社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
心理学理論と心理的支援 問3
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 心理学理論と心理的支援 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
集団における行動に関する次の記述のうち、傍観者効果の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 作業をするときに見学者がいることで、一人で行うよりも作業がはかどった。
- 革新的な提案をチームで議論したが、現状を維持して様子を見ようという結論になってしまった。
- 路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが、誰も手助けしようとしなかった。
- チームで倉庫の片付けに取り組んだが、一人ひとりが少しずつ手抜きをした結果、時間までに作業が完了せず、残業になってしまった。
- リーダーがチームの目標達成を重視しすぎることで、チームの友好的な雰囲気が損なわれ、チームワークに関心がないメンバーが増えてしまった。
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この過去問の解説 (6件)
01
傍観者効果とは集団心理の一つであり、事件などが起こった時に、自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさなくなる心理を指しています。
作業をするときに見学者がいることで、一人で行うよりも作業がはかどることは、社会的促進にあたります。
革新的な提案をチームで議論したが、現状を維持して様子を見ようという結論になってしまうのは、集団思考のうちのコーシャスシフトにあたります。
周りに人がいると手助けしなくなることは傍観者効果にあたります。
一人ひとりが少しずつ手抜きをすることは社会的手抜きにあたります。人数が多いときには、誰か一人ひとりが力を出さなくてもわからないため、社会的手抜きが生じます。
本来の目的が失われ集団が機能しなくなることは逆機能にあたります。
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02
傍観者効果とは、助けを必要としている人が目の前にいるのに、周りにたくさんの人がいる事で自発的に助けようという気持ちが生まれず、支援行動に繋がらない状況の事を言います。傍観者が多いほど、支援行動を起こす人が少なくなる事が特徴と言えます。
✕ 選択肢の内容は、他者の注目に対して期待に応えようとする心理が働く事で作業効率が上がるという「ホーソン効果」の説明となっています。
✕ 選択肢の内容は、変化して得られる得よりも、現状維持を好む心理の事を言う「現状維持バイアス」の説明となっています。
〇 傍観者効果の正しい説明となっています。
✕ 選択肢の内容は、一つの仕事を行う際に、一緒に仕事を行う人が多ければ多いほど手を抜く人が増えるという「リンゲルマン効果」の説明となっています。
✕ 選択肢の内容は、集団のリーダーが取る行動として、「目標達成機能」を重視するか「集団維持機能」を重視するかに着目した「PM理論」の一つである「Pm型」の説明となっています。
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03
正解は「路上でケガをしたために援助を必要とする人の周囲に大勢の人が集まったが、誰も手助けしようとしなかった。」です。
傍観者効果とは、援助が必要な場面で、自分以外の他者がいることによって必要な援助行動が躊躇されることです。
❌ 他者に見られていることで、作業がよりはかどる「ホーソン効果」です。
❌ 集団思考として、より安全な方へ偏ることを「コーシャスシフト」といいます。
⭕️ 「傍観者効果」の説明です。
❌ 集団の中で「自分くらいは手を抜いても良いだろう」と一人ひとりが考え、起こる現象は「社会的手抜き」です。
❌ 「PM理論」における4タイプのリーダー像のうち、「成果重視のリーダー」についての説明です。
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04
試験では用意されている選択肢を複雑にすることによって、不正解に誘導する意図があります。選択肢をシンプルに捉えることが重要です。
傍観者効果=多くの人がいることで傍観者となり、率先して行動を起こしにくくなること
解答:✕
「見学者がいる→作業効率が上がる」はホーソン効果となります。
解答:✕
「革新的な提案→現状維持」はコーシャスシフトです。
解答:〇
「大勢の人がいる→誰も助けない」は傍観者効果です。
解答:✕
「人手が多い→手を抜く」は社会的手抜きです。
解答:✕
「目標達成を重視→チームがバラバラになる」はPM理論のPm型です。
Pm型…目標達成行動(P)は得意であるものの、集団維持機能(M)は苦手である。
社会福祉士国家試験では多くの科目を勉強する必要があるため、心理学のすべての知識を理解することは難しいです。
しかし、一般知識と文章を適切に読み取るスキルがあることで補える問題は多々あります。
試験勉強するのと並行して問題に慣れていきましょう。
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05
正答:③
傍観者効果とは、不特定多数の人物がとある場面に直面した時、「誰かが行動するだろう」と考えて結果的に誰も行動しない状況のことを言います。
解答:×
傍観=見学と結びつけようとする引っかけ選択肢です。
解答:×
己のこととして議論し、その結果の総意として革新的行動を避ける結論を得ているため、傍観者効果とは異なります。
解答:〇
人がたくさんいるのに誰も手助けしけしようとしなかったのは、「誰かが動くだろう」と考えた結果であるため、傍観者効果に該当します。
解答:×
手は抜いたものの、チームのメンバーがそれぞれ作業完了に向かって行動していますので、傍観者効果とは言えません。
解答:×
PM理論における成果重視型が引き起こした悪影響に関する説明で、傍観者理論とは異なります。
この設問は、傍観者理論に関する典型的な事例です。これをベースに傍観者理論について押さえておくとよいでしょう。社会福祉士の試験は範囲が非常に広いので、この問題のように感覚でイメージできるような語句については軽く抑える程度にするなど、メリハリのある学習が合格のポイントです。
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06
傍観者効果とは、自分以外にも参加者がいる集団の場において、傍観者の立場となり、自ら行動を起こさなくなることです。
不適切です。自分が作業していることからも、傍観者効果の事例ではないことがわかります。
不適切です。「現状を維持して様子を見ようという結論」が出ていることからも、傍観者効果の事例ではないことがわかります。
適切です。傍観者効果の事例です。
不適切です。傍観者の立場となっている記述はありません。
不適切です。傍観者の立場となっている記述はありません。
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