社会福祉士の過去問
第29回（平成28年度）
相談援助の基盤と専門職 問93

正解は４です。

１．労働者や子どもの教育文化活動、社会調査とそれに基づく社会改良を目的に設立されたのは、トインビー・ホールで、セツルメントについての記述です。

２．COSの救済は、自助の考えに基づいて行われました。

３．COSの救済は、救済に値する貧困者を選別して活動しました。

４．COSは、友愛訪問員の広い知識と社会的訓練によって友愛訪問活動の科学化を追求しました。

５．COSの友愛訪問活動の実践を基に、ケースワークが確立されましたが、コミュニティワーカーに共通する知識、方法までには至っていません。

1×　COSは慈善活動の組織化により救済適正化を目的としています。
2×　COSは道徳的感化によって救済を行いました。
3×　COSは自助努力の有無が、救済に値するかどうかの基準にしていました。
4○　友愛訪問活動は、ケースワーク確立に影響を与えました。
5×　COSはコミュニティワークの知識や方法に貢献した部分もありますが、友愛訪問活動の実践を基にしたとは言えません。

1、不適切です。慈善組織協会は、それぞれの地域によってばらばらに行われていた貧困救済活動を取りまとめ、その支援活動が必要な方に行き届くよう取りまとめるという活動を行いました。

2、不適切です。慈善組織協会の救済活動は自助努力をしてもなお貧困から抜け出せない方を対象に行われました。お互いを助け合うという共助活動の意識には基づいていません。

3、不適切です。慈善組織協会は友愛訪問によって判明した貧困者を「救済の価値のある貧民」と「救済の価値のない貧民」に選別し、救済の価値のある貧民とされた者のみを救済し、それ以外は救貧法による救済へと繋げる事とし、自身たちでは救済活動を行いませんでした。

4、適切な内容です。友愛訪問員による活動を取りまとめ一つの学問として体系化させたものが、今日のケースワークに繋がっています。

5、不適切です。友愛訪問活動の実践は、今日の「ケースワーカー」に共通する知識や実践方法に繋がる物となっています。