社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
相談援助の理論と方法 問116
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問題
社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 相談援助の理論と方法 問116 (訂正依頼・報告はこちら)
バイステック(Biestek, F.)の援助関係の原則に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 意図的な感情表出の原則とは、クライエントのありのままの感情を大切にし、その表出を促すことである。
- 統制された情緒的関与の原則とは、クライエント自身が自らの情緒的混乱をコントロールできるようにすることである。
- 個別化の原則とは、他のクライエントと比較しながら、クライエントの置かれている状況を理解することである。
- 受容の原則とは、ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように、誠実に働き掛けることである。
- 非審判的態度の原則とは、判断能力が不十分なクライエントを非難することなく、ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。
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この過去問の解説 (3件)
01
【解説】
〇
適切です。「意図的な感情の表出」とは、クライエントの自由な感情の表出を促すため、ワーカー自身が意図的に自分の感情を表すことです。
×
「統制された情緒的関与」とは、ワーカー自身がクライエントの感情に飲み込まれたり逆転移を起こしたりしないように、自分自身の感情を統制してクライエントに相対することです。
×
「個別化」とは、ワーカーが他のクライエントやケースと比べたり、カテゴライズしたりすることなく、クライエントを一人の人間として向き合うことです。
×
「受容」とは、ワーカーがクライエントを受け容れることです。
問題文とは主語と目的語が入れ替わっています。
×
「非審判的態度」とは、ワーカーがクライエントの善し悪しを判断したり、意思決定を行ったりしない、ということです。
「受容」の原則と合わせてまずはクライエントの様子や発言を受け容れるのみで、ワーカーは判断を下しません。
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02
正解は 1 です。
1◎.意図的な感情表出の原則とは、クライエントのありのままの感情を大切にし、その表出を促すことである。
→その通りです。クライエントが自由に感情を表出できるように、援助者が意図的に関わります。
2×.統制された情緒的関与の原則とは、クライエント自身が自らの情緒的混乱をコントロールできるようにすることである。
→クライエントではなく、援助者が自らの感情をコントロールします。
3×.個別化の原則とは、他のクライエントと比較しながら、クライエントの置かれている状況を理解することである。
→似た境遇のクライエントがいたとしても、一人一人違うということを忘れてはなりません。誰とも比較することなく個人として、その社会生活史を把握して働きかけます。
4×.受容の原則とは、ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように、誠実に働き掛けることである。
→受容とは、クライエントのあるがままを受け入れることです。
5×.非審判的態度の原則とは、判断能力が不十分なクライエントを非難することなく、ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。
→非審判的態度の原則とは、援助者の価値観でクライエントを裁いてはいけないということです。また、バイステックの7原則には自己決定の原則があり、クライエント自身が意思決定できるように働きかけます。
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03
バイステックの7原則とは、クライエントとソーシャルワーカーが信頼関係を築く上で大切にすべき原則をまとめた物となります。
〇 適切な内容です。クライエントが持つ感情を、否定的な感情も含めありのまま受け入れ、表出できるようソーシャルワーカーが関わる事を言います。
✕ 統制された情緒的関与の原則においては、ソーシャルワーカー自身が、クライエントの思いを理解できるよう、自分の感情を統制して感情的にならずに関わる事を言います。
✕ 個別化の原則は、クライエントの抱える問題はそのクライエントごとに異なり、一つとして同じ問題は存在しないという考えで関わらなければならないという考え方の事を言います。他のクライエントと比較する事無く関わる事が求められます。
✕ 受容の原則は、ソーシャルワーカーがクライエントの思いを否定せず、ありのままの思いを受け入れる姿勢の事を言います。クライエントの思いが否定的な物であったとしても、その考えを否定したり、考え方に対して命令する事が無いよう関わる事が求められています。
✕ 非審判的態度の原則とは、クライエントの考えや行動に対して、ソーシャルワーカーが「良い」「悪い」など善悪の判断をつけず、クライエント自身が自分自身の事を意思決定できるよう支援する事を言います。
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