社会福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
相談援助の理論と方法 問110

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問題

社会福祉士試験 第27回(平成26年度) 相談援助の理論と方法 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、G社会福祉士と民生委員が行った活動が果たした機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
地域包括支援センターのG社会福祉士は、「足腰が弱ってきて買い物にも行きづらいけれど、他人に助けてもらうのは気が進まない」とサービス利用を拒否する一人暮らしのHさん(83歳)に対して、何度も訪問し、Hさんのことを心配しているという姿勢を示し続けた。その結果、Hさんは要介護認定を受け、訪問介護サービスの利用に至った。この体験から地域の民生委員と協力して、地域にはHさんのような人がまだいるのではないかと調べた。その過程で、似たような思いからサービスを利用していない人がたくさんいることが分かった。
  • ニーズの掘り起こし
  • 情報開示
  • 新規資源の開発
  • 直接サービスの提供
  • アフターケア

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この過去問の解説 (3件)

01

1○ 事例のような、潜在化されているニーズを発見することを「ニーズの掘り起こし」と言います。

2× 情報開示とは、利用者の請求によって地域包括支援センターが保有している情報を開示することを指します。事例では、サービスの情報は提供していますが、情報開示とは言えません。

3× 既存のサービス利用に結びつけているので、新規資源の開発は行なっていません。

4× Hさんは訪問介護サービスの利用に至っていますが、G社会福祉士と民生委員が訪問介護サービスを行う訳ではないので、誤りです。

5× アフターケアとは、支援が終結した後に再び支援が必要な状況になっていないかなどを確認するフォローのことで、事例には該当しません。

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02

1○ クライエントの個別支援をきっかけに、地域の同様のニーズを把握することを「ニーズの掘り起こし」といいます。
2× 情報開示とは、援助者側の情報などを、主に利用者自身に対して行われるものです。
3× 新規資源の開発は、適切な社会資源が見つからない場合に資源を創り出すことです。
4× G社会福祉士と民生委員の活動は直接サービスの提供になりません。
5× アフターケアは、支援終結後に行うフォローなどのことです。

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03

1、適切な内容です。本事例では表面化はしていないが、地域の中でHさんと同様の思いを持っている人がいると推察・調査を行っています。結果、地域の中で潜在化していたニーズが表出される事となったため、これら一連の過程が「ニーズの掘り起こし」であると言えます。

2、情報開示とは、個人の事を調査した結果などの情報を、その調査対象者の意思に基づいて請求する事などを指します。本事例ではG社会福祉士自身が地域に対して調査を行い、地域にどのようなニーズが眠っているかを明らかにしています。そのため、個人に対する調査とは言えず、G社会福祉士が行った行動を表す機能としては不適切だと言えます。

3、新規資源の開発とは、地域住民からのニーズは高いがその地域で不足している社会資源や、存在していない社会資源を新たに創設する事を指します。本事例では社会資源は存在しているものの、それに結びついていない住民が数多くいる事が分かったと記載されており、社会資源が不足している様子は読み取れません。そのため、選択肢3は適切な解答ではないと考えられます。

4、不適切です。直接サービスの提供とは、生活に支援が必要な方に対して身体支援などの介護行為を直接行う事を指します。G社会福祉士は調査の結果、地域でHさんと似たような境遇にある方が多数存在している事を把握し、サービスに繋げる必要がある事を理解しました。調査で明らかになった地域住民の方全員にG社会福祉士が直接サービスの提供を行う事は困難であるため、既存の社会資源に結びつけ、事業者にサービス提供を依頼する事が求められている仕事内容となります。

5、アフターケアとは、援助が終結した後もクライエントに対して必要性があれば対応を行う事を指します。本事例の場合、地域のニーズが明らかになり、これから関わりを持っていく必要は感じられますが、そのニーズに対しての援助は始まっていません。そのため、援助終了後に行う機能であるアフターケアは、本事例の回答としては不適切だと言えます。

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