社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
相談援助の理論と方法 問113

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 相談援助の理論と方法 問113 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、地域包括支援センターのG社会福祉士が、現段階で行う関係者の連携による会議として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
近隣住民から、Hさん(82歳、女性)宅から異臭がするとの相談を受けたJ民生委員が、その地域を担当する地域包括支援センターのG社会福祉士に、訪問への同行を依頼した。Hさん宅を訪問し話を聞く中で、ゴミ収集の曜日や分別の方法の理解が難しくなっている状況が分かってきた。他にも同様のケースの存在を意識したG社会福祉士は、Hさん個人への支援と、地域でHさんと同じような困難を持つ高齢者を支えるために会議を開催することにした。
  • 住宅確保が難しい人の、民間賃貸住宅への入居を進める住宅確保要配慮者居住支援協議会
  • 高齢者虐待対応のための個別ケース会議
  • 高齢者のニーズ調査を企画する、介護保険法に基づくサービス担当者会議
  • 地域包括支援センターと関係者で協議する地域ケア会議
  • 介護支援専門員の資質向上を目指す地域包括支援センターの事例検討会

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この過去問の解説 (3件)

01

地域ケア会議には「政策形成」「個別課題解決」「ネットワーク構築」「地域課題発見」「地域づくり・資源開発」の5つの機能があります。

この事例では、地域ケア会議を通じてHさんの事例検討を行い個別課題解決に繋げられます。

さらに、地域の課題について検討することで、地域づくりやネットワーク構築にも繋がります。

選択肢1. 住宅確保が難しい人の、民間賃貸住宅への入居を進める住宅確保要配慮者居住支援協議会

この事例では住居確保について検討されていませんので、誤りです。

選択肢2. 高齢者虐待対応のための個別ケース会議

高齢者虐待のケースではないため、誤りです。

選択肢3. 高齢者のニーズ調査を企画する、介護保険法に基づくサービス担当者会議

事例に介護保険法サービスについての記述がないこと、現段階で高齢者のニーズ調査をする状況でないことから、誤りです。

選択肢4. 地域包括支援センターと関係者で協議する地域ケア会議

正しい記述です。

選択肢5. 介護支援専門員の資質向上を目指す地域包括支援センターの事例検討会

事例検討は必要ですが、選択肢にある「介護支援専門員の資質向上を目指す」ために行うのであれば、現段階では優先順位が低いため、誤りです。

まとめ

この設問は一見難しそうに見えますが、事例をよく読むことで正答以外の選択肢が明らかに誤りであることが分かりますので、確実に正解したい問題です。

参考になった数57

02

1、不適切です。
Hさんは現在自宅に居住しており、住宅確保が難しい状況には陥っていません。Hさんのニーズとは合致しないため、開催は適切とは言えません。

2、不適切です。
Hさん自身が虐待を受けているという事は本事例から読み取る事が出来ません。

3、不適切です。
介護保険法に基づくサービス担当者会議は介護保険サービス利用者が利用するサービス提供事業所の専門職等を集めて、サービス計画書に対する意見を聞き取る会議の事です。
本事例のHさんは介護認定を受けていないためその会議の開催は適切とは言えません。
加えてサービス担当者会議の目的は広義の高齢者のニーズ調査を企画するものではないため、開催する会議と目的もずれてしまっています。

4、適切な内容です。
地域ケア会議は既存の制度を活用しても解決困難な事例を集め、どのように解決していったら良いかを検討する事を目的の一つとしています。

5、不適切です。
選択肢内では事例検討会の目的が介護支援専門員の資質向上と書かれており、Hさんと同じような困難を持つ高齢者の支援に直接結びついていません。

参考になった数22

03

正解は4です。

地域ケア会議は、介護予防・生活支援の観点から、要介護となる恐れのある高齢者を対象に、効果的な予防サービスや地域ケアの総合調整を行う会議です。
福祉の専門家や民生委員、関係機関職員など、様々な関係者によって構成されます。

Hさんと同様の困難を持つ高齢者を支援するための会議は、上記の地域ケア会議に当てはまります。

各選択肢については、以下の通りです。

1. Hさんは住宅確保が課題という訳ではありません。そのため、不適切です。

2. 本事例ではHさんが虐待を受けている事実は認められません。
そのため、不適切です。

3. サービス担当者会議とは、居宅サービス計画の原案について検討・修正を行い、計画を確定するための会議です。
高齢者のニーズ調査を企画する会議ではないため、不適切です。

5. 事例検討会は必要ですが、地域でHさんと同様の困難を持つ高齢者を支えることが目的ではなく、介護支援専門員の資質向上が目的となっています。
そのため、現段階で行う会議としては不適切です。

参考になった数12