社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
人体の構造と機能及び疾病 問6
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 人体の構造と機能及び疾病 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、Aさんの症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(55歳)は、出勤途中に突然歩けなくなり、救急病院に運ばれた。脳梗塞と診断され、治療とリハビリテーションを受けたが、左の上下肢に運動麻痺(まひ)が残った。左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい。歩行障害があり、室内は杖(つえ)歩行又は伝い歩きをしている。呂律が回らないことがあるが、会話、読み書き、計算は可能である。食事は右手で箸を持って問題なく食べることができる。尿便意はあるが、自分でトイレに行くのが難しいため、間に合わず失禁することがある。
〔事例〕
Aさん(55歳)は、出勤途中に突然歩けなくなり、救急病院に運ばれた。脳梗塞と診断され、治療とリハビリテーションを受けたが、左の上下肢に運動麻痺(まひ)が残った。左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい。歩行障害があり、室内は杖(つえ)歩行又は伝い歩きをしている。呂律が回らないことがあるが、会話、読み書き、計算は可能である。食事は右手で箸を持って問題なく食べることができる。尿便意はあるが、自分でトイレに行くのが難しいため、間に合わず失禁することがある。
- 失語症
- 対麻痺
- 感覚障害
- 嚥下(えんげ)障害
- 腎臓機能障害
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この過去問の解説 (6件)
01
本設問に登場する「脳梗塞」は、近年患者数が増えており、発症後に後遺症が残りやすい病気です。そのため、発症後に生活状況が変化する事も少なくなく、支援が必要になる事も多いです。
✕ 失語症は「聞いたことが理解できない」「文字を読む、書く事が出来ない」「伝えたい事が適切な言葉として出せない」などの症状の事を言います。脳梗塞の後遺症として、失語症は見られる症状ではありますが、Aさんは読み書きや計算が出来ているため、失語症の症状とは言えません。
✕ 対麻痺とは、体の両側が麻痺する事を言います。Aさんは左上下肢に運動麻痺が残ったとされており、対麻痺ではなく片麻痺の症状があると言えます。
〇 感覚障害は感覚麻痺とも呼ばれ、体の外からの様々な刺激に対して脳が正しく認識できず、刺激に対して感じ方が鈍くなったり、刺激を感じる事が出来なくなる事を言います。本事例において、Aさんは左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくいとされており、感覚障害の症状が見られていると言えます。
✕ 嚥下障害とは、食べ物や飲み物を摂る時に、物がつかえたり、飲み込む力が弱くなる事によって、食物を適切に胃に運ぶ事が出来ず、間違って肺に入るなどの症状の事を言います。本事例において、Aさんは食事を問題なく食べる事が出来ているため、嚥下障害であるとは言えません。
✕ 腎臓機能障害では、食欲減退や尿量の減少などが見られます。本事例において、Aさんは食事を問題なく摂取できており、排尿量の問題も見られていません。よって、腎臓機能障害を起こしている様子は見られていません。
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02
脳梗塞の後遺症に関する事例問題です。脳梗塞の後遺症に発現する症状、疾患について整理しておきましょう。
会話は可能であることから失語症との症状とは違うと思われます。
感覚障害は脳の障害が起きた反対側の部位に症状が現れます。
脳梗塞と診断され、上下肢の運動麻痺、片側の感覚が鈍く、歩行障害の症状があることから感覚障害と思われます。
食事ができていることから、嚥下障害はないと思われます。
腎機能障害とは、腎機能が低下している状態を言います。腎臓が悪いと、脳梗塞で日常生活にも支障がでてきますが、その症状が見受けられません。
脳梗塞の後遺症についてこの事例を通して正確に記憶しておきましょう。
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03
正解は「感覚障害」です。
脳梗塞の後遺症として主に、運動麻痺(障害)、構音障害、嚥下障害などの機能障害があります。事例から、Aさんが発症している症状を読み取りましょう。
