社会福祉士の過去問 第34回(令和3年度) 福祉サービスの組織と経営 問120
この過去問の解説 (3件)
組織と経営に関する基礎理論について問われています。
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科学的管理法は、人間関係ではなく、むしろ成果としての生産性に着目しました。
これは20世紀初頭にテイラーが提唱した管理手法で、
①課業管理 :目標に基づいて労働者を適切に管理する
②作業の標準化 :働く時間に対しての意識を高める
③作業管理のために最適な組織形態 :計画と実行の分離、職能別組織
の3つから成ります。
〇
適切です。
メイヨーらは、ホーソン工場の実験から「従業員の人間的満足度が高ければ高いほど生産性が高い」という仮説を確かめました。
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組織運営には
①専門化の原則
②権限・責任一致の原則
③統制範囲の原則
④命令統一性の原則:特定の一人から指示・命令を受けるような命令系統を構築する
⑤権限委譲の原則
の5つの管理原則があるとされています。
マトリックス型組織とは「職能」と「事業」など2つの系列を縦横に組み合わせた組織形態であり、命令系統を1つにしぼることは難しくなると言えます。
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コンティンジェンシー理論(条件適合理論)は、「組織にはそれぞれ異なる組織化が必要であるから、あらゆる環境に適した唯一最善の方法はない」とするものです。
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官僚制の特徴として
①標準化
②階層性
③没人格性
の3つがあります。
階層があることが特徴であり、問題文の「階層がないフラットな構造」という記述は誤りです。
正解は 2 です。
1×.科学的管理法とは、人間関係に着目し、それを科学的に解明しようとしたものである。
↓
生産効率に着目したものです。
2◎.ホーソン実験では、物理的作業条件よりも人間関係の側面が生産性に影響を与えることが明らかにされた。
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ホーソン工場での生産能率実験では、作業条件や経済的欲求を満たすよりも、人間関係を充足させることで生産性が高まりました。
3×.マトリックス型組織では、「命令統一性の原則」を貫くことが容易である。
↓
マトリックス型組織では、複数の指揮系統を持つため、命令を統一することは困難です。
4×.コンティンジェンシー理論の特徴は、環境が変動したとしても唯一最善の不変的な組織タイプがあることを明らかにした点にある。
↓
コンティンジェンシー理論(条件適合理論)の特徴は、唯一最善の不変的な組織タイプは存在せず、環境によって最適な姿が異なるという点です。
5×.官僚制理論の特徴として、階層がないフラットな構造を有する点が挙げられる。
↓
上下関係がはっきりした階層制です。
働きやすい環境作りのために、組織の運営方法に目を向けている企業も少なくありません。
✕ 科学的管理法は、労働者の労働内容を客観的に分析し、管理者がその結果をもとに労働内容を分析・管理する事で労働効率の向上を図る内容です。
〇 選択肢の通りです。
✕ 「命令統一性の原則」とは、組織内の指示・命令者を統一する事を言います。マトリックス型組織とは、一人の労働者が複数の仕事をこなしたり、複数の組織に所属するなどの組織形態の事を言います。仕事内容によって指示・命令者が異なる事が多く、命令統一性の原則を貫く事は難しいと言えます。
✕ コンティジェンシー理論では、どんな組織の環境であったとしても、唯一最善のものは存在しないという考え方をしています。そのため、内的・外的環境によって適した組織環境は異なるため、リーダーや組織の環境は、常に適した環境になるよう変化させなければならないと言われています。
✕ 官僚制とは、指示・命令者をトップに一人置き、そこからピラミッド型の構造を作って労働者が働く構造の事を言います。階層が無いフラットな構造は有していません。
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