社会福祉士の過去問
第32回(令和元年度)
高齢者に対する支援と介護保険制度 問130

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問題

社会福祉士試験 第32回(令和元年度) 高齢者に対する支援と介護保険制度 問130 (訂正依頼・報告はこちら)

片麻痺(まひ)の要介護者に対する介護の方法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
  • 上着を脱がせるときは、麻痺のある側から脱がせ、着るときは麻痺のない側から袖を通す。
  • 車いすからベッドへ移乗介助する場合、ベッドに対して要介護者の患側に車いすを置く。
  • 移動介助におけるボディメカニクス活用として、介助者の支持基底面を狭くとる。
  • 食事時の座位姿勢として、頸部(けいぶ)は体幹に対して後屈の姿勢とする。
  • 杖(つえ)歩行の介助を行う場合、介助者は杖を持っていない側の後ろに立つ。

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この過去問の解説 (3件)

01

1、不適切です。
上着を脱いで頂くときは麻痺のない方から脱いで頂き、着る時は麻痺のある方から着て頂く事で、要介護者の方の持つ能力を活用した支援が出来ます。
「脱健着患」の原則と覚えましょう。

2、不適切です。
片麻痺のある方の場合は、健側に車椅子をつける事が原則となります。
支援者は反対側に回り、患側を支える事により相手の方の安全確保に繋がります。

3、不適切です。
支持基底面とは人間が立っている時など、両足を広げた状態でその周囲を囲った部分の事を言います。
その面積を広めにとり、重心を面の中に収められるよう相手を支える事によって支援者の体にかかる負担が小さくなります。

4、不適切です。
「頸部が後屈している状態」は首が後ろに反っている状態の事を指しており、誤嚥に繋がりやすい姿勢となります。
食事の際は頭部がやや前屈した状態で安定した座位を取って頂くよう意識する事が必要です。

5、適切な内容です。

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02

正解は5です。

杖歩行の介助では歩行の邪魔にならないよう、要介護者が杖を持っていないほうの斜め後ろ側に立つことが基本です。

各選択肢については、以下の通りです。

1.脱がせるときは麻痺のない側(健側)から、着せるときは麻痺のある側(患側)からです。
「脱健着患」と覚えましょう。

2.車いすは、健側に置くのが原則です。
自身が怪我をしたときを想像して覚えましょう。

3.ボディメカニクスとは、人が動作するときの骨や関節、筋肉の動きを理解し、その相互作用を利用して介護者が身体になるべく負担をかけずにおこなう介護技術のことです。
支持基底面とは、介助する際に体重を支えるために必要な床面積のことです。
支持基底面は、広くとることが原則で、安定感に繋がります。

4.頸部、すなわち首を後屈させてしまうと、誤嚥のリスクが高まります。
枕やクッションを利用し、頸部は必ず前屈の姿勢をとり食事します。

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03

正解は5です。

一般的に、麻痺側(患側)にかかる荷重を杖に逃がすため、杖は麻痺のない側(健側)で持ちます。
杖歩行介助の際、患側は身体を支える力が弱いため、介助者はふらつき時にすぐ支えられるよう、杖を持っていない患側の後ろに立つのがベストです。

各選択肢については、以下の通りです。

1. 関節可動域が狭くなっている側の動きを小さくするため、脱ぐ時は麻痺のない健側から、着る時は麻痺のある患側からという「脱健着患」が原則です。
そのため不適切です。

2. 車いすからベッドへ移乗する場合、健側を軸足にするため、車いすを要介護者の健側に置くのが原則です。そのため不適切です。

3. 支持基底面とは、身体の床面に接している部分の外周の広さのことを指します。
移動介助の際、介助者の支持基底面を広くとり、安定を保つことが重要です。そのため不適切です。

4. 食事の際、頸部は体幹に対して前屈の姿勢をとると、安定した座位を保ち、誤嚥しにくくなります。そのため不適切です。

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