社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
就労支援サービス 問146

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 就労支援サービス 問146 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、P市福祉事務所における就労支援の進め方について、K生活保護現業員(社会福祉士)の行動として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Lさん(40歳)は、病気により離職し、生活が困窮し生活保護を受給している。現在、体調は回復し、医師からも軽めの仕事であれば就労可能であると言われている。Lさんは、就労意欲はあるが、フルタイムでの就労には不安を感じている。そこで、生活保護を受給しながら就労することについてK生活保護現業員に相談した。
  • 就労の可能性を高めるため、公共職業安定所(ハローワーク)のフルタイムの求人に応募するように助言する。
  • 生業扶助では民間の教育訓練講座の受講はできないため、公共職業訓練の受講を勧める。
  • 福祉事務所の就労支援は期間を定めて行われるため、終了時には生活保護も廃止となると伝える。
  • 公共職業安定所(ハローワーク)と連携した生活保護受給者等就労自立促進事業などを紹介し、利用の意向を尋ねる。
  • 自立支援プログラムへの参加が生活保護を継続する条件になると伝える。

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この過去問の解説 (3件)

01

生活保護制度では様々な「扶助」があり、ここでは「生業扶助」に関して問われています。

Lさんは就労意欲がある一方、不安を感じているという状態を考慮する必要があります。

生業扶助の範囲

①生業費‥生業に必要な資金など

②技能習得費‥技能を習得するための就学費用など

③就職支度費‥就職のために必要となる洋服代など

選択肢1. 就労の可能性を高めるため、公共職業安定所(ハローワーク)のフルタイムの求人に応募するように助言する。

フルタイムでの就労に不安を感じているのですから、フルタイムの求人応募を勧めることは不適切です。

選択肢2. 生業扶助では民間の教育訓練講座の受講はできないため、公共職業訓練の受講を勧める。

民間の教育訓練講座の受講にも、生業扶助を活用できます。

選択肢3. 福祉事務所の就労支援は期間を定めて行われるため、終了時には生活保護も廃止となると伝える。

就労支援を受けることが生活保護受給の条件になっているわけではないため、不適切です。

選択肢4. 公共職業安定所(ハローワーク)と連携した生活保護受給者等就労自立促進事業などを紹介し、利用の意向を尋ねる。

適切です。生活保護受給者等就労自立促進事業は、不安のある人にも配慮した支援を行います。また、利用の意向を尋ねる」ことで、本人の意思決定を尊重していることがわかります。

選択肢5. 自立支援プログラムへの参加が生活保護を継続する条件になると伝える。

自立支援プログラムは、生活保護受給者の自立支援の一環であり、受給継続の条件ではありません。

まとめ

就労支援を受けることが生活保護受給の条件であるかのような設問がありますが、生活保護制度の基本「健康で文化的な最低限度の生活」をおさえておけばそれらを選択することはないでしょう。

生活保護受給者は就労への課題を抱えており、就労以前の支援が必要な場合もあります。

そのような人の生活保護を打ち切ることはできませんね。

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02

就労支援の進め方について問われています。

生活保護受給者の就労支援には

生活保護受給者等就労支援事業 による支援

②就労意欲喚起等自立支援法 による支援

③就労自立給付金 などの給付による支援

などがあります。

選択肢1. 就労の可能性を高めるため、公共職業安定所(ハローワーク)のフルタイムの求人に応募するように助言する。

×

フルタイムでの就労に不安を感じているLさんにフルタイムの応募を勧めるのは、適切とは言えません。

選択肢2. 生業扶助では民間の教育訓練講座の受講はできないため、公共職業訓練の受講を勧める。

×

生活保護の生業扶助の中で、民間の教育訓練講座も受講できます。

選択肢3. 福祉事務所の就労支援は期間を定めて行われるため、終了時には生活保護も廃止となると伝える。

×

就労支援にはいくつか方法がありますが、いずれの支援も終了時に生活保護が廃止となることはありません。

選択肢4. 公共職業安定所(ハローワーク)と連携した生活保護受給者等就労自立促進事業などを紹介し、利用の意向を尋ねる。

適切です。

生活保護を受給しながら就労をしたい、というLさんのニーズにも合っています。

選択肢5. 自立支援プログラムへの参加が生活保護を継続する条件になると伝える。

×

自立支援プログラムへの参加が受給継続の条件にはなりません。

自立支援プログラムは国が導入を促している制度ではありますが、

令和4年6月時点で福祉事務所設置自治体の895自治体(98.9%)で策定しており、策定していない自治体もあります。

参考になった数20

03

生活保護受給者に対する就労支援の進め方についての事例問題です。生活保護制度の枠組みの中で就労支援がどのように位置づけられているか、関連する制度をどのように利用できるか、把握しておきましょう。

選択肢1. 就労の可能性を高めるため、公共職業安定所(ハローワーク)のフルタイムの求人に応募するように助言する。

適切ではありません。「医師からも軽めの仕事であれば就労可能」とはされているものの、「フルタイムでの就労には不安を感じている」ことから、本人の意向を考慮しない指導は適切とはいえません。

選択肢2. 生業扶助では民間の教育訓練講座の受講はできないため、公共職業訓練の受講を勧める。

適切ではありません。生業扶助の技能習得費として、民間の教育訓練講座の受講が認められる場合があります。

選択肢3. 福祉事務所の就労支援は期間を定めて行われるため、終了時には生活保護も廃止となると伝える。

適切ではありません。福祉事務所の就労支援は期間を定めて行われるわけでもありません。就労支援が行われることが、受給の要件ともなりません。

選択肢4. 公共職業安定所(ハローワーク)と連携した生活保護受給者等就労自立促進事業などを紹介し、利用の意向を尋ねる。

適切です。生活保護受給者等就労自立促進事業とは、労働局・ハローワークと地方公共団体が協定を締結し、ワンストップ型の就労支援を行うものです。

選択肢5. 自立支援プログラムへの参加が生活保護を継続する条件になると伝える。

適切ではありません。自立支援プログラムへの参加が生活保護を継続する条件となることはありません。

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