社会福祉士の過去問 第34回(令和3年度) 相談援助の理論と方法 問112
この過去問の解説 (3件)
正解は 5 です。
1✕ .グループのメンバー同士の相互作用が促進されるにつれ、グループ規範は消滅していく。
→グループ規範には、明示されているものだけではなく、相互作用が促進される中で生まれるものもあります。
2✕ .サブグループが構成されると、サブグループ内のメンバー同士の相互作用は減少する。
→サブグループは、相互作用が高まる中で構成されます。
3✕ .グループのメンバー同士の関係性が固定的であるほど、グループの相互援助システムは形成されやすい。
→メンバーの役割交代が起こるなどの関係性の変化は、お互いを尊重できている表れであるため、固定的でない方が相互援助の関係にあるといえます。
4✕ .同調圧力によって、メンバー同士の自由な相互作用が促進される。
→同調圧力が働くと個性が発揮されにくくなり、自由な相互作用が減退してしまいます。
5○ .グループの凝集性が高まると、メンバーのグループへの所属意識は強くなる。
→その通りです。メンバーの共通要素に着目することで凝集性が高まり、似た者同士の中での相違点に気づき認め合うことで相互理解が深まります。
グループの相互作用について問われています。
ここでは、相互作用=コミュニケーションと言い換えてみましょう。
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グループ規範は集団規範とも言い、
そのグループ独自の価値観、考え方や行動など共通の枠組みのことを指します。
メンバーがその共通の考え方を共有することによって、
メンバー間のコミュニケーションが活発になります。
また逆に、メンバー同士のコミュニケーションが活発になるにつれ、
そのグループとしての規範は強固になるとも言えそうです。
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正答と迷うならこの選択肢ですが、最も適切とは言えません。
ひとつのグループから分化してできたサブグループでは、
そのサブグループ内のみでのコミュニケーションは活発になり、
それ以外の者に対しては排他的になります。
人間関係の縮図ですね。どんな組織に身を置いても派閥(サブグループ)というのはできるものです。
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グループメンバー同士の関係性が流動的であるほどコミュニケーションが活発になり、
それぞれの援助システムが形成されやすくなります。
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同調圧力とはグループ内でのマイノリティーに対して、
マジョリティーと同じように考えたり行動したりするように強制する力のことです。
これによりマイノリティーは声を上げづらくなり、
自由なコミュニケーションはむしろ生じにくくなります。
〇
最も適切です。グループの凝集性とは、
メンバーを集団に留まらせる求心力や動機付けなどの内的な力を意味する言葉です。
つまり言葉の定義的に、凝集性が高い状態=所属意識が高い状態、と考えることができます。
グループワークは、課題に共通性がある2人以上のクライエントが存在する場合に用いる事が出来る手法です。
✕ グループのメンバー同士の相互作用が促進されても、グループ規範が消滅する事にはなりません。
✕ サブグループとは、グループワークが進むにつれて出来る小集団のグループの事を言います。サブグループ内のメンバー同士はその他のメンバーと比べて相互作用が深まり、そのグループ独自での関係性が築かれる事もあります。
✕ グループのメンバー同士の関係性が固定的になると、役割なども固定的になってしまい、相互援助システムの形成がしづらくなってしまいます。
✕ 同調圧力とは、少数派の意見を多数派の意見に合わせるよう、影響を与える力の事などを言います。同調圧力がかかると、少数派のメンバーは自由に発言する事が困難になり、自由な相互作用が働かなくなります。
〇 選択肢の内容通りです。グループの凝集性とは、そのグループのまとまりの事を言います。グループの凝集性が高まれば高まるほど、グループへの所属意識は強くなります。
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