社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
権利擁護と成年後見制度 問82
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問題
社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 権利擁護と成年後見制度 問82 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、民法上、許可の取得などの家庭裁判所に対する特別な手続を必要とせずに、成年後見人が単独でできる行為として、正しいものを1つ選びなさい。
- 成年被後見人宛ての信書等の郵便物の転送
- 成年被後見人が相続人である遺産相続の放棄
- 成年被後見人の遺体の火葬に関する契約の締結
- 成年被後見人の居住用不動産の売却
- 成年被後見人のための特別代理人の選任
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
1.郵便物の転送は家庭裁判所が許可します。
2.設問のとおりです。
3.相続人などが火葬を行う場合は契約できません。遺体の火葬や埋葬に関する契約締結については、家庭裁判所の許可が必要です。
4.居住用不動産の売却は家庭裁判所の許可が必要です。
5.特別代理人は、後見人と被後見人との間に利益相反が生じた際に、家庭裁判所に請求して選任します(民860条・826条)。ただし、既に後見監督人が選任されている場合は特別代理人の選任は不要とされています。
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02
成年被後見人が相続人である遺産相続の放棄のみ、成年後見人が単独でできます。その他の選択肢のケースは、特別な手続きが必要です。
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03
民法 参照
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
1.誤答
民法第860条2(成年後見人による郵便物等の管理)
「成年被後見人宛ての信書等の郵便物の転送 」が必要な場合には、家庭裁判所に「成年被後見人に宛てた郵便物の配送(転送)の嘱託の審判 」の申立てを行い、審判の確定が必要になります。
成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家庭事件手続き法の一部改正
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00196.html
2.正答
民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について放棄しなければなりません。
ただし、民法第917条において「相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、相続放棄の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。」とされています。
3.誤答
民法第873条2(成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限)
成年被後見人の「死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為」を行う場合には、家庭裁判所の許可を得なければならない、と明記されています。
4.誤答
民法859条3(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない、と規定されています。
5.誤答
民法第826条(利益相反行為)
親権上の親子の利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない、と規定されていて、この規定が後見人にも準用されます。
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