社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
現代社会と福祉 問23
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問題
社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 現代社会と福祉 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
ノーマライゼーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- EU(欧州連合)の社会的包摂政策がノーマライゼーションの思想形成に影響を与えた。
- 知的障害者の生活を可能な限り通常の生活状態に近づけるようにすることから始まった。
- ニュルンベルク綱領(1947年)の基本理念として採択されたことで、世界的に浸透した。
- 国際児童年の制定に強い影響を与えた。
- 日本の身体障害者福祉法の制定に強い影響を与えた。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 2 です。
1.社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)は、ノーマライゼーションの形成以降の発祥であり、様々な社会的排除に対応するものです。
2.正解です。1950年代に、デンマークで、知的障害のある人たちの親の会の活動を通じて具現化され、生活を可能な限り通常の生活状態に近づけるようにすることから始まりました。
3.ニュルンベルク綱領(1947年)は、人を対象とした医学的研究を行う際の国際的なガイドラインとして作られたものです。
4.国際児童年とは、1959年に国際連合で採択された「児童の権利に関する宣言」から20周年を記念して、1979年を「国際児童年」とする決議が1976年の国際連合で採択されたもので、ノーマライゼーションとの直接的な関係は見られません。
5.日本の身体障害者福祉法の制定は1949年であり、ノーマライゼーション(1950年代)の形成以前です。
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02
正解は、2 です。
1 不適切です。ノーマライゼーションは、1950年代にデンマークのバンク=ミケルセンによって提唱されています。
2 適切です。現在では、知的障害者のみではなく身体障害者や高齢者など障害があっても誰もが社会で自分らしい生活を送れるように広い意味を持つようになっています。
3 不適切です。1959年にデンマークで知的障害者福祉法が成立したことをきっかけに広く認知されるようになりました。
4 不適切です。児童よりも、障害者関係のさまざまな施策や制度に強い影響を与えています。
5 不適切です。身体障害者福祉法ではなく、障害者基本法です。
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03
本設問で問われているノーマライゼーションとは、1950年代のデンマークで発祥した考え方です。
当時の知的障害者施設に入所している人に対する非人道的な扱いを問題視した、入所者の親が生活状況を改善するために活動を起こした事から始まりました。その結果、障害によって差別される事があってはならず、一般の市民と同等の生活の権利が保障されるべきであるという内容が法制化されました。
ノーマライゼーションの理念を提唱したのは「バンク=ミケルセン」です。
不適切です。EU(欧州連合)の社会的包摂政策は、1980年代に社会的排除が問題として取り上げられ、1990年代に社会的包摂政策が本格化しました。ノーマライゼーションの思想は1950年代に始まっており、思想形成に影響を与えてはいません。
適切な内容です。冒頭の解説の通り、当初は知的障害者施設に入所している人達の非人道的な扱いの改善をする事を目的として活動が始まりました。
不適切です。ニュルンベルク綱領とは、人に対する実験を行う際の倫理的な原則を示した物であり、ノーマライゼーションの理念とは関連していません。
不適切です。国際児童年は1979年に制定され、途上国の子どもなどに十分な教育や医療サービスが提供されていない事に対して平等な権利が保障される事を説いたものとなります。ノーマライゼーションは障がいを持っている人の権利保障について説いており、直接的な影響を与えてはいません。
不適切です。日本の身体障害者福祉法は1949年に、第二次世界大戦で障がいをおった軍人の更生を目的に制定されました。ノーマライゼーションの思想が登場する前に制定されており、影響を与えたとは言えません。
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