社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問69

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この過去問の解説 (3件)

01

1○ 生活保護法には補足性の原理があり、設問はその説明にあたります。
2× 法律の定める要件を満たせば保護を受けることができ、借金がある事で保護不可とはなりません。
3× 保護開始の申請から14日以内に保護決定に関する通知を示さなければいけませんが、特別な理由がある場合は30日まで延長できます。
4○ 生活保護には扶養義務者の優先などが規定されていますが、急迫した理由がある場合の保護を妨げる理由ではないことも記述されています。
5× 生活扶助は原則被保護者の居宅において行います。ただし、居宅にて行えない理由がある場合、適当な施設などに委託することもできます。

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02

正答【1・4】

1.正答 
生活保護法による扶助は8種類(生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助)あります。生活保護が決定するとこれらの8種類の扶助が必要に応じて「現物支給」「金銭支給」といった形で行われます。

生活保護法第4条2項では、これらの扶助は、他の法律に定める扶助はすべてこの法律による保護に優先するとされています(補足性の原理)。

例えば、
医療では、自立支援法の自律支援医療(精神通院医療)や更生医療の対象者は、医療扶助よりも優先され、介護では、障害福祉サービス利用者は障害福祉サービスの介護扶助が生活保護法よりも優先されます。また、出産に関しては、指定された病院での出産においては、出産扶助よりも児童福祉法による入院助産が優先されます。


2.誤答 
生活保護の受給要件に借金の有無は入っていません。そのため、生活に困窮し、借金があっても生活保護を受けることはできます。ただし、生活保護を受けても借金が消えるわけではなく、返済義務があります。また、生活保護費で借金を返済することは不正受給に該当します。
生活保護受給中に、借り入れを禁止する項目はないので新たにお金を借りることができますが、借り入れ分は収入扱いとなり保護費は減額されます。


3.誤答 
保護の実施機関は、保護の開始の申請があったときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請日から14日以内に申請者に対して書面をもって通知しする必要があります。
ただし、資力調査等に日時を要する場合は、保護の開始の申請から30日まで保護の決定を延ばすことができます(生活保護法第24条)。


4.正答 
保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない、と明記されています。(生活保護第25条:職権による保護の開始及び変更)


5.誤答 
生活扶助は被保護の居宅で行うのが原則となっています。
ただし、被保護者の居宅では保護の目的を達しがたいときや被保護者が希望したとき等、特別な理由がある場合は、被保護者は居宅以外の救護・更生施設等に入所させて扶助を行うことができます(生活保護法第30条)。

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03

正解は1、4です。

1.他法優先として、他の法律に定める扶助は、生活保護法による保護に優先して行われます。

2.借金の有無にかかわらず、保護を受けることができます。

3.資力調査等に日時を要する場合に保護の決定を延ばすことができるのは、保護の開始の申請から30日までです。

4.急迫した状況にある場合は、資産等の調査を待たずに保護を開始することができます。

5.生活扶助は、居宅において行うことが優先されます。

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