社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問140

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問140 (訂正依頼・報告はこちら)

児童養護施設入所児童の家庭環境調整に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 家庭環境調整は、児童の家庭の状況に応じ親子関係の再構築などが図られるように行わなければならない。
  • 児童が施設入所に至った理由の説明は、児童を精神的に追い詰めることになるので行わないこととされている。
  • 児童にとって親は唯一無二の存在であり、児童養護施設には親との面会・交流を行うことが義務づけられている。
  • 家庭支援専門相談員が児童の家庭復帰の判断とその決定を行う。
  • 保護者の虐待で施設入所した児童を家庭復帰させた場合には、保護者の主体性を重んじ、児童相談所は継続的な指導は行わないこととされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

児童養護施設入所児童の家庭環境調整では、子どもが家庭に復帰するための支援を行います。家庭への復帰が困難な場合は、一定の距離を取った交流を続け、お互いを受け入れ認め合える関係の構築を行います。主に家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)が業務にあたります。

選択肢1. 家庭環境調整は、児童の家庭の状況に応じ親子関係の再構築などが図られるように行わなければならない。

まさに、親子関係の再構築が主となる業務です。

選択肢2. 児童が施設入所に至った理由の説明は、児童を精神的に追い詰めることになるので行わないこととされている。

子どもが、その生い立ちや親との関係について心の中で整理をつけられるよう、支援を行います。

選択肢3. 児童にとって親は唯一無二の存在であり、児童養護施設には親との面会・交流を行うことが義務づけられている。

そのような義務はありません。子供の状態が悪化する恐れがあります。

選択肢4. 家庭支援専門相談員が児童の家庭復帰の判断とその決定を行う。

家庭支援専門相談員の業務は、家庭復帰を目指した環境の改善です。判断や決定までは行いません。

選択肢5. 保護者の虐待で施設入所した児童を家庭復帰させた場合には、保護者の主体性を重んじ、児童相談所は継続的な指導は行わないこととされている。

家庭復帰後、一定期間(少なくとも半年)の安全確認及び継続的な指導を行います。

まとめ

現況では、児童養護施設に入所する児童の大半が虐待によるものです。「子供の安全と権利」を優先して考えれば、難しい問題ではないですね。

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02

児童養護施設入所児童の家庭環境調整について問われています。

選択肢1. 家庭環境調整は、児童の家庭の状況に応じ親子関係の再構築などが図られるように行わなければならない。

適切です。

児童養護施設の役割として、主にファミリーソーシャルワーカーが家庭環境の調整の役割も担います。

選択肢2. 児童が施設入所に至った理由の説明は、児童を精神的に追い詰めることになるので行わないこととされている。

×

必要に応じて児童にも説明します。

しかし必ずするというものでもありません。

選択肢3. 児童にとって親は唯一無二の存在であり、児童養護施設には親との面会・交流を行うことが義務づけられている。

×

親との面会・交流を義務付ける規定はありません。

実情に応じて面会を制限することもあります。

選択肢4. 家庭支援専門相談員が児童の家庭復帰の判断とその決定を行う。

×

児童の家庭復帰の判断とその決定を行うのは、施設長です。

選択肢5. 保護者の虐待で施設入所した児童を家庭復帰させた場合には、保護者の主体性を重んじ、児童相談所は継続的な指導は行わないこととされている。

×

児童が家庭復帰した後も、施設はアフターケアの役割を担います。

継続的に支援していくことが必要です。

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03

児童養護施設入所児童の家庭環境調整に関する設問です。児童養護施設で作成される自立支援計画において、親子関係の再構築のために、あるいは家庭復帰のために、誰が(どの機関)がどのような支援を行っていくのかを具体的に記す必要があります。

選択肢1. 家庭環境調整は、児童の家庭の状況に応じ親子関係の再構築などが図られるように行わなければならない。

適切です。「家庭環境の調整は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように行う」と児童養護施設運営指針(平成24年3月29日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)に記載されています。

選択肢2. 児童が施設入所に至った理由の説明は、児童を精神的に追い詰めることになるので行わないこととされている。

適切ではありません。入所の際には、「子どもや保護者等に対して、養育・支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情報提供する」こととされています(児童養護施設運営指針(平成24年3月29日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知))。施設入所に至った理由の説明が児童を追い詰める蓋然性が高ければ行わないことも考えられますが、「行わないこととされている」わけではありません。

選択肢3. 児童にとって親は唯一無二の存在であり、児童養護施設には親との面会・交流を行うことが義務づけられている。

適切ではありません。父母から遺棄された児童、虐待を受けたため保護された児童も存在することから、児童養護施設には親子の面会・交流を行うことが義務づけられているわけではありません。児童養護施設運営指針(平成24年3月29日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)には、「子どもと家族の関係づくりのために、面会、外出、一時帰宅などを積極的に行う」と記載されています。

選択肢4. 家庭支援専門相談員が児童の家庭復帰の判断とその決定を行う。

適切ではありません。「児童の家庭復帰の判断とその決定を行う」のは、家庭支援専門相談員の職責ではありません。

選択肢5. 保護者の虐待で施設入所した児童を家庭復帰させた場合には、保護者の主体性を重んじ、児童相談所は継続的な指導は行わないこととされている。

適切ではありません。「家庭引取りに当たって、子どもが家庭で安定した生活が送ることができるよう家庭復帰後の支援を行う」と児童養護施設運営指針(平成24年3月29日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)に記載されています。

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