問題
〔事例〕
Hさん(28歳、女性)は、長女Jさん(8歳)と二人暮らしで、Jさんには発達障害がある。ある日Jさんが、通っているZ放課後等デイサービスで、他の子のおやつを食べてしまった。Jさんは、「お腹がすいて我慢ができなかった」と訴えた。G児童指導員の呼び掛けに応じた面談でHさんは、「Jが大事で頑張っているけど、子育てがちゃんとできない自分が嫌」と話した。
発達障害の子を持つ母との面談の実際について問われています。ソーシャルワークの基本原理を押さえていることが重要です。
パターナリズムの傾向があり不適切です。
まずは母の頑張りを承認することが大切です。
家事で困っていることは読み取れないため不適切です。
現在困っていることへのアプローチの一つとして適切です。
母の現状を否定していると捉えられかねない表現にて不適切です。
放課後等デイサービス事業所での一場面です。通所児童の親とのコミュニケーションについて、どのような視点で行わなければならないか、問われています。
適切ではありません。Hさんは確かに、一人親で発達障害を抱える長女の養育に悩んではいますが、そのこと自体が「Jちゃんと少し距離を置く」手段を検討しなければいけないレベルかどうか、判断が必要です。
適切です。Hさんの不安、悩みに支持的に対応する必要があります。
適切ではありません。事例において、Hさんの不安や悩みが、「家事の多さ」に起因するとは読み取れません。
適切です。Hさんの不安や悩みは、長女の養育にあることは、事例から読み取れます。長女の養育に有用と思われる情報提供は、適切な支援と考えます。
適切ではありません。不安や悩みを抱えるHさんに、支援者として受容の態度を示さないまま、選択肢に書かれているような言葉をかけると、Hさん自身の至らなさを指摘しているようにも聞こえます。負の感情にとらわれる人に前向きな言葉をかけると、自己矛盾に陥り、逆効果につながるという研究もあります。
専門職である児童指導員(社会福祉士)の面接時に注意すべき事項について、具体的な事例に基づき確認しておきましょう。
Jちゃんと距離を置いたとしても、Hさんの気持ちは変わらないと思われます。
自己肯定感が低下していると思われるHさんを承認することは適切と思われます。
Hさんが家事ができない原因があり、Jさんがお腹がすいたという関係性はないと思われます。
Hさんは発達障害のあるJさんの子育てに困難性が見られます。Hさんがペアレント・トレーニングを受けることは適切と思われます。
励ますだけでは、専門職の対応とはいえず適切ではありません。