社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問4

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この過去問の解説 (3件)

01

生活扶助基準の設定方式は変遷を辿って現在に至っています。記述内容をよく読むことで、間違いが見つけることができます。

選択肢1. 標準生計費方式とは、現行の生活保護法の下で、栄養審議会の答申に基づく栄養所要量を満たし得る食品を理論的に積み上げて最低生活費を計算する方式である。

不適切です。記述は、エンゲル方式についてです。

選択肢2. マーケット・バスケット方式とは、最低生活を営むために必要な個々の費目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出する方式である。

適切です。記述の通りです。

選択肢3. エンゲル方式とは、旧生活保護法の下で、経済安定本部が定めた世帯人員別の標準生計費を基に算出し、生活扶助基準とした方式である。

不適切です。記述は、標準生計費方式についてです。

選択肢4. 格差縮小方式とは、一般国民の消費水準の伸び率を超えない範囲で生活扶助基準を引き上げる方式である。

不適切です。「伸び率を超えない」ではなく、「伸び率以上に」引き上げる方式です。

選択肢5. 水準均衡方式とは、最低生活の水準を絶対的なものとして設定する方式である。

不適切です。「絶対的」ではなく「相対的」なものとして設定します。

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02

生活保護の基準を決定するための方式は、時代によって異なります。それらの違いについて理解しておく事で、本設問の正答にたどりつく事が出来ます。

選択肢1. 標準生計費方式とは、現行の生活保護法の下で、栄養審議会の答申に基づく栄養所要量を満たし得る食品を理論的に積み上げて最低生活費を計算する方式である。

✕ 選択肢の内容は「エンゲル方式」の説明となっています。また、標準生計費方式は「旧生活保護法」時代に生活扶助基準を定めるために用いられた方式であり、現行の生活保護法では使用されていません。

選択肢2. マーケット・バスケット方式とは、最低生活を営むために必要な個々の費目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出する方式である。

〇 選択肢の内容の通りです。

選択肢3. エンゲル方式とは、旧生活保護法の下で、経済安定本部が定めた世帯人員別の標準生計費を基に算出し、生活扶助基準とした方式である。

✕ 選択肢の内容は「標準生計費方式」の説明となっています。

選択肢4. 格差縮小方式とは、一般国民の消費水準の伸び率を超えない範囲で生活扶助基準を引き上げる方式である。

✕ 格差縮小方式は、一般国民の消費水準の伸び率以上に生活扶助基準を引き上げる事で、一般世帯との格差をなくそうとする方式の事を言います。

選択肢5. 水準均衡方式とは、最低生活の水準を絶対的なものとして設定する方式である。

✕ 水準均衡方式は、前年度の一般国民の消費実態を把握し、その年度の消費動向を予測した上で生活扶助基準を変更する事を言います。

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03

生活扶助基準には5つの基準があり、それぞれいつ頃の年代に使用されたか、またその算定方法について整理しておきましょう。

選択肢1. 標準生計費方式とは、現行の生活保護法の下で、栄養審議会の答申に基づく栄養所要量を満たし得る食品を理論的に積み上げて最低生活費を計算する方式である。

標準生計費方式は、旧生活保護法で用いられたものです。

選択肢2. マーケット・バスケット方式とは、最低生活を営むために必要な個々の費目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出する方式である。

マーケット・バスケット方式とは、旧生活保護法と現行の生活保護法で用いられたものです。最低生活を営むために必要な個々の費目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出しています。

選択肢3. エンゲル方式とは、旧生活保護法の下で、経済安定本部が定めた世帯人員別の標準生計費を基に算出し、生活扶助基準とした方式である。

エンゲル方式とは、必要な栄養量を満たすことができる食品を理論的に積み上げて最低生活費を計算する方式です。

選択肢4. 格差縮小方式とは、一般国民の消費水準の伸び率を超えない範囲で生活扶助基準を引き上げる方式である。

格差縮小方式とは、一般世帯と被保護世帯の消費水準の格差を縮小する観点から算定する方式です。

選択肢5. 水準均衡方式とは、最低生活の水準を絶対的なものとして設定する方式である。

水準均衡方式とは、現行の生活扶助基準の設定方法です。一般世帯の消費水準と被保護世帯の消費水準における現状の格差を維持する方式です。

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