社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
心理学理論と心理的支援 問4

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 心理学理論と心理的支援 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

子どもの発達に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。
  • 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。
  • 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。
  • アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。
  • 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

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この過去問の解説 (6件)

01

本設問は、子どもの発達段階において現れる特徴を問う問題です。子どもの発達に関しては、ピアジェの認知発達の4段階、エリクソンの8つの段階をまとめた発達段階説が有名です。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

共同注意行動とは、養育者が指す物を乳幼児も見ることをいいます。共同注意は、他者と自分の2つの関係から、対象物が加わった3つの関係に展開する契機となります。

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

喃(なん)語を発するのは6か月位からで、初語を発するのは1歳位になってからです。

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

社会的参照は、新しい対象に出会った際に養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象をいいます。

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

アニミズムとは、生物以外にも生命があることを考えることです。

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

対象の永続性は、0歳から2歳の運動感覚期に獲得します。

参考になった数96

02

子どもの発達については、エリクソンやピアジェの理論によって説明される事が多いです。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

✕ 共同注意とは、他者が注目している人やモノに対して幼児自身も注目する行為の事を言います。

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

✕ 喃語とは「あー」「うー」など、その言葉自体に意味を持たない言葉の事を言います。喃語は生後5~6か月頃に見られはじめる言語です。

対して初語とは「わんわん=犬」「ブーブー=車」のように意味を持つ言葉であり、一語文とも呼ばれます。初語は1歳前後から見られ始めるため、喃語の後に獲得する能力です。

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

〇 選択肢の通りです。選択肢の内容はキャンポスによって提唱された理論です。乳児が新しい物や事象に出会った時、養護者などの表情が安心できるものであれば安心し、不安を感じている表情をすれば同様に不安を感じるという現象の事を言います。

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

✕ アニミズムとは全ての物(物体)に人間と同じ魂が宿っているという考えの事を言います。乳幼児が人間と同様にぬいぐるみなどに話しかけたりする事も、アニミズム的思考に基づく行動と言えます。

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

✕ 対象の永続性の理解は生後6か月頃に獲得する能力です。

参考になった数47

03

子どもの発達に関する問題は頻出傾向が高いので要チェックです。

ピアジェの4つの発達段階とエリクソンの8つの発達段階を頭の中でしっかり整理しましょう。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

解答:

共同注意とは、他者と同じものに注意を向けることです。

年齢:生後9か月~11か月頃

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

解答:

喃語から初語となります。

年齢:喃語…生後5か月~6か月、初語…1歳頃

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

解答:

社会的参照とは、親の反応を参考にして判断を行うことです。

年齢:生後9か月~12か月頃

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

解答:

アニミズムとは、すべてのものに生命があるという考え方です。

年齢:2歳~7歳頃

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

解答:

年齢:生後6か月頃

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04

子どもの発達段階について問われることは多いです。提唱した学者の名前もおさえておくようにしましょう。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

不適切です。共同注意とは、親など他者が注目していることに子どもも一緒に注目することを指します。

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

不適切です。喃語とは「あ~」といった発声のことを指し、喃語の後に初語があります。

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

適切です。記述の通りです。

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

不適切です。アニミズムとは、あらゆる物に霊魂や精霊が存在していると信じられていることです。

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

不適切です。生後6~10ヶ月頃に理解できるようになると言われています。

参考になった数6

05

正解は「社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。」です。

子どもの発達は、ピアジェの認知発達の4段階エリクソンの8つの段階を覚えておきましょう。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

❌ 共同注意とは生後9カ月頃から現れます。乳幼児が養育者と同じ人や物を見て指差しなどで注目することです。

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

❌ 喃語生後5・6ヶ月頃に「あー」「うー」と意味を持たない言葉を発することです。

初語(一語文)一歳頃に「ママ」「わんわん」と意味を持つ言葉を発することです。

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

⭕️ 「社会的参照」の説明です。

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

❌ 「アニミズム」とは、人間以外の生物、木や石など、すべてに魂が宿っているという思想のことです。

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

❌ 生後6か月頃に理解します。

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06

正答:③

この問題は、子供の発達段階に関する問題です。「ピアジェの認知発達の4段階」、「エリクソンの8つの段階」をもとに問われることが多くなっています。

選択肢1. 共同注意とは、他者との友情を構築することを示す。

解答:×

共同注意とは、保護者が見ている(指している)ものを乳幼児もそれに合わせて注目することを言います。

選択肢2. 初語を発する時期になると、喃語(なんご)が生起する。

解答:×

初語とは、乳児が初めて発する意味のある言葉を言います。喃語は、「ばばば」「だだだ」など意味がない(または意味を理解できない)言葉を言います。喃語は生後6ヶ月頃より、初語は生後1年頃からみられるようになると言われています。

選択肢3. 社会的参照は、新奇な対象に会った際に、養育者などの表情を手掛かりにして行動を決める現象である。

解答:〇

設問の通りです。このまま覚えておきましょう。

選択肢4. アニミズムとは、自分や他者の行動を予測し、説明する力を指す。

解答:×

アニミズムとは、すべての物に生命(魂)があると考えることを言います。ペットやぬいぐるみなどに話しかけるのも、これに基づいた行動と考えられます。

選択肢5. 物体が隠れていても存在し続けるという「対象の永続性」は、3歳以降に理解できるようになる。

解答:×

「対象の永続性」を理解できるようになるのは、生後6ヶ月頃とされています。

まとめ

子供の発達段階を説明する「ピアジェの認知発達の4段階」、「エリクソンの8つの段階」の2つの理論についてしっかり勉強しておきましょう。子育てを経験した受験生であれば、ご自身の経験に当てはめて考えると覚えやすいです。

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