理容師の過去問 第43回 香粧品化学 問5
この過去問の解説 (3件)
パーマ剤及びへアカラーの成分と役割に関する問題です。
誤った組み合わせです。
アンモニアをアンモニア水に溶かし込んだ水酸化アンモニウムは、パーマ剤1剤やヘアカラー剤や脱色剤などに用いられています。
調色剤(カップラー)は、単独では参加されても発色しませんが、染料中間体と組み合わされて発色します。
誤った組み合わせです。
パラフェニレンジアミンは、ヘアカラーやヘアダイに使用される酸化型の染料成分です。
酸化剤は、パーマの第2剤(臭素酸ナトリウム、過酸化水素)、ヘアカラーの2剤(過酸化水素)があります。
誤った組み合わせです。
アルカリ剤は、アルカリヘアカラーの1剤(パラフェニレンジアミンなどの酸化染料、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム)に使用されています。
レゾルシンは、カップラーの中で最もよく用いられる染料です。
黄味の出せるカップラーは、レゾルシンのみです。
正しい組み合わせです。
チオグリコール酸は、パーマ1剤に使用されている還元剤の成分の1つです。
正解は4です。
1~4それぞれがパーマ剤及びヘアカラーの成分としてどういう役割で配合されているか見てみましょう。
アンモニア水・・・薬剤の浸透を促進し、パーマ剤第1剤(チオグリコール酸塩)の反応やヘアカラー2剤(過酸化水素水)の酸化機能を高めます。
調合剤(カップラー)はそれ自体では発色しませんが、染料中間体と組み合わせることで発色する成分のことですから、アンモニア水ではありません。
パラフェニレンジアミン・・・酸化染料で主に使われる染料(中間染料体)で、かぶれの原因となる物質です。
一方酸化剤はパーマにおいて第1剤で還元されて切断されたシスチン結合を再結合させる役割のものですので、2の説明も誤りです。
レゾルシン・・・酸化染料の調合剤(カップラー)に使われる成分。
アルカリ剤はパーマやヘアカラーにおいて髪を膨潤・軟化させ薬剤の浸透を促進する作用がある成分なので、これも誤りです。
チオグリコール酸塩・・・毛髪のシスチン結合に水素を与えて還元しシスチン結合を切断するのがパーマ剤第1剤の還元剤ですから、4が正しい説明となります。
【パーマネントウェーブ溶剤】
第1剤(還元剤)
・チオグリコール酸
・システイン
第2剤(酸化剤)
・臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム
・過酸化水素
【酸化染毛剤】
1剤
・酸化染料
染料中間体(パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノールなど)
カップラー(レゾルシン、メタアミノフェノールなど)
・アルカリ剤(アンモニア水)
2剤
・酸化剤(過酸化水素)
アンモニア水は、酸化染毛剤のアルカリ剤に使います。
よって、組み合わせは違います。
パラフェニレンジアミンは、酸化染毛剤の酸化染料の染料中間体に使います。
よって、組み合わせは違います。
レゾルシンは、酸化染毛剤の酸化染料のカップラーに使います。
よって、組み合わせは違います。
チオグリコール酸は、パーマ1剤の還元剤に使います。
よって、組み合わせは正しいので、これが正解になります。
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