社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
地域福祉の理論と方法 問35

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 地域福祉の理論と方法 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

ボランティア活動について各法律で規定されている事項に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 災害対策基本法では、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割が重要であることから、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならないとされている。
  • 社会福祉法では、市町村社会福祉協議会が、ボランティアコーディネーターを配置しなければならないとされている。
  • 学校教育法では、全ての小中学校でボランティア活動など社会奉仕体験活動を実施しなければならないとされている。
  • 特定非営利活動促進法では、特定非営利活動法人の役員は、無償のボランティアでなければ就任できないとされている。
  • 社会福祉法では、災害救助法が適用される災害が発生した場合、都道府県共同募金会は、当該都道府県の区域内に限って災害ボランティアセンターの経費に準備金を拠出しなければならないとされている。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は『1』です。
1959年の伊勢湾台風をきっかけに、1961年に制定された災害対策基本法。
第5条の3において、国及び地方公共団体とボランティアとの連携の必要性を示しています。


その他の選択肢の解説は以下のとおりです。

2→昨今、ボランティアコーディネーターの必要性は高まっており、社会福祉協議会や民間の団体への配置は増加傾向にありますが、設置が義務付けられているわけではありません。

3→2001年に学校教育法が改正されましたが、活動実施は義務ではなく、第31条においてボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとされています。

4→特定非営利活動促進法では、特定非営利活動法人の役員のうち、報酬を受ける者の数が役員総数の3分の1以下であることとされています。

5→社会福祉法第118条にもとづき、都道府県共同募金会では、災害が発生した際すぐに支援が行なえるよう、一般募金と歳末たすけあい募金をあわせた募金実績額の3%を、災害等準備金として積み立てています。

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02

正答【1】

1.正答 
災害対策基本法の第5条の3(国及び地方公共団体とボランティアとの連携)において、国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない、と明記されています。


2.誤答 
ボランティアコーディネーターの配置について、社会福祉法やその他の法律で設置義務を定めている法律はありません。社会福祉協議会のボランティアセンターや民間のボランティア協会、福祉施設や病院、大学ボランティアセンターなどに多く配置されています。


3.誤答 
学校教育法第31条において、小学校では、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする、と明記されていますが、「実施しなければならない」とは規定されていません。


4.誤答 
特定非営利活動促進法第2条第2項第1号(ロ)において、役員(理事3人以上及び監事1人以上)のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であることと規定されています。したがって、無償ボランティアでなければ就任できないということはありません。


5.誤答 
社会福祉法第112条では、災害救助法の適用される災害が発生した場合は、当該共同募金会が行う規定にかかわらず、当該共同募金会が行う共同募金の区域以外の区域において拠出することができると規定しています。
また、社会福祉法第118条では、 共同募金会は、災害救助法が適応される災害や規定される自然災害の場合に備えるために、準備金をの積立て、準備金の拠出及び分配を行うにあたり配分委員会の承認を得る必要があります。

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03

正解は1です。

災害対策基本法におけるボランティアの位置づけとして、平成25年の法改正時に選択肢の内容が追加されました。

その他の選択肢については、以下の通りです。

2.ボランティア活動の調整やコーディネーションを担っているボランティアコーディネーターですが、配置の義務はありません。

ボランティアコーディネーターの配置が義務化されているかどうかは、過去問でも出されている内容ですので、覚えておくと良いでしょう。

3.学校教育法におけるボランティア活動等の社会奉仕体験活動の実施は、努力義務です。

4.特定非営利活動促進法では、役員総数の3分の1以下の役員であれば報酬を受けることができます。

5.選択肢の内容は、「当該都道府県の区域内に限って」という部分が誤りです。
阪神淡路大震災をきっかけに、2000年に災害時の共同募金について社会福祉法(当時の社会福祉事業法)の法改正がされています。
そこでは、災害が発生した際は準備金を他の都道府県にも支援として拠出できるとされました。

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04

「ボランティア」について、
福祉だけでなく、災害、教育などの
幅広い法律をチェックする必要が求められます。
もし分からない場合は文末に注目して、義務なのか、努力義務なのか
そこから推測するのも手でしょう。

1○ 正しいです(第5条3項)。平成25年の改正で付け加えられました。

2× ボランティアコーディネーターの配置は義務化されていません。
また、法的な定義も規定されてはいません。

3× 小・中学校そして高校に対して、
社会奉仕体験活動の充実を行う努力義務が規定されています。
(第31条・49条・62条)

4× 役員就任の条件に「無報酬」はありません。
ただし、報酬を受け取れるのは総役員の3分の1と制限が設けられています。

5× 災害が起きた時、都道府県の区域内に限らずに、
別の共同募金会にも準備金を拠出できることを認めています。
問題文の「必ず拠出しなければならない」という義務ではなく、
許可を規定した内容になります。(第118条2項)

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