問題
〔事例〕
F君(9歳、男児)は、自閉症を伴う知的障害があり、特別支援学校小学部第3学年に在学中である。以前、障害福祉サービスの利用を申請し、障害支援区分3(行動関連項目の合計点は10点)の認定を受けていたが、現在、サービスは利用していない。最近になって、時々激しい自傷行為や物を壊す行動がみられるようになり、両親は、F君が日常生活を安全に過ごす方法として、障害福祉サービスの利用を検討している。
正解は5です。
1.生活介護は常時介護を要する障害者を対象とした日中活動のサービスですが、F君は9歳のため、生活介護のサービスは利用できません。18歳未満の障害児は児童福祉法に基づくサービスを選択することになります。
2.重度訪問介護は、重度の肢体不自由者、重度の知的・精神障害により行動上著しい困難を有する障害者を対象とした居宅を中心としたサービスです。F君は9歳のため、重度訪問介護のサービスは利用できません。
3.療養介護は、日中に病院などの施設で行われるものです。F君は9歳のため、療養介護のサービスは利用できません。また事例からF君が入院している様子は読み取れないため、適切な解答とはいえません。
4.同行援護は、視覚障害を対象としています。F君に視覚障害という情報は事例から読み取れないため、適切な解答とはいえません。
5.行動援護は、知的・精神障害により行動上著しい困難のある障害児・者に対して、援護を行うサービスです。9歳のF君も利用できるため、適切なサービスといえます。設問では、障害支援区分3以上で、行動関連項目の合計点は8点以上という行動援護の条件も満たしています。
注)「障害者総合支援法」が改正され、平成30年4月より、行動援護の対象者は、「障害支援区分が区分3以上であって、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上(障害児にあってはこれに相当する支援の度合)である者」となりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html
1、不適切です。生活介護の利用は18歳以上または、15~17歳で児童相談所からの通知により成人とみなされた場合に認められます。9歳のF君は利用する事が出来ません。
2、不適切です。重度訪問介護は障害支援区分4以上の方が利用できるサービスと規定されています。
3、不適切です。療養介護は病院などに入院している患者に対して行われるサービスです。本事例からはF君が入院しているという事実は読み取れません。
4、不適切です。同行援護は視覚障害がある方に対して行われるサービスです。本事例からはそのような事実は読み取れません。
5、適切な内容です。行動援護の利用対象者は、生涯支援区分3以上であり、行動関連項目が8点以上の者と定められています。利用対象としては障害児も含まれ、日常生活を送る上で、行動に著しい困難を抱えている知的障害者と精神障害者が利用対象とされているサービスとなっています。
注)「障害者総合支援法」が改正され、平成30年4月より、行動援護の対象者は、「障害支援区分が区分3以上であって、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上(障害児にあってはこれに相当する支援の度合)である者」となりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html