社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
権利擁護と成年後見制度 問1
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 権利擁護と成年後見制度 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
日本国憲法の基本的人権に関する最高裁判所の判断についての次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 公務員には争議権がある。
- 永住外国人には生活保護法に基づく受給権がある。
- 生活保護費を原資とした貯蓄等の保有が認められることはない。
- 嫡出子と嫡出でない子の法定相続分に差を設けてはならない。
- 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲である。
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この過去問の解説 (3件)
01
日本国憲法の基本的人権に関する主な判例を整理しておきましょう。
公務員に争議行為は禁止されていると判断されています。
生活保護法が永住外国人に適用される根拠がないとの判断が示されています。しかし、生活保護を受給できないわけでなく、生活保護に準じて予算措置により保護を受けることができています。
生活保護の趣旨に合ったものであれば、貯蓄は収入認定する資産には当たらないと判断されています。
民法には非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分の2分の1とする規定があり、違憲の判断がなされています。
夫婦別姓を認めないのは、違憲ではない判断がなされています。
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02
本設問では、過去の判例についての知識を活用する事が求められています。
✕ 争議権とは、労働者が団結し、労働環境の改善などを求めてストライキなどを起こす権利の事を言います。過去の判例で公務員の使用者は国民であり、争議権を行使する事で国民に不利益を与える事から、公務員に争議権は認められないと判断されました。
✕ 最高裁判所の判決で、永住外国人を含めた外国人には受給権はないとされましたが、人道的な観点から条件を満たしている外国人に対しては生活保護の支給がなされています。
✕ 生活保護費を原資とした貯蓄等の保有については、生活保護費の支給目的と合致していると判断された場合、保有が許可されます。
〇 嫡出子とは婚姻中の男女の間に生まれた子の事を言います。対して嫡出でない子(非嫡出子)は婚姻中ではない男女の間に生まれた子の事を指します。過去の判例では、子の権利侵害を防ぐため、嫡出子と非嫡出子の間に法定相続分の差を設ける事は違憲と判断されています。
✕ 夫婦別姓を認めない民法・戸籍法の規定は合憲と判断されています。
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03
日本国憲法に関する最高裁判所の判断について、問われています。近年判断された設問もありますので、普段から新聞等を読んでおくことが大切です。
不適切です。争議行為を禁止することは違反ではないとされています。
不適切です。永住外国人に生活保護法に基づく受給権があるわけではないと判断されています。
不適切です。保有が認められます。
適切です。記述の通りです。
不適切です。違憲ではないとされています。
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