社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
相談援助の基盤と専門職 問7

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 相談援助の基盤と専門職 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)の「4つの基本的なシステム」(チェンジ・エージェント・システム、クライエント・システム、ターゲット・システム、アクション・システム)のうち、チェンジ・エージェント・システムが抱える課題として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
脊髄小脳変性症で入院したHさん(45歳、男性)が退院準備のために医療ソーシャルワーカーに相談に来た。現在、下肢の筋力低下が進んでおり、長い時間の歩行は困難で車いすを利用している。Hさんは一戸建ての自宅で妻(42歳、会社員)と二人暮らしであり、今後は、介護保険サービスを利用して自宅に退院することを検討している。また、Hさんは入院後休職中であるが、自宅で療養した後に復職を希望している。
  • Hさんの退院後の自宅における介護サービス
  • Hさんが復職した場合の職場での勤務時間
  • Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援
  • Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源
  • Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有

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この過去問の解説 (4件)

01

ピンカスとミナハンの4つの基本的なシステムについて整理しておきましょう。

 

 

選択肢1. Hさんの退院後の自宅における介護サービス

自宅における介護サービスはアクション・システムです。

選択肢2. Hさんが復職した場合の職場での勤務時間

職場での勤務時間はターゲット・システムです。

選択肢3. Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援

妻への支援はクライエント・システムです

選択肢4. Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源

近隣の利用可能な社会資源はアクション・システムです。

選択肢5. Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有

チェンジ・エージェント・システムとは、ワーカーとワーカーが所属する機関などです。

院内スタッフの情報共有は、チェンジ・エージェント・システムです。

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02

ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)の「4つの基本的なシステム」とは

チェンジ・エージェント・システム・・・ソーシャルワーカーとその所属機関

クライエント・システム・・・問題やその問題を抱えるクライエント及び家族

ターゲット・システム・・・課題解決のためにターゲットとなる人々・組織・社会制度など

アクション・システム・・・ソーシャルワーカーと協力していく人々・専門職チームなど

を指します。

選択肢1. Hさんの退院後の自宅における介護サービス

適切ではありません。「介護サービス」は「ソーシャルワーカーと協力していく人々・専門職チーム」アクション・システムの課題と捉えられます。

選択肢2. Hさんが復職した場合の職場での勤務時間

適切ではありません。「Hさんが復職した場合の職場での勤務時間」はターゲット・システムの課題と捉えられます。

選択肢3. Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援

適切ではありません。「Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援」はクライエント・システムの課題と捉えられます。

選択肢4. Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源

適切ではありません。「Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源」はアクション・システムの課題と捉えられます。

選択肢5. Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有

適切です。「Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有」は医療ソーシャルワーカーの課題です。チェンジ・エージェント・システムの課題と捉えられます。

参考になった数47

03

正解は「Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有」です。

ピンカス(A.Pincus)ミナハン(A.Minahan)は、「ワーカー」「クライアント」「関係機関」の相互関係と相互作用を体系的に論じた4つのシステムは以下のように区別して覚えましょう。

①チェンジ・エージェント・システム(ワーカー・システム):ワーカー自身、所属機関

②クライエント・システム:問題、クライエントとその家族

③ターゲット・システム:問題解決のターゲットとなる人、組織、地域社会、制度

④アクション・システム:ワーカーに協力する人、専門職

選択肢1. Hさんの退院後の自宅における介護サービス

❌ 介護サービスは、ワーカーに協力する専門職であるため、アクション・システムです。

選択肢2. Hさんが復職した場合の職場での勤務時間

❌ Hさんが復職した場合の職場での勤務時間は、ターゲット・システムす。

選択肢3. Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援

❌ Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援はクライエント・システムです。

選択肢4. Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源

❌ Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源は、アクション・システムです。

選択肢5. Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有

⭕️ チェンジ・エージェント・システムの適切な説明です。

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04

ピンカスとミナハンの「4つの基本的なシステム」の内、チェンジ・エージェント・システムに該当する選択肢を確認していきます。また、他の選択肢についても、4つの基本的なシステムの内、どれに該当するのか確認していきます。

選択肢1. Hさんの退院後の自宅における介護サービス

不正解です。

退院後の自宅における介護サービスは、アクション・システムに該当します。

選択肢2. Hさんが復職した場合の職場での勤務時間

不正解です。

復職した場合の職場での勤務時間は、ターゲット・システムに該当します。

選択肢3. Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援

不正解です。

Hさん夫妻に対して、退院後に必要となる妻への支援は、クライエント・システムに該当します。

選択肢4. Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源

不正解です。

Hさんの希望に基づき、近隣の利用可能な社会資源は、アクション・システムに該当します。

選択肢5. Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有

正解です。

Hさんの今後の療養に関わる院内スタッフの情報共有は、チェンジ・エージェント・システムに該当します。

参考になった数4