社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
社会理論と社会システム 問16
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問題
社会福祉士試験 第29回(平成28年度) 社会理論と社会システム 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
日本におけるコミュニティ政策の展開に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1970年代におけるコミュニティ政策は、既存の自治会・町内会を基盤としてそれまでの地域のつながりを保持しようとしたものであった。
- 1970年代におけるコミュニティ政策は、過疎化によって村落の連帯感や凝集性が弱まったことへの対応を目的としていた。
- 1990年代のコミュニティ政策では、地方分権改革により、地域社会の自律・自立の担い手としてのコミュニティが改めて注目されるようになった。
- 1990年代のコミュニティ政策では、その焦点が、行政と住民の協働から住民同士の協働へと移行した。
- 1990年代のコミュニティ政策では、地域社会全体での対応よりも、治安・介護・災害などの課題領域ごとに分化した行政サービスによる対応の方が重視されるようになった。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「1990年代のコミュニティ政策では、地方分権改革により、地域社会の自律・自立の担い手としてのコミュニティが改めて注目されるようになった。」です。
× 既存のコミュニティではなく、市民重層型の新しいコミュニティづくりが目指されました。
× 過疎化対策ではなく、都市化への対応が焦点となりました。
〇 1995年の地方分権推進法などの動きの中で、地域自治の担い手としてコミュニティの役割が重視されるようになりました。
× 1990年代では、行政と住民、市民活動の協働が重要視されています。
× 自治体の財政難により行政サービスは困難となり、ボランティアやNPOなどへの支援が進められました。
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02
正解は「1990年代のコミュニティ政策では、地方分権改革により、地域社会の自律・自立の担い手としてのコミュニティが改めて注目されるようになった。」です。
1970年代は、既存の自治会・町内会によるコミュニティを見直す形で、当時の小学校区を基盤とした新しいコミュニティ政策に取り組むことが多く見られました。
1970年代におけるコミュニティ政策は、経済の高度成長や都市化の進展に伴い、連帯感や凝集性が弱まったことへの対応を目的としていました。
1990年代のコミュニティ政策では、1995年の地方分権推進法にみられるような地方分権改革により、地域社会の自律・自立の担い手としてのコミュニティが改めて注目されるようになりました。
1990年代は阪神大震災を機に、行政と住民が協働する政策が進められ、2000年代以降、新しい公共という言葉が使われるようになっています。近年ではその流れをふまえて住民同士の協働も模索され始めていますが、1990年代のコミュニティ政策ではありません。
1990年代のコミュニティ政策は、阪神大震災の影響もあり、治安・介護・災害などの課題領域ごとに分化した行政サービスよりも、地域社会全体で対応していくことが重視されるようになりました。
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03
選択肢「1990年代のコミュニティ政策では、地方分権改革により、地域社会の自律・自立の担い手としてのコミュニティが改めて注目されるようになった。」が正解となります。
誤り。昭和44年に発表された『コミュニティ -生活の場における人間性の回復ー』によると、地域共同体は崩壊し、都市部に人口が集まり、農村部は過疎化していったと書かれています。
この状況により「市民型住民層」のコミュニティの成立につながっていきました。
誤り。昭和44年に発表された『コミュニティ -生活の場における人間性の回復ー』によると、地域共同体は崩壊し、都市部に人口が集まり、農村部は過疎化していったと書かれています。
この状況により「市民型住民層」のコミュニティの成立につながっていきました。
正しい。設問の通り、正しい答えとなっています。
誤り:1990年代になり、再度コミュニティ政策に関する議論が高まって来ました。
行政の財政危機により、公共サービスの縮小も伴いました。
住民同士のボランティア(社会資源)活用をしながら、コミュニティが目指す役割が示されました。
誤り:1990年代になり、再度コミュニティ政策に関する議論が高まって来ました。
行政の財政危機により、公共サービスの縮小も伴いました。
住民同士のボランティア(社会資源)活用をしながら、コミュニティが目指す役割が示されました。
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