社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
相談援助の理論と方法 問117

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 相談援助の理論と方法 問117 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、W地域包括支援センターのC社会福祉士のこの時点での対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
W地域包括支援センターのC社会福祉士は、日常生活圏域の「協議体」の終了後、一緒に参加していたD民生委員から、1年ほど前に妻を亡くして一人暮らしのEさん(85歳)について相談を受けた。D民生委員はEさんをふれあいサロンに誘うなど気に掛けているが、Eさんは外出を嫌がっている。最近もD民生委員が自宅を訪ねると、床一面ゴミだらけで悪臭がし、ねずみが動くのも見えた。Eさんは顔色も悪く足を引きずりながら出てきて、「俺のことは放っておいてくれ」とつぶやいたという。
(注)ここでいう「協議体」とは、介護保険の生活支援・介護予防サービスの体制整備に向けて、市町村が資源開発を推進するために設置するものである。
  • D民生委員に、民生委員児童委員協議会の定例会で対応策を協議して決めるようアドバイスする。
  • D民生委員が誘っているふれあいサロンに参加するよう、C社会福祉士がEさんを説得する。
  • D民生委員も含めて多機関でEさんへの対応について検討するため、地域ケア会議の開催準備をする。
  • D民生委員に同行してEさん宅を訪ね、本人の健康に気遣いながら生活課題を把握する。
  • D民生委員も参加する協議体で、Eさんに対応できる新しいサービスを開発する。

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この過去問の解説 (3件)

01

【解説】

問題文から、「この時点での対応」として正しいものを選ぶことが重要です。

この時点でCさんは、Eさんの話を直接聞くこと、また直接実情を知ることはできていません。

選択肢1. D民生委員に、民生委員児童委員協議会の定例会で対応策を協議して決めるようアドバイスする。

×

協議会にかける前に、まずはCさん自身がEさんの実態を把握することが大切です。

また実態把握後には、Eさんのように困難な事例であると伺える場合には、Dさんのような民生委員だけでなく多様な職種の人の人が集まる場で対応を協議することを考えます。

選択肢2. D民生委員が誘っているふれあいサロンに参加するよう、C社会福祉士がEさんを説得する。

×

国家試験において、ワーカーが”説得”するという選択肢は正解になりづらいです。

まずはCさん自身が現状を把握し、Eさんの言葉に耳を傾けることが大切です。

選択肢3. D民生委員も含めて多機関でEさんへの対応について検討するため、地域ケア会議の開催準備をする。

適切です。

この選択肢は直接正解として選びづらいですが、他の選択肢を消去法で消していきます。

問題文から、クライエントが健康を害していると思われるため、

この場合には緊急性の高さから、先んじて協議会の準備をすることも必要になると言えます。

選択肢4. D民生委員に同行してEさん宅を訪ね、本人の健康に気遣いながら生活課題を把握する。

適切です。

Eさんに寄り添い、傾聴することが大切です。

選択肢5. D民生委員も参加する協議体で、Eさんに対応できる新しいサービスを開発する。

×

まずはEさんを取り巻く環境に既存の資源(リソース)の活用を図ることを考えます。

またサービス開発の前には、ほかにもEさんのような状態の人がいるかどうかなど、ニーズの開発/発見も必要です。

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02

正解は 3 と 4 です

1×.D民生委員に、民生委員児童委員協議会の定例会で対応策を協議して決めるようアドバイスする。

C社会福祉士を始めとする、専門職が関わるべき問題です

2×.D民生委員が誘っているふれあいサロンに参加するよう、C社会福祉士がEさんを説得する。

Eさん自身の意志を尊重すべきです

3◎.D民生委員も含めて多機関でEさんへの対応について検討するため、地域ケア会議の開催準備をする。

地域ケア会議には、個別課題の解決ネットワークの構築などの役割があるため、適切です

4◎.D民生委員に同行してEさん宅を訪ね、本人の健康に気遣いながら生活課題を把握する。

まずは、Eさんについてよく知る必要があるため、適切です

5×.D民生委員も参加する協議体で、Eさんに対応できる新しいサービスを開発する。

ニーズを把握していない時点では早計です

参考になった数9

03

本設問は、地域包括支援センターの役割や「地域ケア会議」が担う役割などを知識として持つ事で、正答に繋げる事は出来ます。

選択肢1. D民生委員に、民生委員児童委員協議会の定例会で対応策を協議して決めるようアドバイスする。

✕ Eさんの住環境は良いとは言えず、D民生委員の話から体調不良を起こしている状態も見られます。民生委員・児童委員のみに対応を任せるのではなく、専門職が関わる必要があると考えられます。

選択肢2. D民生委員が誘っているふれあいサロンに参加するよう、C社会福祉士がEさんを説得する。

✕ 本事例ではC社会福祉士よりも現時点で関わりが深い、D民生委員が繰り返しふれあいサロンに誘っても、外出を嫌がり参加していないという記述があります。C社会福祉士が突然ふれあいサロンに誘っても外出を嫌がっているEさんに対して、現時点で効果的な支援内容であるとは言えません。

選択肢3. D民生委員も含めて多機関でEさんへの対応について検討するため、地域ケア会議の開催準備をする。

〇 適切な内容です。

選択肢4. D民生委員に同行してEさん宅を訪ね、本人の健康に気遣いながら生活課題を把握する。

〇 適切な内容です。D民生委員からの情報を聞くと、Eさんは健康を害している可能性も考えられます。Eさんと信頼関係を築けるよう、訪問を行いながら、同時に生活課題の把握を行う事は有効であると考えられます。

選択肢5. D民生委員も参加する協議体で、Eさんに対応できる新しいサービスを開発する。

✕ Eさんのニーズを確認と、それに活用できるサービスがあるかどうか確認を行う事が先決であると考えられます。

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