社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
人体の構造と機能及び疾病 問2

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 人体の構造と機能及び疾病 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 対象は障害のある人に限定されている。
  • 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。
  • 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。
  • 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。
  • その人の住居は「個人因子」の一つである。

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この過去問の解説 (6件)

01

国際生活機能分類(ICF)は2001年にWHO総会にて採択され、「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものになりました。生活機能上の問題は誰にでも起こりうるものであり、特定の人のものではなく「全ての人に関する分類」となっています。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

ICFの対象は、すべての人を対象にしています。ICFでは,健常者も障害者も区別していなく健康状態を一つの概念でとらえています。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

社会的不利は、ICIDH(国際障害分類)の構成要素です。

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

活動とは、個人によって課題や行為を遂行することです。

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

環境因子は、生活するうえでの物理的・社会的な環境を指します。仲間は環境因子に該当します。

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

個人因子は、現在まで経験や教育など個人によるものをいいます。住居は環境因子に該当します。

まとめ

全ての人に関する分類である国際生活機能分類(ICF)の健康観について、国際障害分類(ICIDH)との違いに注意して記憶しましょう。

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02

本設問で挙げられている「国際生活機能分類(ICF)」は2001年にWHOが採択した、生活機能と障害に関する状況を把握する事を目的とした分類の事を言います。

それ以前に活用されていた分類は「国際障害分類(ICIDH)」であり、人の持つマイナス面に着目した分類となっています。

ICFについては頻出問題であり、ICIDHと混同しやすいため、両方の分類の違いを学んでおく事で確実な得点に繋げる事が出来ます。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

✕ 国際生活機能分類(ICF)の対象は全ての人となっています。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

✕ 「社会的不利」は国際障害分類(ICIDH)の構成要素の一つです。国際障害分類におけるその他の構成要素は「機能障害」と「能力障害」です。

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

✕ 選択肢の内容は「参加」の説明となっています。

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

〇 選択肢の通りです。環境因子は、その人を取り巻く人的、物理的要因など全てを指します。

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

✕ 選択肢の内容は「環境因子」の一つです。個人因子は、価値観や生活歴など、その人の個性を形成する全ての要因を指します

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03

正解は「仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。」です。

「国際生活機能分類(ICF)」は2001年5月にWHOが採択しました。

前身である国際障害分類(ICIDH)とは異なり「全ての人に関する分類」である点を覚えておきましょう。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

❌ 対象は全ての人である点が大きな特徴です。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

❌ 「社会的不利」は前身である国際障害分類(ICIDH)の構成要素の一つです。

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

❌ 「活動」とは、生活上の具体的な行為のことです。

生活・人生場面への関わりは「参加」です。

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

⭕️ 「環境因子」は物的な環境以外にも、家族、友人、仕事上の仲間などの人的な要因も含まれています。

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

❌ 住居は物的な環境なので「環境因子」に含まれます。

個人因子」は、年齢、性別、民族、生活歴、価値観などのその人固有の特徴です。

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04

国際生活機能分類(ICF)は頻出問題ですが、割とシンプルな仕組みです。

特長といくつかのキーワードを確実に抑えておきましょう。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

解答:

対象は「すべての人」です。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

解答:

ICFの構成要素は、以下の2つから構成されています。

生活機能:心身機能・身体構造、活動、参加

背景因子:環境因子、個人因子

※「社会的不利」はICIDH(国際障害分類)の構成要素です

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

解答:

生活する上で、生きていくために役立つ行為」です。

日常生活動作(ADL)歩行や食事、起居動作など

手段的日常生活動作(IADL)仕事や家事、趣味など

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

解答:

環境因子とは、個人の環境(健康や生活機能)に対して、社会的・物理的・人的な影響を与える外的要因を指します。

例:制度やサービス、公共交通機関、建物、家族、友人など

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

解答:

個人因子とは、個人の属性や特性などの内的要因を指します。

例:年齢、性別、学歴、職業など

まとめ

ICFは、すべての人の健康や生活機能をプラス面から評価する枠組みであることを理解しましょう。

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05

ICFは、1980年に世界保健機関(WHO)において、国際疾病分類(ICD)の補助として発表されました。2001年5月、WHO総会において採択され、世界中でその考え方が活用されています。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

障害のある人に限らず、全ての人が対象です。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

「社会的不利」は国際障害分類(ICIDH)における構成要素で、ICFにはありません。

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

「活動」とは、生活動作や家事など実際に行われる行動を指します。

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

仕事上の仲間は「環境因子」の一つです。「環境因子」は物的環境・人的環境・社会的環境を指します。

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

そのひとの住居は物的環境のため、「環境因子」に分類されます。

まとめ

ICFは「健康状態」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」の視点で全体像を把握する際に用いられる考え方です。重要な項目なので、ICFの生活機能モデルの表がすぐに頭に思い浮かぶようにしておきましょう。

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06

ICF(国際生活機能分類)とは、2001年に世界保健機関(WHO)によって採択されました。前身のICIDHの違いも併せておさえておきましょう。

選択肢1. 対象は障害のある人に限定されている。

不適切です。全ての人を対象としています。

選択肢2. 「社会的不利」はICFの構成要素の一つである。

不適切です。「社会的不利」は前身のICIDHの一つでした。

選択肢3. 「活動」とは、生活・人生場面への関わりのことである。

不適切です。「活動」とは、課題や行為に対して遂行することです。記述内容は、「参加」についてです。

選択肢4. 仕事上の仲間は「環境因子」の一つである。

適切です。その人にとっての周りの人は「環境因子」の一つです。

選択肢5. その人の住居は「個人因子」の一つである。

不適切です。「住居」は「環境因子」の一つです。

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