社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
人体の構造と機能及び疾病 問2
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問題
社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 人体の構造と機能及び疾病 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、国際生活機能分類(ICF)のモデルに基づく記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(40歳)は、脳性麻痺(まひ)のため、歩行訓練をしながら外出時は杖(つえ)を使用していた。しかし麻痺が進行し、電動車いすを使用するようになり、電車での通勤が困難となった。その後、駅の階段に車いす用の昇降機が設置され、電車での通勤が可能となった。
〔事例〕
Aさん(40歳)は、脳性麻痺(まひ)のため、歩行訓練をしながら外出時は杖(つえ)を使用していた。しかし麻痺が進行し、電動車いすを使用するようになり、電車での通勤が困難となった。その後、駅の階段に車いす用の昇降機が設置され、電車での通勤が可能となった。
- 疾患としての脳性麻痺は、「個人因子」に分類される。
- 電動車いす使用は、「心身機能・身体構造」に分類される。
- 杖歩行が困難となった状態は、「活動制限」と表現される。
- 電車通勤が困難となった状態は、「能力障害」と表現される。
- 歩行訓練は、「環境因子」に分類される。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 3 です。
ICFは、人間の生活機能と障害の分類法として、2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択されました。
これまでのICIDH(1980年採択)が「障害」というマイナス面をとらえていたのに対し、
ICFは、「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換しました。
国際生活機能分類(ICF):心身機能・身体構造、活動、参加の生活機能レベルと健康状態・環境因子・個人因子の全ての要素はそれぞれ相互に関係しています。
6つの分類
〇健康状態:疾患だけではなく、高齢や妊娠、ストレスなどを含むより広い概念
生活機能
〇心身機能・身体構造:心身機能は「身体系の生理的機能」/身体構造は「器官、肢体とその構成部分などの解剖学的部分」
〇活動:課題や行為の個人による遂行/活動における実行状況(している活動)と能力(できる活動)を明確に区別している
〇参加:生活・人生への関わり
背景因子
〇環境因子:物的な環境や社会的環境などを構成する因子
〇個人因子:個人の人生や生活の特別な背景
1.疾患としての脳性麻痺は「健康状態」に分類されます。
2.電動車いす使用は「環境因子」に分類されます。
3.杖歩行が困難となった状態は「活動制限」と表現されます。
4.電車通勤が困難となった状態は「環境因子」により「活動制限」が引き起こされています。
5.歩行訓練は「心身機能」の向上および「活動」と「参加」が促進されます。
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02
正解は、3 です。
ICF(国際生活機能分類)は、2001年に世界保健機関(WHO)総会において採択されました。「健康状態」「心身機能・生活機能」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」それぞれの分類を抑えておきましょう。
1 不適切です。疾患ですので、「健康状態」に分類されます。
2 不適切です。「環境因子」に分類されます。
3 適切です。生活動作ですので、「活動」が制限されていると捉えることができます。しかし、ICFでは「制限」などマイナス面の用語を用いないようにしております。これは、ICFの以前のモデルであるICIDHとの大きな違いです。ICFとICIDHの違いも抑えておくと良いでしょう。
4 不適切です。能力障害は、ICFの以前のモデルであるICIDHで使われていた表現です。また、ICFで考えると、活動や参加が制限されていると捉えることができます。
5 不適切です。「環境因子」とは、Aさんを取り巻く環境(自宅・家族構成・交友関係など)を指します。
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03
本設問に登場する「国際生活機能分類(ICF)」は2001年5月にWHOが採択した、人間の生活機能と障害の状況を把握するために作られた分類です。その前身として「ICIDH」がありますが、マイナス部分に着目するよう作られており、生活をプラスの視点から見るという面が不足していたため、現在のICFが活用される事となりました。
不適切です。疾患としての脳性麻痺は「健康状態」に分類されます。
不適切です。電動車いす使用は「環境因子」に分類されます。
適切な内容です。今まで出来ていた事(杖歩行)が出来なくなった事により、電車での通勤が困難となっているため、活動が制限された状態であると言えます。
不適切です。「能力障害」はICIDHを使用していた際に使われていましたが、ICFでは削除されています。電車通勤が困難となった状態は「活動制限」にあたると考えられます。
不適切です。歩行訓練は「活動」に分類されます。
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