社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
相談援助の理論と方法 問118

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 相談援助の理論と方法 問118 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、X病院に勤務するF医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のこの段階における対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Gさん(55歳)は3年前に妻と離婚後、市内で一人暮らしをしていた。Gさんは糖尿病で、X病院に通院してきたが、仕事が忙しく、受診状況は良好ではなかった。ある日、Gさんは街中で倒れ、救急搬送されそのままX病院に入院となった。Gさんの糖尿病はかなり進行しており、主治医から、今後は週三日の透析治療を受ける必要があり、足指を切断する可能性もあることを告げられた。Gさんは、「どうしてこんな目に遭わなければならないのか」とつぶやいた。主治医は、相談室のF医療ソーシャルワーカーに、Gさんの生活相談に乗ってほしいと依頼した。F医療ソーシャルワーカーは、Gさんの思いを受け止めた上で、相談に乗った。

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この過去問の解説 (3件)

01

生活相談として適当な行動について問われています。

選択肢1. 相談室の役割を説明し、引き続きの支援の中で活用できる制度やサービスの紹介をしていきたいと伝える。

生活相談の内容として適切です。

選択肢2. 今後の病状の進展によっては、足指の切断も必要ない場合があるので、諦めずに希望を持ってほしいと伝える。

×

病状の確認や医療的な判断は医師の職務です。

社会福祉士としては「医師(中略)との連絡及び調整その他の援助を行う」(社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項)ことにとどめます。

選択肢3. 今後の暮らしの変化について、収入面や就労継続等の生活課題を整理する。

生活相談の内容として適切です。

選択肢4. 今までの仕事優先の生活を改めるよう指導する。

×

Gさんの思いを受け止める今の段階で、「改めるよう指導する」のは不適切といえます。

選択肢5. 同じような状況にあった人のことを例に挙げ、Gさんも必ず乗り越えられると励ます。

×

バイステックの個別化の原則に反しています。

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02

正解は 1 と 3 です

1◎.相談室の役割を説明し、引き続きの支援の中で活用できる制度やサービスの紹介をしていきたいと伝える。

最初にソーシャルワーカーの役割を説明します

2×.今後の病状の進展によっては、足指の切断も必要ない場合があるので、諦めずに希望を持ってほしいと伝える。

根拠のない励ましをしてはいけません

3◎.今後の暮らしの変化について、収入面や就労継続等の生活課題を整理する。

Gさんの置かれた状況を理解し、ニーズを把握します

4×.今までの仕事優先の生活を改めるよう指導する。

援助者は批判をせずGさんをあるがままに受け入れ(バイステックの7原則より受容)、非審判的態度バイステックの7原則)で接します

5×.同じような状況にあった人のことを例に挙げ、Gさんも必ず乗り越えられると励ます。

同じような状況にあった人とGさんを一緒にしてはいけません。(バイステックの7原則より個別化の原則

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03

本設問においては、ソーシャルワーカーとクライエントが関わる姿勢について問われています。「バイスティックの7原則」などの理論について理解していると、正答に結びつけやすいと考えられます。

選択肢1. 相談室の役割を説明し、引き続きの支援の中で活用できる制度やサービスの紹介をしていきたいと伝える。

〇 Gさんは街中で倒れ、救急搬送されたあとに入院しました。診察を受けた結果、糖尿病による透析が必要と判断されましたが、突然の事に対する不安や戸惑いが感じられる言葉を口にされています。相談室の役割を説明した上で、Gさんと一緒に今後の生活を考えていきたいという事を伝える事で、Gさんの安心感に繋がる可能性があります。

選択肢2. 今後の病状の進展によっては、足指の切断も必要ない場合があるので、諦めずに希望を持ってほしいと伝える。

✕ 今後の病状の見通しについては医師が診断し、Gさんに対して説明する役割を担います。ソーシャルワーカーは診断を行う事はできず、それに対しての説明は行う事ではありません。

選択肢3. 今後の暮らしの変化について、収入面や就労継続等の生活課題を整理する。

〇 Gさんは今後週3回透析に通わなければならない病状と診断されており、今までの通りの就労が継続できるかどうかは分かりません。就労の仕方によっては収入が減少する可能性もあり、生活に不安を感じる可能性は高いです。変化が予想される今後の生活について、一緒に課題整理をする事は有効な支援内容であると考えられます。

選択肢4. 今までの仕事優先の生活を改めるよう指導する。

✕ ソーシャルワーカーはクライエントと同じ立場で考え、クライエントにとって良い生活が送れるよう支援する事が役割として課せられています。「指導」という上から目線での接し方は、ソーシャルワーカーの関わりとして適切とは言えません。

選択肢5. 同じような状況にあった人のことを例に挙げ、Gさんも必ず乗り越えられると励ます。

✕ Gさんと同じような状況にあった人がいたとしても、その方の問題とGさんの問題は異なる物であり、置かれている状況に対する受け止め方も異なります。似たような問題だからといって、同一化する事は適切な対応とは言えません。

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