社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
心理学理論と心理的支援 問1

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 心理学理論と心理的支援 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、内発的動機づけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。
  • 叱責されないように、勉強に取り掛かった。
  • 授業中、寒いので、窓を閉めた。
  • お腹が減ったので、席を立って食事に行った。
  • 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

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この過去問の解説 (6件)

01

内発的動機づけとは、内面に沸き起こった興味や関心、意欲に動機づけされている状態を指しています。外発的動機づけは、金銭や名誉など外から与えられる外的な報酬に基づかないものを指しています。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

英語外部検定を受験することは、大学の入試要件である賞罰があるため外発的動機づけにあたります。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

叱責という賞罰のため外発的動機づけにあたります。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

寒いというのは生命に関するものなので生理的欲求にあたります。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

お腹が減るのも生命にかかわるものなので生理的欲求にあたります。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

投資の勉強は、投資そのものに興味を持ったためであり、内発的動機づけにあたります。

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02

本設問で問われている「内発的動機づけ」とは、物事に対する興味や関心、探求心など、自分自身の内面から湧き出す気持ちによって引き出される行動の事を言います。

それに対して「外発的動機づけ」とは、行動をしない事で生じる罰を避けるために行ったり、目的を達成するために行う行動の事を言います。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

✕ 選択肢の内容は、大学入試を受けるために英語外部検定の受検が条件となっているために行われる行動なので、外発的動機づけに基づいた行動です。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

✕ 選択肢の内容は、叱責という罰を避けるために勉強を行っているため、外発的動機づけに基づいた行動です。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

✕ 選択肢の内容は、本人の生理的欲求を満たすための自然に起こした行動であり、内発的動機づけに伴う行動ではありません。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

✕ 選択肢の内容は、本人の生理的欲求を満たすための自然に起こした行動であり、内発的動機づけに伴う行動ではありません。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

〇 自分自身の興味に基づく行動のため、内発的動機づけに基づいた行動と言えます。

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03

正解は「投資に偶然興味を持ったので、勉強した」です。

内発的動機づけとは、人の内面的な要因で

外発的動機づけとは、外部からの働きかけが要因です。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

❌ 「大学入試の要件となっている」ことが要因であるため、外発的動機づけです。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

❌ 「叱責」という賞罰から逃れることが要因であるため、外発的動機づけです。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

❌ 「寒さ」から自分を守ることが要因であるため、外発的動機づけです。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

❌ 「お腹が減った」という生理的現象が要因であるため、外発的動機づけです。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

⭕️ 投資に興味を持つという人の内面的な要因であるため、内発的動機づけです。

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04

内発的動機づけとは、自己の内側から沸き上がる興味や関心、好奇心などの欲求によって動機づけられることです。

注目するポイントは、①理由が「外 or 内」のどちらにあるのか、②(理由が内側にある場合)行動は「興味・関心 or 生理的」のどちらなのかです。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

解答:

①理由:大学入試のため

②行動:英検を受験する

英検を受験するという行動は、大学入試に必要であるという外的な理由のため、不正解です。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

解答:

①理由:叱責されないため

②行動:勉強する

勉強するという行動は、叱責されないようにという外的な理由のため、不正解です。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

解答:

①理由:寒いため

②行動:窓を閉める

窓を閉めるという行動は、寒いという外的な理由のため、不正解です。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

解答:

①理由:お腹が減ったため

②行動:食事に行った

お腹が減ったのは内的な理由ですが、食事に行くことは生理的欲求を満たすための行動であるため、不正解です。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

解答:

①理由:投資に興味を持った

②行動:勉強した

投資に興味を持って勉強したことは、内的な理由、かつ、興味を持ったうえでの行動のため、正解です。

まとめ

内発的動機づけ、および、外発的動機づけはシンプルですが、問題では文章を複雑にして、不正解へと誘導してきます。

そのため、一度選択肢をシンプルに分解して考えることによって正解が見えてきます。

参考になった数11

05

内発的動機づけとは、自分自身がそれをすることが楽しいといった動機がある状態のことです。選択肢をよく読み、自分の動機なのか、環境といった外部からなのかを読み取りましょう。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

不適切です。「大学の入試の要件」とあるので、自分の意欲ではないことがわかります。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

不適切です。相手に「叱責されないように」とあるので、自分の意欲ではないことがわかります。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

不適切です。「寒い」ということは周りの環境であり、自分の意欲ではありません。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

不適切です。「お腹が減った」ということは、自分の意欲ではありません。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

適切です。「興味を持った」とありますので、自分の意欲であることがわかります。

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06

正答:⑤

内発的動機づけと外発的動機づけの違いを整理しておきましょう。

選択肢1. 大学の入試の要件となっているため、英語外部検定を受検した。

解答:✕

英語外部検定を受けた理由は、大学入試の要件となっているから。つまり、自分から自発的に受けたものではありません。

選択肢2. 叱責されないように、勉強に取り掛かった。

解答:✕

叱責から逃れるために勉強に着手しているので、自分から自発的に受けたものとは言えません。

選択肢3. 授業中、寒いので、窓を閉めた。

解答:✕

「寒い」という不快から逃れるための行動ですので、自発的な行動とは言えません。

選択肢4. お腹が減ったので、席を立って食事に行った。

解答:✕

空腹感から逃れるため、または満腹感を得るための行動です。自発的な行動とは言えません。

選択肢5. 投資に偶然興味を持ったので、勉強した。

解答:◯

興味を持った投資のことをもっと知りたいと考え、自発的に勉強を始めています。よって、内発的動機づけと解釈できます。

まとめ

内発的動機づけ=自分の意志によって行われるもの、外発的動機づけ=報酬、叱責、周辺環境などの「自分の自発的な意思」以外の理由で行われるもの と分類できます。違いを自分なりの言葉で整理できるようにしておきましょう。 

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