社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
相談援助の理論と方法 問109

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 相談援助の理論と方法 問109 (訂正依頼・報告はこちら)

カデューシン(Kadushin, A. & Kadushin, G.)が示した、「会話」と「ソーシャルワーク面接」の相違に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 「ソーシャルワーク面接」と比べて、「会話」には意図的な目的が存在している。
  • 「ソーシャルワーク面接」と比べて、「会話」では参加者間に明確な役割分担がある。
  • 「ソーシャルワーク面接」と比べて、「会話」の参加者はしばしば文化的に異質である。
  • 「会話」と比べて、「ソーシャルワーク面接」には参加者間に平等な権威と力がある。
  • 「会話」と比べて、「ソーシャルワーク面接」ではスピーチのパターンが構造化されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

ソーシャルワーク面接では、ワーカーが利用者を援助する上である程度の目的を持ち、それに向かい面接をおこなっていきます。

したがって、目的を持たない「会話」とは異なり、支援の目的に向かってさまざまな技法を用いて面接を進める「ソーシャルワーク面接」は、会話のパターンが構造化されているといえるでしょう。

この設問は過去問にも登場しない難問ですが、ソーシャルワーク面接と会話の違いを一般的な視点から想像し、消去法で解答を絞るといいでしょう。

各選択肢については、以下の通りです。

1.ソーシャルワーク面接には利用者の問題解決に向けた意図的な目的や目標が存在しています。
その目的は援助者の所属する機関や立場によって決定される場合が多いです。そこにはもちろん、利用者の意思も反映されます。

2.会話とは違い、ソーシャルワーク面接には「援助者」と「利用者」という明確な役割分担があります。

3.会話よりも対象相手が幅広いソーシャルワーク面接は、ときに異文化相手であっても面接をおこないます。
多文化な住民が多く住んでいる地域に介入するときなどが、これに当てはまるでしょう。

4.これは、「会話」についての説明です。
ソーシャルワーク面接における権威と力の配分は、相談者の利益になるよう不平等です。

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02

正解は5です。

「ソーシャルワーク面接」は、ある話題について話を展開していくため、スピーチが構造化されていることが多いです。
それに対し「会話」は、参加者が思い思いのことを話すため、スピーチが構造化されることはありません。

各選択肢については、以下の通りです。

1. 「ソーシャルワーク面接」は意図的に目的を設定し、ある特定の話題について話します。「会話」は日常会話のように、特に目的がなくても行えます。

2. 「ソーシャルワーク面接」は、ワーカーとクライエントの二者の役割がはっきり分かれています。
それに対し「会話」は、役割分担せずとも話のキャッチボールができます。

3. 「ソーシャルワーク面接」「会話」ともに、参加者が文化的に異質であることがあります。
ソーシャルワークにおいては、国籍や年齢、性別など問わず面接を行うため、文化的に異質なことも少なくありません。

4. 「ソーシャルワーク面接」は、支援者および相談者という、対等でない関係ができやすいです。
それに対し「会話」は、双方が対等な立場であることが多く、参加者に平等な権威と力があります。

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03

1、不適切です。
ソーシャルワーク面接の場合、何らかの意図を持って行われます。
しかし会話の場合、明確な目的がなく行われる事も少なくありません。
例えば友人同士の雑談などは明確な目的がなくとも行われています。

2、不適切です。
ソーシャルワーク面接ではクライエントとソーシャルワーカーと役割が明確化されていますが、会話は特段の役割を持たずに行われている事がほとんどです。

3、不適切です。
会話においては似たような環境に置かれている者同士で行われる事が多いですが、ソーシャルワーク面接では異なる環境で生活している者同士がソーシャルワーカーとクライエントという形で出会う事が多く、文化的に異質である事が多いと言えます。

4、不適切です。
ソーシャルワーク面接では意識をしなければクライエントとソーシャルワーカーの間に上下関係が生まれやすいと言えます。
対して損得が生まれにくい会話という行為はソーシャルワーク面接と比較して参加者が平等な立場で参加できると言えます。

5、適切な内容です。

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