❌ 失語症は、「聞く」「話す」「書く」「読む」のような言語の働きが困難になります。
Aさんは会話、読み書きが可能であるため、当てはまりません。
❌ 対麻痺は、両下肢のみの運動麻痺がある状態です。
⭕️ 感覚障害とは、触覚や痛覚などの感覚鈍麻、筋力低下など運動感覚の失調です。
Aさんは「左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい。」ため、感覚障害です。
❌ 嚥下障害とは飲食物を飲み込む際に、のどや胸につかえ感、不快感などがあって飲み込みにくいことです。
❌ 腎機能障害による症状は、吐き気、むくみ、だるさなどです。
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04
文章の中からAさんの症状として挙げられている部分を適切に読み取ることで、正解を導き出すことができます。
解答:✕
失語症は、「聞く」「話す」「読む」「書く」の言葉を操る能力の障害と覚えましょう。
「会話、読み書きは可能である」と書かれているため、失語症には該当しません。
解答:✕
対麻痺は、両下肢の麻痺と覚えましょう。
「左の上下肢に運動麻痺(まひ)が残った」と書かれているため、対麻痺には該当しません。
解答:〇
感覚障害は、感覚が正常に機能していない状態と覚えましょう。
「左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい」と書かれており、感覚障害に該当します。
解答:✕
嚥下障害は、うまく食べられない、飲み込めない状態と覚えましょう。
「食事は右手で箸を持って問題なく食べることができる」と書かれているため、嚥下障害には該当しません。
解答:✕
腎臓機能障害は、尿の異常、むくみ、貧血、吐き気などを覚えておきましょう。
今回のAさんの事例には上記に該当する症状がないため、腎臓機能障害は該当しません。
冒頭でも解説しましたが、事例は症状を適切に読み取ることが重要です。
過去問や模擬試験などで多くの事例問題を解き、速くかつ的確にキーワードを探すスキルを身に付けましょう。
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05
脳梗塞による症状の中でも、事例を読んでAさんに何が起きているかを問われています。選択肢に出てくる用語を覚えておくこと、事例をしっかり読むことで解くことができます。
不適切です。「会話、読み書き、計算は可能である」とあるので、失語症ではないことがわかります。
不適切です。対麻痺とは、両下肢の麻痺のことです。「左の上下肢に運動麻痺が残った」とありますので、片麻痺の症状があると考えられます。
適切です。「左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい」とありますので、感覚障害があると考えられます。
不適切です。「問題なく食べることができる」とありますので、嚥下障害はないことが分かります。
不適切です。「脳梗塞と診断され」とあり、腎臓機能については言及がありませんので、違うことが分かります。
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06
脳梗塞は発症後に後遺症が残りやすく、要介護状態になるリスクが高い疾患です。梗塞した部位によって生じる後遺症の違いや脳梗塞の予防方法などについても、合わせて押さえておきましょう。
失語症は、話す・聞く・読む・書くなどの言葉に関する理解が困難になる症状です。事例では会話や読み書きができると説明されているため、該当しません。
対麻痺とは、上肢または下肢の両側に麻痺が生じる症状です。事例では左上下肢麻痺と記載されており、このような症状は片麻痺と呼ばれています。
事例にて「左足の感覚が鈍く、足が床についているかどうか分かりにくい」と記載されており、これが感覚障害に該当します。左足の接地感覚が鈍いため歩きづらさに影響し、歩行障害を併発する原因になります。
梗塞した部位によっては嚥下障害が残る患者がいるのも事実です。しかしこの事例では「食事は問題なくできている」と説明されているため、該当しません。
脳梗塞は主に運動機能や認知機能に影響を及ぼします。当事例で本氏に生じている尿失禁は歩行能力の低下によってトイレに間に合わない「機能性尿失禁」であることから、腎機能障害とは関係ありません。
脳梗塞や脳出血によって生じる後遺症は、傷害された部位によって異なります。大まかな傾向はあるものの個人差が強いので、固定観念にとらわれないようにしましょう。素直に事例を読んで、記載されている情報から回答を導いてください。
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