該学校の校長を通じて児童又は生徒に給与する。
- 小学校に 10月に転学した児童には、転学前に給与を受けた教科用図書と転学後に使用する教科用図書が同一の場合であっても、再度、当該教科用図書が無償で給与される。
- 中学校においては、教科用図書以外の教材は、有益かつ適切なものであれば、教員は当該学校の校長に報告することにより、教科の主たる教材として授業に使用することができる。
- 高等学校においては、文部科学大臣の定めるところにより、「文部科学大臣の検定を経た教科用図書」又は「文部科学省が著作の名義を有する教科用図書」以外の教科用図書を使用することができる。
- 公立の義務教育諸学校における教科用図書の採択は、教科用図書選定審議会が行う助言により、当該義務教育諸学校の校長が、種目ごとに一種の教科用図書について行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
1.誤りです。
「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」の第3条によると、「国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書…を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。」としています。
また、第5条1項では、「義務教育諸学校の設置者は、第三条の規定により国から無償で給付された教科用図書を、それぞれ当該学校の校長を通じて児童又は生徒に給与するものとする。」ともあります。
教科用図書を購入し給与するのは【地方公共団体】ではなく、【国】が正しいです。
2.誤りです。
「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第5条2項によると、「学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。」としています。
この「文部科学省令で定める場合」とは、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則」第1条で、「二月末日までの間に転学した児童又は生徒について、種目ごとに転学後において使用する教科用図書が転学前に給与を受けた教科用図書と異なる場合」とあります。
したがって、使用する教科用図書が同一であれば、転学が10月であっても給与されないということですので、誤りといえます。
3.誤りです。
「教育基本法」第34条1項では、「教科用図書を使用しなければならない」とあります。
4項では「教科用図書以外の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。」ともあります。
(第34条は小学校の規定ですが、第49条で中学校にも準用されるとあります)
したがって、【教科の主たる教材】として使用することはできませんので、誤りといえます。
4.正しいです。
「学校教育法」附則第9条では、「高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校並びに特別支援学級においては、…文部科学大臣の定めるところにより、第三十四条第一項に規定する教科用図書以外の教科用図書を使用することができる。」とあります。
第34条1項で規定する教科用図書とは、「文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書」と定義されていますので、選択肢の記述は正しいです。
5.誤りです。
「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第13条1項では、「都道府県内の義務教育諸学校(都道府県立の義務教育諸学校を除く。)において使用する教科用図書の採択は、第十条の規定によつて当該都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、種目ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。」とあります。
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第21条を根拠として、教科用図書の採択は【都道府県の教育委員会】が行なうため、【校長】が採択はできません。
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02
1:第三条、第五条に以下のように定められています。
第三条
国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書で第十三条、第十四条及び第十六条の規定により採択されたものを購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
第五条
義務教育諸学校の設置者は、第三条の規定により国から無償で給付された教科用図書を、それぞれ当該学校の校長を通じて児童又は生徒に給与するものとする。
教科用図書を購入するのは「地方公共団体」ではなく「国」ですので、1は誤りです。
2:第五条2に以下のように定められています。
学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。
小学校において10月は年度途中で転学したことになります。従って教科用図書の給与対象ではないため、2は誤りです。
3:「学校教育法」第三十四条に、教科用図書の使用について以下のように定められています。
小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。(①〜③、⑤の項目は省略)
④ 教科用図書及び第二項に規定する教材以外の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。
また第四十九条に上記は中学校でも準用することが述べられています。
しかしながら、「教科の主たる教材として授業に使用」できるとは述べられていないため、3は誤りです。
4:「学校教育法」第六十二条に高等学校の教材について以下のように定められています。
第三十条第二項、第三十一条、第三十四条、第三十七条第四項から第十七項まで及び第十九項並びに第四十二条から第四十四条までの規定は、高等学校に準用する。
上記に第三十四条の項目(教科用図書及び第二項に規定する教材以外の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。)が含まれているため、4は正答です。
5:第十三条2に以下のように定められています。
都道府県立の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、あらかじめ選定審議会(「教科用図書選定審議会」の略)の意見をきいて、種目ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。
校長に教科用図書採択の権限は無いため、5は誤りです。
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03
2. 「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第5条第2項より、学年の中途において転学した児童又は生徒に対しては、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとしています。よって、10月に転学した場合は通常給与しないとされます。よって、選択肢2は誤りとなります。
3. 「学校教育法」第34条第4項では、小学校において「教材以外の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる」としていますが、これを「教科の主たる教材として授業に使用」できる規定はありません。
中学校についても第49条において小学校の規定が準用されており、中学校でも同様に使用できないとされます。よって、選択肢3は誤りとなります。
4. 「学校教育法」第34条及び第62条より、正しい記述となります。
5. 「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第13条第2項には、「教科用図書の採択」を行うのは主体として「校長」の記載はないため、選択肢5は誤りとなります。
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