社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
人体の構造と機能及び疾病 問3

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問題

社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 人体の構造と機能及び疾病 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

世界保健機関( WHO )の活動に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • アルマ・アタ宣言では、プライマリヘルスケアの重要性が示された。
  • リハビリテーションという言葉を初めて用いた。
  • 憲章前文の中で、健康とは、身体的、精神的、社会的、政治的に良好な状態であると定義した。
  • 国際疾病分類であるICIDHを策定した。
  • 健康寿命とは、健康上の問題で制限されることなく仕事ができる期間と定義した。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は1です。

1.アルマ・アタ宣言では、プライマリヘルスケアの重要性が示されました。

2.リハビリテーションという言葉は第一次世界大戦の頃に用いられるようになっています。WHOが初めて用いたものではありません。

3.「身体的、精神的、社会的に良好な状態である」と定義されていますが、「政治的」は含まれていません。

4.国際疾病分類はICDです。ICIDHは国際障害分類です。

5.健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。仕事に限定されていません。

参考になった数179

02

正解は1です。

1.アルマ・アタ宣言は、1978年にWHOによって採択された宣言です。第六条によると、プライマリヘルスケア(PHC)とは、「実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた、欠くことのできないヘルスケアのこと」とされています。
プライマリヘルスケアは国家の保健システムの中心的機能を果たすとともに、地域社会に寄り添った保健サービスにも欠かせない概念です。

2.リハビリテーションという言葉は、負傷したり障害を負ったりする兵士が多発した第一次世界大戦中に使われ始めたと言われています。

3.世界保健機関憲章によると、健康とは身体的、精神的、社会的に良好な状態のことを指します。
また、こうした健康の水準は、宗教や政治信条、人種などによって差別されることなく保たれなければなりません。

4.国際疫病分類とは、WHOが死因や疾病の発生を明らかにするために用いた国際統計分類のことで、『ICD』と略されます。
また、『ICIDH』は1980年に国際障害分類として発表されましたが、「障害のマイナス面だけでなく、プラス面(できること)にも焦点を充てるべき」という考えより、2001年に『ICF』へと改定されています。

5.WHOが定義した健康寿命とは、健康上の問題で制限されることなく日常生活が送れる期間を指します。寝たきりや認知症などの期間は含まれません。

参考になった数75

03

1.プライマリヘルスケアは、旧ソ連邦カザフ共和国の首都アルマ・アタで出された、歴史的な宣言が基礎になっています。

2.現在使われている意味で用いられるようになったのは、第一次世界大戦頃です。WHOがはじめて用いた言葉ではありません。

3.「政治的」は含まれていません。

4.ICIDHは国際障害分類です。
国際疾病分類はICDです。

5.WHOが「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定めています。仕事ができる期間のみをさす言葉ではありません。

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04

正答【1】

1.正答 
WHOが1975年にプライマリケアという言葉を使い始め、1978年アルマ・アタ宣言で、プライマリヘルスケアの重要性が示されまいた。
プライマリヘルスケア(PHC)は、すべての人にとって健康を、基本的な人権として認め、その達成の過程において、住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念であり、方法・アプローチです。


2.誤答
リハビリテーションの語源は、「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」などの意味を持ち、WHOがリハビリテーションを定義する以前から使われています。
WHOは、1981年に「リハビリテーションとは、能力障害あるいは社会的不利を起こす諸条件の悪影響を減少させ、障害者の社会統合を実現することを目指すあらゆる手段を含むものである」と定義しています。


3.誤答 
WHO憲章では、「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」と定義しています。政治的に良好な状態とは定義していません。


4.誤答 
国際疾病分類はICDであり現在、ICD(10版)が使用されています。
ICIDHは、1980年にWHOが提起した「国際障害分類」です。現在では、2001年に改訂された国際生活機能分類(ICF)が中心となっています。


5.誤答 
平均寿命は、「寝たきり」や「認知症」といった看護や介護を要する期間を含むため、「平均寿命=生涯の健康な時期」というには大きな開きがあります。そのため、平均寿命から「寝たきり」や「認知症」など介護状態の期間を差し引いた期間として、「健康寿命」という新しい寿命の指標を世界保健機関(WHO)が提唱しました。

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間です。

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