社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
相談援助の理論と方法 問110

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 相談援助の理論と方法 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

ドメスティック・バイオレンスの被害女性を支援するNPO法人(Y法人)にDさん(35歳、女性)が、「何年も前から、夫に殴られたり蹴られたりしていて、このままだとどうなるか分からないので、助けてほしい」と、保護を求めて来所した。このためY法人はDさんを保護するとともに、Y法人のE社会福祉士がDさんと面接することとなった。

次の記述のうち、この面接の導入部分におけるE社会福祉士の関わりとして、適切なものを2つ選びなさい。
  • なぜ、これまで助けを求めなかったのかを問う。
  • この面接の目的を伝える。
  • これから尋ねることに対して、正確に回答するよう指示する。
  • 支援を求めてY法人に来たことをねぎらい、緊張を解く。
  • E社会福祉士がこれまで担当した事例から、解決方法を伝える。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2、4です。

初回面接の導入部分ですので、まず面接の目的を伝えることで利用者に安心感を与えます。
また、選択肢4のように利用者をねぎらうことで、ラポールの形成に繋げていきます。

各選択肢については、以下の通りです。

1.利用者の気持ちを考えず、援助者の考えを一方的に伝え、問いただすような関わりは不信感に繋がります。

3.利用者に対する指示的な言い方はパターナリズムに繋がるため、避けた方がいいでしょう。

5.過去の事例を持ち出して解決方法を伝えることは、利用者に対する個別化ができていません。

この問題では、明らかに誤りのある選択肢を除外し、消去法で解答を導き出すと良いでしょう。

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02

1、不適切です。
何年も前から暴力を受けてきたDさんが、今回勇気を持って保護を求めてきた事が読み取れます。
夫に対する恐怖や葛藤を乗り越え、相談に訪れたDさんに対して選択肢の内容のような問いかけは、過去のDさんの行動を責めているようにも捉えられ、適切とは言えません。

2、適切な内容です。
保護を行い、その後どのような支援を行う必要があるのかを知るために面接は重要となりますが、Dさんにとって聞かれたくない内容を問う場合もあります。面接の目的を明らかにした上で面接に臨む事が必要です。

3、不適切です。社会福祉士との面接は尋問ではありません。
Dさんが答えたくない事は無理に聞き出す事はせず、Dさんの意思を尊重する事が大切です。
また、内容によっては正確に記憶していない場合や分からない場合もある事に留意し、それに対して咎めたり、正確に答えるよう指示的な応対にならないようにする事も社会福祉士には求められます。

4、適切な内容です。
長年暴力にさらされ、それを乗り越えて相談に来た支援者は多大なストレスを感じ、緊張している状態です。
それを緩和できるような応対をする事がその後の信頼関係の構築にも影響していきます。

5、不適切です。
E社会福祉士がこれまで担当した事例の中には、Dさんと似た環境に置かれている人もいるかもしれませんが、その人とDさんは異なるクライエントである事を忘れてはいけません。
Dさんは自分が置かれている状況をどのように捉え、今後どのように生活していきたいかを明らかにした上で、Dさんの抱えている問題を解決できるように関わる必要があります。

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03

正解は2と4です。

この面接は初回面接(インテーク)の場面と言えます。

2. 初回面接において面接の目的を伝えることで、Dさんと問題状況を共有、整理することができ、信頼関係の構築にも繋がります。

4. DさんとE社会福祉士は初対面であり、関係構築ができていません。
Y法人に来たことをねぎらい、緊張を解くことで、Dさんと関係を作りやすくなります。

各選択肢については、以下の通りです。

1. 助けを求めなかった理由を聞くことは、今回のDさんの勇気ある行動を否定することに繋がります。そのため不適切です。

3. ソーシャルワーク面接において、ワーカーがクライエントに「指示」や強要をすることはあってはなりません。そのため不適切です。

5. Dさんが抱えている課題の解決方法が、E社会福祉士がこれまで担当した事例から見えるとは限りません。
Dさん個人に合った支援を、様々な視点から考察することが重要です。

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