社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
社会理論と社会システム 問1
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 社会理論と社会システム 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、ヴェーバー(Weber, M.)の合法的支配における法の位置づけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。
- 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。
- 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。
- 法は、神意や事物の本性によって導き出される。
- 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。
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この過去問の解説 (6件)
01
ヴェーバー(Weber,M.)はドイツの社会学者で、正統的支配をカリスマ的支配(予言者、軍事的英雄)、伝統的支配(家長制)、合法的支配(官僚制)の3つの類型に整理しました。
超人的な支配者の権力を貫徹するのはカリスマ的支配における法です。
伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するのは伝統的支配における法です。
支配者の恣意的な判断により定められるのは、伝統的支配もしくはカリスマ的支配における法です。
神意や事物の本性によって導き出されるのは、伝統的支配における法です。
合法的支配とは法秩序のある支配です。支配者も万民も法に従うことになります。支配者も例外ではないとされています。
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02
ヴェーバーは、社会の支配形態を3つの形態(支配の3類型)として提唱しました。その形態の一つとして、本設問に登場する「合法的支配」が挙げられます。その他の形態としては「伝統的支配」「カリスマ的支配」が挙げられています。
ヴェーバーが提唱した、合法的支配とは定められた規則に従った支配体系の事を言います。
✕ 選択肢の内容は「カリスマ的支配」の説明となっています。
✕ 選択肢の内容は「伝統的支配」の説明となっています。
✕ 不適切です。「恣意的」とは自由気ままであるという意味です。合法的支配とは、定められた秩序や決まりに基づき、支配者も被支配者も行動する事を言うため、正反対の内容です。
✕ 不適切です。合法的支配における法は、定められた手順によって導き出される事になります。神意や事物の本性によって導き出されるものではありません。
〇 選択肢の通りです。合法的支配においては被支配者だけではなく、支配者も法を守る必要があります。
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03
ウェーバー,M.の支配の三類型のうちの合法的支配とは、社会秩序を維持するために法律によって定められた規律に対して服従することを意味します。
選択肢の内容が合法的であるかないかを軸にして考えていきましょう。
解答:✕
超人的な支配者の権力を貫き通し、被支配者を服従させることは、カリスマ的(独裁)支配です。
解答:✕
伝統的に継承されてきた支配体制を正当化することは、選択肢のとおり伝統的支配です。
解答:✕
支配者の恣意的(自分勝手)な判断はカリスマ的(独裁)支配です。
解答:✕
言葉が難しいですが、神意(信仰)や事物(哲学)によって導き出されるのは伝統的支配です。
解答:〇
支配者も万民(被支配者)も平等に服さなければならないのは合法的支配です。
ウェーバー,M.の支配の三類型とは、支配力を持っている対象は何なのかということを考えると覚えやすいです。
伝統的支配…長年にわたって受け継がれたもの(家柄・身分、文化・風習、信仰など)
カリスマ的支配…人(独裁者、教祖など)
合法的支配…規則(法律、規律など)
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04
正解は「法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。」です。
マックス・ヴェーバー(Weber, M.)の「合法的支配」「カリスマ的支配」「伝統的支配」の意味を理解しておきましょう。
❌ 「超人的な支配者」はカリスマ的支配の特徴です。
❌ 伝統的支配の説明です。
❌ 合理的支配において、法が支配者の恣意的な判断で定められることはありません。
❌ 神意や事物の本性によるものは、伝統的支配の特徴です。
⭕️ 合法的支配の説明です。
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05
ヴェーバー(Weber, M.)が3つに類型化した合法的支配・カリスマ的支配・伝統的支配の中でも合法的支配について問われています。それぞれの特徴をおさえておきましょう。
不適切です。記述内容は、カリスマ的支配に関することと捉えることができます。
不適切です。記述内容は、伝統的支配に関することと捉えることができます。
不適切です。記述内容は、カリスマ的支配に関することと捉えることができます。
不適切です。記述内容は、伝統的支配に関することと捉えることができます。
適切です。記述の通りです。
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06
解答:⑤
ヴェーバーは社会における支配を3類型に整理しました。合法的支配とはその一つで、官僚制とも言います。日本は合法的支配によって統治されています。
正答:✕
設問はカリスマ的支配(予言者、軍事的英雄)の説明です。例えば複数名が集団で遭難した際に、自然と行動力や決断力がある者がリーダーとして行動するようになるのがこれに該当します。
正答:✕
設問は、伝統的支配(家長制)の解説です。王政がこれに該当します。
正答:✕
法が恣意的な判断により定められるという状況は、一般的に合議体によって方針決定される合法的支配の場合は当てはまりません。伝統的支配や、カリスマ的支配の場合は首長の一存で物事が変わることがあります。
正答:✕
選択肢3と同様です。合法的支配の場合、あらかじめ定められた方法や手順で法が決まります。
正答:✕
設問のとおりです。支配者も自ら方を守る必要があるのが合法的支配です。
ヴェーバーが提唱したカリスマ的支配・伝統的支配・合法的支配の3類型は、それぞれ学習の中でご自身がイメージするグループ(例えばカリスマ的支配ならRPGによくある魔王、伝統的支配なら絶対王政、合法的支配なら日本やアメリカような議会をもつ国)で押さえるようにすると覚えやすいのではないでしょうか。
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