社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
相談援助の理論と方法 問20

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問題

社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 相談援助の理論と方法 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Z放課後等デイサービスのG児童指導員(社会福祉士)による、Hさんへの面接に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Hさん(28歳、女性)は、長女Jさん(8歳)と二人暮らしで、Jさんには発達障害がある。ある日Jさんが、通っているZ放課後等デイサービスで、他の子のおやつを食べてしまった。Jさんは、「お腹がすいて我慢ができなかった」と訴えた。G児童指導員の呼び掛けに応じた面談でHさんは、「Jが大事で頑張っているけど、子育てがちゃんとできない自分が嫌」と話した。
  • 「Jちゃんと少し距離を置くために、施設入所も検討してみませんか」と意向を聞く。
  • 「Jちゃんを大事だと思って、あなたはよく頑張っていますね」と承認する。
  • 「家事を手伝ってくれる子育て短期支援事業を利用してはどうですか」と意向を聞く。
  • 「子育ての方法を教えてくれるペアレント・トレーニングを受けるという方法もありますよ」と情報提供する。
  • 「Jちゃんにとって大事なお母さんなんだから、しっかりしましょう」と励ます。

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この過去問の解説 (3件)

01

発達障害の子を持つ母との面談の実際について問われています。ソーシャルワークの基本原理を押さえていることが重要です。

選択肢1. 「Jちゃんと少し距離を置くために、施設入所も検討してみませんか」と意向を聞く。

パターナリズムの傾向があり不適切です。

選択肢2. 「Jちゃんを大事だと思って、あなたはよく頑張っていますね」と承認する。

まずは母の頑張りを承認することが大切です。

選択肢3. 「家事を手伝ってくれる子育て短期支援事業を利用してはどうですか」と意向を聞く。

家事で困っていることは読み取れないため不適切です。

選択肢4. 「子育ての方法を教えてくれるペアレント・トレーニングを受けるという方法もありますよ」と情報提供する。

現在困っていることへのアプローチの一つとして適切です。

選択肢5. 「Jちゃんにとって大事なお母さんなんだから、しっかりしましょう」と励ます。

母の現状を否定していると捉えられかねない表現にて不適切です。

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02

放課後等デイサービス事業所での一場面です。通所児童の親とのコミュニケーションについて、どのような視点で行わなければならないか、問われています。

選択肢1. 「Jちゃんと少し距離を置くために、施設入所も検討してみませんか」と意向を聞く。

適切ではありません。Hさんは確かに、一人親で発達障害を抱える長女の養育に悩んではいますが、そのこと自体が「Jちゃんと少し距離を置く」手段を検討しなければいけないレベルかどうか、判断が必要です。

選択肢2. 「Jちゃんを大事だと思って、あなたはよく頑張っていますね」と承認する。

適切です。Hさんの不安、悩みに支持的に対応する必要があります。

選択肢3. 「家事を手伝ってくれる子育て短期支援事業を利用してはどうですか」と意向を聞く。

適切ではありません。事例において、Hさんの不安や悩みが、「家事の多さ」に起因するとは読み取れません。

選択肢4. 「子育ての方法を教えてくれるペアレント・トレーニングを受けるという方法もありますよ」と情報提供する。

適切です。Hさんの不安や悩みは、長女の養育にあることは、事例から読み取れます。長女の養育に有用と思われる情報提供は、適切な支援と考えます。

選択肢5. 「Jちゃんにとって大事なお母さんなんだから、しっかりしましょう」と励ます。

適切ではありません。不安や悩みを抱えるHさんに、支援者として受容の態度を示さないまま、選択肢に書かれているような言葉をかけると、Hさん自身の至らなさを指摘しているようにも聞こえます。負の感情にとらわれる人に前向きな言葉をかけると、自己矛盾に陥り、逆効果につながるという研究もあります。

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03

専門職である児童指導員(社会福祉士)の面接時に注意すべき事項について、具体的な事例に基づき確認しておきましょう。

選択肢1. 「Jちゃんと少し距離を置くために、施設入所も検討してみませんか」と意向を聞く。

Jちゃんと距離を置いたとしても、Hさんの気持ちは変わらないと思われます。

選択肢2. 「Jちゃんを大事だと思って、あなたはよく頑張っていますね」と承認する。

自己肯定感が低下していると思われるHさんを承認することは適切と思われます。

選択肢3. 「家事を手伝ってくれる子育て短期支援事業を利用してはどうですか」と意向を聞く。

Hさんが家事ができない原因があり、Jさんがお腹がすいたという関係性はないと思われます。

選択肢4. 「子育ての方法を教えてくれるペアレント・トレーニングを受けるという方法もありますよ」と情報提供する。

Hさんは発達障害のあるJさんの子育てに困難性が見られます。Hさんがペアレント・トレーニングを受けることは適切と思われます。

選択肢5. 「Jちゃんにとって大事なお母さんなんだから、しっかりしましょう」と励ます。

励ますだけでは、専門職の対応とはいえず適切ではありません。

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