社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
福祉サービスの組織と経営 問121

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この過去問の解説 (3件)

01

リーダーシップについて問われています。

本問は、適切な文章を否定形にした誤肢が並んでいるという構造です。

選択肢1. リーダーの個性に着目した特性理論は、「リーダーを務める人は、もともと他の人と資質・人格に差がない」という前提に立つ理論である。

×

特性理論

リーダーを務める人は、もともと他の人と資質・人格に差がある」とした理論です。

20世紀前半に主流であった理論で、優れたリーダーに共通する特徴をその資質や特性に見出そうとしました。

選択肢2. ハーシー(Hersey, P.)とブランチャード(Blanchard, K.)は、部下の能力や成熟度の度合いが違っても、リーダーシップのスタイルを変えるべきではないと指摘している。

×

SL理論(Situational Leadership Theory)

ハーシー(Hersey, P.)とブランチャード(Blanchard, K.)が、1977年に「部下の能力や成熟度の度合いに応じて、リーダーシップのスタイルを変えるべきであ」と指摘した理論。

状況や外部環境の変化に応じてリーダーや組織の管理を適切に変化させるべきであるとする条件適合理論の一つです。

選択肢3. パス・ゴール理論では、リーダーはメンバーに明確な目標(ゴール)へのパス(経路)を明示せず、メンバー自身に考えさせることが必要としている。

×

パス・ゴール理論(Path-goal theory)

ハウス (R.House) が、1971年に「リーダーの職務はメンバーに明確な目標(ゴール)へのパス(経路)を明示して、メンバー自身が目標(ゴール)を達成するのを助けることである」とした理論。

条件適合理論の一つです。

選択肢4. サーバント・リーダーシップは、リーダーがカリスマとなってフォロワーに奉仕させるリーダーシップである。

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サーバント・リーダーシップ(Servant Leadership)

リーダーがチームメンバーに奉仕をした上で相手を指導していくという、支援型または奉仕型のリーダーシップです。

リーダーがカリスマとなってリードするカリスマ型リーダーシップとは真逆の発想です。

サーバント(servant)には、召使い、使用人といった意味があります。

選択肢5. シェアード・リーダーシップは、それぞれのメンバーが、必要に応じてリーダーのように振る舞って他のメンバーに影響を与えるリーダーシップである。

適切です。

シェアード・リーダーシップ(Shared Leadership)という文字からわかる通り、メンバー間でリーダーシップを場面に応じてシェアします。

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02

正解は 5 です

1×.リーダーの個性に着目した特性理論は、「リーダーを務める人は、もともと他の人と資質・人格に差がない」という前提に立つ理論である。

優れたリーダーは、他の人と比べて優れた資質を有しているという前提に立つ理論です

2×.ハーシー(Hersey, P.)とブランチャード(Blanchard, K.)は、部下の能力や成熟度の度合いが違っても、リーダーシップのスタイルを変えるべきではないと指摘している。

SL理論(状況対応型リーダーシップ)といいます。メンバーの成熟度に応じて、リーダーシップスタイルを変化させるという理論です

3×.パス・ゴール理論では、リーダーはメンバーに明確な目標(ゴール)へのパス(経路)を明示せず、メンバー自身に考えさせることが必要としている。

パス(経路)を明示して、メンバーが目標を達成しやすくする行動が必要です

4×.サーバント・リーダーシップは、リーダーがカリスマとなってフォロワーに奉仕させるリーダーシップである。

フォロワーの支援を重要視するリーダーシップです

5◎.シェアード・リーダーシップは、それぞれのメンバーが、必要に応じてリーダーのように振る舞って他のメンバーに影響を与えるリーダーシップである。

それぞれのメンバーが主体性を持ち、場面に応じて最適と思われるメンバーがリーダーシップを発揮します

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03

本設問は、チームで動く際のリーダーシップについて問われている問題です。

選択肢1. リーダーの個性に着目した特性理論は、「リーダーを務める人は、もともと他の人と資質・人格に差がない」という前提に立つ理論である。

✕ 特性理論は、リーダーを務める人は他の人よりも優れた資質がある人という前提に立った理論です。プラトンの「国家論」やマキャベリの「君主論」などが代表的です。

選択肢2. ハーシー(Hersey, P.)とブランチャード(Blanchard, K.)は、部下の能力や成熟度の度合いが違っても、リーダーシップのスタイルを変えるべきではないと指摘している。

✕ ハーシーとブランチャードは、部下の能力や成熟度によって、有効なリーダーシップのスタイルは違うという前提に立つ「SL理論」を提唱しました。

選択肢3. パス・ゴール理論では、リーダーはメンバーに明確な目標(ゴール)へのパス(経路)を明示せず、メンバー自身に考えさせることが必要としている。

✕ パス・ゴール理論は、ハウスが提唱した理論であり、リーダーが目標(ゴール)への達成方法(パス)をメンバーに明示する事が必要とされています。

選択肢4. サーバント・リーダーシップは、リーダーがカリスマとなってフォロワーに奉仕させるリーダーシップである。

✕ サーバント・リーダーシップとは、部下に対してリーダーが指示・命令するのではなく、リーダーが自主的に部下の支援に徹し、目標達成が出来るようサポートする事を言います。

選択肢5. シェアード・リーダーシップは、それぞれのメンバーが、必要に応じてリーダーのように振る舞って他のメンバーに影響を与えるリーダーシップである。

〇 選択肢の通りです。チームメンバー全員がその時の状況によってリーダーとなったりフォロワーとなるなど、役割を変えていき、一人ひとりが主体的に動く事で他のメンバーに影響を与える効果があります。

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