社会福祉士の過去問
第34回（令和3年度）
高齢者に対する支援と介護保険制度 問129
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問題
社会福祉士試験 第34回（令和3年度） 高齢者に対する支援と介護保険制度 問129 （訂正依頼・報告はこちら）
事例を読んで、Z地域包括支援センターのJ社会福祉士による妻への助言として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Kさん（74歳）は、レビー小体型認知症であるが、日常生活は自立している。妻 （68歳）と二人暮らしである。
1か月くらい前から、部屋の隅を見て、「虫が群れをなしている」とおびえるものの、妻は、自分には見えないし、急に動こうとするので対応に困り、Z地域包括支援センターを訪れた。担当したJ社会福祉士は、レビー小体型認知症の症状を説明した上で、以下の助言を行った。
〔事例〕
Kさん（74歳）は、レビー小体型認知症であるが、日常生活は自立している。妻 （68歳）と二人暮らしである。
1か月くらい前から、部屋の隅を見て、「虫が群れをなしている」とおびえるものの、妻は、自分には見えないし、急に動こうとするので対応に困り、Z地域包括支援センターを訪れた。担当したJ社会福祉士は、レビー小体型認知症の症状を説明した上で、以下の助言を行った。
- 「パーキンソン症状により転びやすいので、気を付けてください」
- 「間接照明を使った部屋を利用するようにしてください」
- 「細かい模様のあるカーテンを目に付くところに配置してください」
- 「虫はいないとはっきり説明して、Kさんを安心させてください」
- 「虫が見えることを否定せず、Kさんの不安を受け止めてください」
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この過去問の解説 （3件）
01
正解は 1 と 5 です。
1◎.「パーキンソン症状により転びやすいので、気を付けてください」
↓
パーキンソン病もレビー小体病であるため、似た運動障害が生じることがあります。
2×.「間接照明を使った部屋を利用するようにしてください」
↓
間接照明を使うと影が増えるため錯視を引き起こしやすくなります。
3×.「細かい模様のあるカーテンを目に付くところに配置してください」
↓
細かい模様が虫に見えたりカーテンが人に見えたりと、錯視を引き起こしやすくなります。
4×.「虫はいないとはっきり説明して、Kさんを安心させてください」
↓
本人にははっきりと見えているので、否定されることで更なる混乱を引き起こす恐れがあります。
5◎.「虫が見えることを否定せず、Kさんの不安を受け止めてください」
↓
受容してもらえることで安心できます。
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02
レビー小体型認知症の諸症状について問われています。
大きな特徴として
①幻視
②パーキンソン症状（すくみ足など）
があります。
〇
適切です。
レビー小体型認知症の特徴の一つに、動作が遅くなり転びやすくなるパーキンソン症状があります。
×
間接照明は幻視を誘発します。
×
細かい模様は幻視を誘発します。
×
本人には幻視により虫が見えています。
説明したところで、Kさん本人は安心できないでしょう。
〇
適切です。
本人の不安を受容することが大切です。
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03
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症と並ぶ、3大認知症と称されています。レビー小体型認知症の特徴としては、症状の日内変動、ありありとした幻視、パーキンソン症状（動作緩慢、筋固縮等）が挙げられます。
〇 レビー小体型認知症の特徴の一つとして、パーキンソン症状が挙げられます。パーキンソン症状の一つにバランスを崩し転倒しやすい（姿勢反射障害）という症状があるため、この助言は適切な内容と言えます。
✕ 間接照明は照明器具から直接光を照らすものではないため、誤認しやすく混乱を招きやすいです。特にありありとした幻視が特徴のレビー小体型認知症では、幻視の誘発に繋がる可能性もあるため、適切な助言とは言えません。
✕ 細かい模様は虫などと誤認しやすく、幻視の誘発に繋がってしまうと考えられます。適切な助言とは言えません。
✕ 周囲の人間には見えておらず、事実ではない事をKさんは話していますが、それを頭から否定してしまえば混乱や不安、怒りの感情などに繋がってしまい、Kさんの精神が不安定になると考えられます。適切な助言とは言えません。
〇 Kさんの感情を受け止めて接する事で、不安の軽減に繋がる可能性があります。
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