国の行政機関が作成する統計のうち、総務大臣が指定する特に重要な統計である、基幹統計調査は、「統計法」に基づいて実施されています。一般統計調査との違いを整理しておきましょう。
行政機関の長は一定の要件を満たす学術研究などに対して調査票情報を提供することができます。
行政機関の長が基幹統計調査のデータを加工して匿名データを作成する場合は、総務省の統計委員会の意見を聴く必要があります。
個人情報の秘密を漏えいした者には、2年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金に処せられる規定があります。
厚生労働省が実施する社会福祉施設等調査は、一般統計調査にあたります。
一般統計調査は、行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外の調査です。
統計法は「公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることにかんがみ、公的統計の作成及び提供に関し基本となる事項を定めることにより、公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図り、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することを目的」とする法律です。
その内容を概観しておきましょう。
適切です。行政機関の長又は指定独立行政法人等は、統計の作成等又は統計調査その他の統計を作成するための調査に係る名簿の作成するためのほか、一定の要件を満たす学術研究に対して調査票情報を提供することができます（統計法33条）。
適切ではありません。行政機関の長又は指定独立行政法人等は、その行った統計調査に係る調査票情報を加工して、匿名データを作成することができますが、その場合にはあらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならないとされています（統計法35条）。
適切ではありません。統計法では、57条から62条に罰則規定が定められています。個人情報の秘密漏えいに関しては、２年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます（統計法57条）。
適切ではありません。全国の社会福祉施設等の数、入所者、従事者の状況等を把握し、社会福祉行政推進のための基礎資料を得ることを目的として行われます。一般統計調査と分類されます。
適切ではありません。一般統計調査とは、行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外のものをいいます（統計法2条7項）。
統計法について、データを利用する場合の可能範囲や、統計調査の区別について各選択肢を確認していきます。
正解です。
選択肢の説明文の通りです。
不正解です。
統計法第35条に、「行政機関の長又は指定独立行政法人等は、その行った統計調査に係る調査票情報を加工して、匿名データを作成することができる。 ２ 行政機関の長は、前項の規定により基幹統計調査に係る匿名データを作成しようとするときは、あらかじめ、統計委員会の意見を聴かなければならない。」という規定があります。
不正解です。
個人情報の秘密漏洩に関する罰則は「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」と定められています。
不正解です。
厚生労働省が実施する社会福祉施設等調査は一般統計調査です。
不正解です。
一般統計調査とは、行政機関が行う統計調査の内で、基幹統計調査に含まれないものを指します。
正解は「行政機関の長は、一定の要件を満たす学術研究に対して調査票情報を提供することができる。」です。
統計法の目的や調査方法、罰則についても確認しておきましょう。
⭕️ 適切な説明です。
❌ 行政機関の長はあらかじめ、統計委員会の意見を聴くことで基幹統計調査のデータを加工して、匿名データを作成できます。
❌ 個人情報の秘密漏えいに関しては、２年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。他にも57条から62条に罰則規定が定められています。
❌ 厚生労働省が実施する社会福祉施設等調査は、一般統計調査です。
❌ 一般統計調査は、行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外の調査を指します。
