社会福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
社会理論と社会システム 問21
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問題
社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 社会理論と社会システム 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、マートン( Merton, R.K.)が指摘したアノミーに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態を指す。
- 下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態を指す。
- 文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。
- 他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態を指す。
- 人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状態を指す。
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この過去問の解説 (4件)
01
この問題はマートンが示したアノミーに関してその詳細を問う問題です。社会問題の各主義について学習するかがカギとなります。
✕ ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態を構築主義と言います。
✕ 下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態を文化学習理論と言います。
〇 問題文の通りです。
✕ 他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態をラベリング理論と言います。
✕ 人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状態を社会統制論と言います。
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02
各選択肢については以下のとおりです。
この選択肢は「構築主義」の説明です。社会問題などは、明らかなものとして存在するのではなく、人々が主張することで認識される問題です。
この選択肢は「文化学習理論」の説明です。
アノミーとは無秩序の状態のことを言いますが、マートンが着目したのは「文化的目標」と「制度的手段」のズレで、「文化的目標」を達成するための「制度的手段」の不均等です。
この選択肢は「ラベリング理論」の説明です。この理論が提唱される以前の、逸脱行動を単なる社会病理現象として扱ってきたアプローチとは違い、逸脱というのは、周囲からのラベリング(レッテル貼り)によって生み出されるものと捉える理論です。
この選択肢は「社会解体論」の説明です。社会解体は、産業化、都市化などの急激な社会構造の変化を背景として発生するものとされています。
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03
正解は「文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。」です。
不適切です。選択肢の内容は「構築主義」の説明となっています。
不適切です。選択肢の内容は「文化学習理論」の説明となっています。
適切な内容です。
不適切です。選択肢の内容はベッカーの「ラベリング理論」の説明となっています。
不適切です。選択肢の内容はロスの「社会統制論」の説明となっています。
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04
正解は「文化的目標とそれを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を指す。」です。
×
ある現象が解決されるべき問題とみなす人々の営みを通じて紡ぎ出される社会状態は、構築主義といいます。
×
下位文化集団における他者との相互行為を通じて逸脱文化が学習されていく社会状態は、下位文化理論として説明されます。
○
マートンは、文化的目標と、それを達成するための制度的手段との不統合によって社会規範が弱まっている社会状態を、アノミーと規定しました。
×
他者あるいは自らなどによってある人々や行為に対してレッテルを貼ることで逸脱が生み出されている社会状態は、ラベリング理論で説明されます。
×
人間の自由な行動を抑制する要因が弱められることによって逸脱が生じる社会状態は、社会統制理論で説明されます。
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