社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
福祉サービスの組織と経営 問124
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問題
社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 福祉サービスの組織と経営 問124 (訂正依頼・報告はこちら)
リスクマネジメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1件の重大事故の背景には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、その背後には事故寸前だった300件の危険な状態が隠れているのを、リーズンの軌道モデルという。
- リスクマネジメントは、厳しい管理体制を敷けば事故はなくせるものという前提に立つ。
- 職員要因のリスクコントロールをするためには、サービスの質の維持・向上を図るための業務や作業の標準化が必要である。
- リスクマネジメントは、危機管理体制の確立よりも個別リスクへの対応を基本とする。
- リスクコントロールとリスクファイナンスのうち、リスクコントロールの例として損害賠償保険の活用が挙げられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 3 です。
1×.1件の重大事故の背景には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、その背後には事故寸前だった300件の危険な状態が隠れているのを、リーズンの軌道モデルという。
↓
ハインリッヒの法則の説明です。リーズンの軌道モデルでは、いくつもの要因が重なって事故が起きると考えます。
2×.リスクマネジメントは、厳しい管理体制を敷けば事故はなくせるものという前提に立つ。
↓
確率の問題として、事故を0にすることは困難であり、管理が厳しすぎると、職員を萎縮させる恐れがあります。
3◎.職員要因のリスクコントロールをするためには、サービスの質の維持・向上を図るための業務や作業の標準化が必要である。
↓
マニュアルがあることで、職員が誰であってもサービスの質を一定に保つ事ができ、事故や苦情が発生した場合には、見直しの要点が明確になります。
4×.リスクマネジメントは、危機管理体制の確立よりも個別リスクへの対応を基本とする。
↓
リスクを組織的にマネジメントします。
5×.リスクコントロールとリスクファイナンスのうち、リスクコントロールの例として損害賠償保険の活用が挙げられる。
↓
損害賠償保険は財務的な対策ですので、リスクファイナンスの一例です。
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02
リスクマネジメントについて問われています。
×
リーズンの軌道モデルではなく、ハインリッヒの法則です。
×
事故を無くすことはできなくても、リスクを管理し低減させることはできるという考え方です。
〇
適切です。
職員要因は個別要因ですので、業務や作業の標準化とその徹底により個別要因ではなく組織的要因に落とし込むことができます。
×
危機管理体制の確立と個別リスクへの対応、どちらも大切です。
×
損害賠償保険の活用はリスクファイナンスの例です。
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03
福祉分野においては事故の発生がつきものです。事故の発生自体を全て防ぐ事は困難ですが、そのリスクを減らす事は可能です。そのため、福祉サービス事業者でもリスクマネジメントの視点を常に持ち続ける事が求められています。
✕ 選択肢の内容は「ハインリッヒの法則」の説明です。
✕ 厳しい管理体制を敷いても、全ての事故を防げるわけではありません。リスクマネジメントとは、事前の調査や分析によって一定の事故の発生防止や危険回避を図る事を目的としています。
〇 リスクを発見した際に、それを防止する手段などを検討・マニュアル化する事で職員要因のリスク発生を減らす事に繋がります。
✕ リスクマネジメントにおいては、危機管理体制の確立も、個別リスクへの対応もどちらも必要な事であり、重要な内容です。
✕ リスクファイナンスとは、想定されるリスクで損失が発生するものに対して、その損失を補填する役割を持つものをあらかじめ備えておく事を言います。そのため、損害賠償保険の活用はリスクファイナンスに含まれる内容となります。
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