社会福祉士の過去問
第28回(平成27年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問65
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問題
社会福祉士試験 第28回(平成27年度) 低所得者に対する支援と生活保護制度 問65 (訂正依頼・報告はこちら)
生活保護法における扶養義務者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 近年の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入された。
- 保護の実施機関は、家庭裁判所の審判を経ずに、直系血族及び兄弟姉妹以外の者に扶養義務を負わせることができる。
- 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の親族の申請に基づいて開始される。
- 夫婦間と子の老親に対する関係は、生活保護法の規定に基づき、その他の範囲に比べて強い扶養義務が課せられている。
- 被保護者に対して扶養義務者が扶養の義務を履行しないとき、国は、その費用の全部又は一部を、その扶養義務者から徴収することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.2013年成立、2014年施行の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入されました。
2.保護の実施機関は、家庭裁判所の審判を経ずに、直系血族及び兄弟姉妹以外の者に扶養義務を負わせることはできません。
3.保護の申請ができるのは、要保護者、その扶養義務者、またはその他の「同居の」親族です。
4.強い扶養義務が課せられているのは、夫婦と未成熟の子どもに対する親だけです。
5.徴収できるのは国ではなく、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長です。
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02
1,適切な内容です。生活保護の受給開始を決定する前に、一定の扶養義務者に対して「生活保護扶養届出書」を書面で出し、生活保護の受給を希望している方の扶養を出来るかどうか確認を取る事とされています。
2、不適切です。三親等内の親族に対して、特段の事情がある場合は扶養義務を負わせる事が出来る可能性がありますが、それには家庭裁判所の審判を受ける必要があるとされています。
3、不適切です。生活保護法第7条に「申請保護の原則」が謳われていますが、それによれば生活保護は「要保護者」「要保護者の扶養義務者」「その他の同居の親族」の申請に基づいて開始されるとされています。ただし、要保護者が急迫した状況にある際には保護の申請が無くても必要な保護ができる事が明記されているため、必ずしも申請が必要という訳ではありません。
4、不適切です。民法上強い扶養義務が課せられる関係としては、夫婦間と未成熟の子に対する親からの扶養の二つが挙げられます。夫婦間と未成熟の子に対する親からの扶養義務としては、お互いが同程度の生活を保障されなければならない「生活保持義務」が課せられるとされています。
5、不適切です。扶養義務者が扶養できる状況に置かれており、特段の理由がないにも関わらず扶養義務を履行しなかった場合は、都道府県または市町村の長がその費用の一部または全額を徴収できるとされています。また、扶養義務者が扶養を行えるほど金銭的な余裕が無い等の理由がある場合などは、扶養義務者が扶養を行わなかったとしても費用徴収を強制的に行われる事はありません。
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03
2× 家庭裁判所が3親等内の親族に対して扶養義務を負わせることができます。
3× 「その他の親族」でなく「その他の同居の親族」が正しいです。
4× 生活保護法でなく民法に基づいています。
5× 国ではなく、保護費を支弁した都道府県または市町村の長です。
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