社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
心理学理論と心理的支援 問5
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 心理学理論と心理的支援 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、問題焦点型ストレス対処法(コーピング)の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 介護ストレスを解消してもらおうと、介護者に気晴らしを勧めた。
- 困難事例に対応できなかったので、専門書を読んで解決方法を勉強した。
- 仕事がうまくはかどらなかったので、週末は映画を観てリラックスした。
- 育児に悩む母親が、友人に話を聞いてもらえて気分がすっきりしたと話した。
- 面接がうまくいかなかったので、職場の同僚に相談し、ねぎらってもらった。
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この過去問の解説 (6件)
01
コーピングとはストレスに対処するための行動のことを言います。コーピングには、ストレスを引き起こしている状態や環境を変えていこうとする「問題焦点型コーピング」と、ストレスを感じないようにする「情動焦点型コーピング」の2つがあります。
気晴らしは「情動焦点型コーピング」にあたります。
専門書を読んで解決方法を勉強することは、困難事例に対応できなかったというストレスを引き起こしている状態を変えるために行うので「問題焦点型コーピング」にあたります。
映画を観てリラックスするのは、ストレスを感じないようにするものなので「情動焦点型コーピング」にあたります。
話を聞いてもらってすっきりするのは「情動焦点型コーピング」にあたります。
相談してアドバイスしてもらうのは「問題焦点型コーピング」ですが、ねぎらってもらっているだけなので「情動焦点型コーピング」にあたります。
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02
本設問に登場する「コーピング」は大きく2つに大別されます。その詳細は以下の通りです。
①問題焦点型:ストレスの原因となっている事柄そのものに働きかける事で、ストレス状態から抜け出そうとするアプローチ方法の事を言います。
②情動焦点型:ストレスの原因となっている物事を問題と捉えている人の感情に働きかけ、ストレスの原因となっている物事の捉え方を変える事でストレスの軽減を図るアプローチ方法の事を言います。
✕ 選択肢の内容は「情動焦点型」のストレス対処方法です。
〇 選択肢の内容は「問題焦点型」のストレス対処方法です。
✕ 選択肢の内容は「情動焦点型」のストレス対処方法です。
✕ 選択肢の内容は「情動焦点型」のストレス対処方法です。
✕ 選択肢の内容は「情動焦点型」のストレス対処方法です。
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03
正解は「困難事例に対応できなかったので、専門書を読んで解決方法を勉強した。」です。
問題焦点型ストレス対処法は、「努力や周囲の協力で解決していく」対処で
情動焦点型ストレス対処法は、「ストレスへの考え方や感じ方を変えていく」対処です。
❌ 気晴らしは情動焦点型ストレス対処法です。
⭕️ 解決方法を勉強することは問題焦点型ストレス対処法です。
❌ リラックスすることは情動焦点型ストレス対処法です。
❌ 気分がすっきりしたことは、情動焦点型ストレス対処法です。
❌ 具体的な解決方法を聞いておらず、労ってもらったということは、情動焦点型ストレス対処法です。
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04
正答:②
問題焦点型ストレス対処法は、ストレスの原因を元から絶とうとする考え方です。
解答:✕
気晴らしではストレスを元から断つことができないので、✕です。
解答:◯
困難事例というストレスを根本的に解決するための行動を取っているので、問題焦点型ストレス対処法に該当します。
解答:✕
映画でリラックスする行動は気晴らしと同義であるため、✕です。
解答:✕
友人に悩みを話す行動は根本的な問題解決には繋がらないため、✕です。
解答:✕
他者に相談する行動は根本的な問題解決には繋がらないため、✕です。
【問題焦点型ストレス対処法】に対し、「一時的なストレス解消法」や「ストレスに対する考え方や捉え方を変える」などの方法を【情動焦点型ストレス対処法】といいます。根本的な課題解決or感情面での解決という違いなので、よく整理しておきましょう。
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05
「問題焦点型コーピング」とは、ストレスとなったことに対して自分で働きかける方法で、「情動焦点型コーピング」とは、主に「リフレッシュ」といった気分を変えることを指します。
不適切です。「気晴らし」は、「情動焦点型コーピング」です。
適切です。ストレスとなった「困難事例に対応できなかった」ことに対して、具体的に解決しようとしているので適切です。
不適切です。「リラックスした」とありますので、「情動焦点型コーピング」です。
不適切です。「すっきりした」とありますので、「情動焦点型コーピング」です。
不適切です。「ねぎらってもらった」とありますので、「情動焦点型コーピング」です。
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06
コーピングには、問題焦点型と情動焦点型の2種類あります。
選択肢をシンプルに捉え、問題解決または感情のどちらなのかを当てはめて解いていきましょう。
解答:✕
「気晴らし」は感情によるストレス対処(情動焦点型)です。
解答:〇
「専門書を読む」は問題解決によるストレス対処(問題焦点型)です。
解答:✕
「映画を観てリラックス」は感情によるストレス対処(情動焦点型)です。
解答:✕
「話を聞いてもらって気分がすっきり」は感情によるストレス対処(情動焦点型)です。
解答:✕
「相談してねぎらってもらう」は感情によるストレス対処(情動焦点型)です。
試験では選択肢を複雑にし、誤答を誘発させる意図があり、また、本番では張り詰めた空気感や緊張のため、いつもどおりに思考が働かず、学習してきた内容でも誤りである選択肢が正解に見えてしまうことがあります。
また、悩んだ末に確実に正解を選べることができれば最善ですが、悩めば悩むほど正解に見えてきてしまう場合があり、これは最悪のケースです。
本設問では、選択肢の内容をシンプルに捉え、どちらの型に当てはまるのかを考えましょう。
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